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僕の平凡な日常 なんちゃって。  作者: 絹川クーヘン
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第54話 コウモリに囚われた悪魔

まりの「......っ...」


トロール「...?」


小十郎「.......」


ひかり「まりの?どうしたの。顔色悪いよ。」


まりの「大丈夫よ。」


スカーレット「こら。勝手にどこかへ行くな。ここで立ち止まったのか。ん?彼女のことか......行こう。」


まりの「待って!!」


>トロールを連れてスカーレットは立ち去ってしまった。

スカーレットはまりのを睨みつけ、疑問を頭に募らせた。トロールが一目会いたかった人物だったのか、そうでなければなぜ存じているのか。どうして刹那な瞳で見ているのか。

直接聞けない理由があった。それはいずれ、彼女たちに伝えることになる。


ひかり「どうしちゃったの?なんか変。あの人となにか...」


小十郎「あったみたい...だね。俺まりのを家に送ってくよ。また明日。」


ひかり「小十郎くん、よろしくね。」




>帰り道、まりのは黙ったままだった。隣に小十郎がいることも気づいてないようだ。


小十郎「(俺の嫌いなまりのだ。"とても親しかった人"、それがあの男の子なんだね...)」


小十郎「着いたよ。」


まりの「へっ、あ、うち...こーくん、学校からずっと側にいてくれたの?」


小十郎「...それじゃあ帰るよ。」


まりの「ありがとう。」


小十郎「...何があったか知らないけど、周りのことが見えなくなるほど気になるの?」


>優しくて笑顔の小十郎が、はじめて目を細めて唇を噛み、怒りの感情を見せた。


まりの「ごめん。」


小十郎「いや...っ...」


>小十郎は口を継ぐんで、何も返さず立ち去ってしまった。

二人のいざこざを、たまたまわらしに来ていた数斗は覗いてしまった。


数斗「(小十郎が怒るなんて、まりのに男?ないない。小十郎しかないだろ。)」


???「キュー」


数斗「イル。居たのか。お前が背中押してやれよ?まりのも小十郎にも。」


イル「キューキュー!」


>イルはまりのに近づいて、コツンと背中を頭突きした。

驚いたまりのを見て、喜んでいるイル。その後ろには笑う数斗がいた。




>フェアリーワールドに帰ってきたトロールとスカーレット。

どこか表情が曇っている、無表情のトロールに問いかけた。


スカーレット「いいのか。素っ気ない態度して...仕方がないな。お前は記憶がないから、会いたい奴とか忘れてるんだよなあ。でもこれだけは覚えておけ。特徴的なボブヘアに小柄な女で、お前の顔を見たときに反応が違うと思うと言ってた奴とは出会ったぞ。忘れるな。」




>1か月前の月日が経過する前。目覚めたトロールの言葉に、カナリアとスカーレットは聴覚を蔓延らせた。


カナリア「無事でなにより。」


トロール「...聞いてくれ、僕はある男を倒さなきゃならない。守りたい人がいて、まだ終わってないんだ...お願いだ...はやくここから出て、あの子を助けなきゃ。」


カナリア「何か急いでるみたいだね。だけどケガは1日で治せるものじゃないよ。」


トロール「...最短でいい...いつ治る...?」


カナリア「......1ヶ月。でもその期限の代償は"記憶"。あなたが生きてきた3年間を失うよ。記憶の媒体は数日で取り戻せるものじゃないから、身体だけは形になっても頭の中はその助けたい子のことは忘れてしまうわ。それでもよければ、すぐ準備に取りかかるよ。」


トロール「頼む。僕の代わりに...」


>そう言って、トロールは自分が成し遂げたい出来事を、声が続く限りカナリアとスカーレットに説明した。




>過去のことなど覚えていないトロールは、ただ夜空に煌めく月を見つめていた。

だがトロールの見えている景色は、鮮やかに映えるオーラはなく、モノクロの色彩しか見えていない。それを彼は当たり前の景色だと認識している。


トロール「(あの子、ぼくを見て驚いてた。どうしてだろう......)」


>ここからまりのとトロールのリスタートになる。




小十郎「あーーー!!どうしよう!!どうしたら...」


弊六「(あれほど取り乱す(あるじ)は、見たことがない。やはり恋にうつつを抜かすとろくなことがない)」


小十郎「弊六、気持ち伝えるのって、相手にはどう思われるかな。その前に、ケンカしてるんだけどさ。こんなの恋愛の神様でもない弊六に聞いても判らないよね。はは...辛いな。」


>弱音を吐く主は、今にも絶望しかけている。

少し前の彼なら無言を貫いていた。視界にはいっていても見ぬ振りをしていた。しかし主の情が移ったらしい。


弊六「知らぬ。だがこんなところでもがいても進展などしない。傷つくことを恐れるほどの意なら逃すのも内。」


小十郎「...確かに怖いよ、気まずい感じでもあるし。けど終わるのはもっと怖い。だから...ありがと。なんか弊六の優しさ見えて嬉しい。」


弊六「......は?」




数斗たちが住む世界”清平良せいひら”とは裏世界に存在する闇疆界ネザーリミット。そこに身を隠していたのはコウモリに蝕まれた妖精だった。

「あひゃひゃひゃ!!頃合いだな。さあて残りのゴミ共を排除してやるか。」

彼の周りには、数斗が出会ったドラキュラを思い出させるかのように、無数のコウモリたちに支配されている。

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