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第三幕 蛇

茫然と、半ば意識を失った様なおぼつかない足どりでユリアウスは暗闇の砂漠を彷徨っていた。

 あれからユリアウスは冷たくなったヒュリーラを腕の中に抱きながら、涙が枯れ声も出なくなるまで泣き続けた、涙が尽きると輝きを完全に失った目を大きく見開いたまま素手で地面に穴を掘り始めた、砂漠とはいえ深く掘ると土の層に突き当たったがそれでも彼は掘り続けた、爪は剥がれ落ち血が流れ出ていたが彼には痛みを感じる程の気力すらなかった。そのまま数時間もの間狂った様に一心不乱に穴を掘り続け、かなりの深さまで掘るとそこへ、眠っているだけにさえ見える穏やかな顔をしたヒュリーラを寝かしつける様に優しく伏せると、神々に冥福を祈りながら彼女を埋葬した、その間にも彼女との思いでが延々と彼の頭を廻っていたが、涙はとっくに枯れ果ててしまっており無機質な作業を黙々とこなす彼が悲哀に満ちているとは思えない程に彼からは生気が欠けていた。

 たった一晩で彼は全てを失った。幸福を絵に描いた様な満ち足りた生活だった、心の底から愛する人が同じように深く自分を愛してくれた、家庭だけではなく両親達との関係も順風満帆で、一緒に笑いあえる多くの友人に囲まれ、子供の頃から憧れていた職を持つ事が出来、住む場所にも恵まれ、兄弟とも呼べる程心の通った愛馬もおり、決して裕福とは言えないが人並み以上の生活を営め、将来にも希望を抱いていた。そんな些細ではあるが満足していた幸せが、たった一晩で、全て脆くも崩れ落ちた。ユリアウスは幸福に満ち溢れていた明るい人生の頂上から奈落の底まで真っ逆さまに突き落とされた。たった一晩で、彼は国を失い、住む場所を奪われ、安定も消え去り、愛する人を失い、親友を失い、友人を失い、生きる希望さえも失った。そして一時その失われた穴を塞いでいたのは、憤怒であり悲哀であり絶望であった、しかし今の彼にはそんな負の感情の色すらもない虚無に支配されていたのである。幸福も不幸も色がある、形がある、それに伴い感情が芽生え考える事が出来る、しかし虚無から得られるものは何もない、ただぽっかりとその空間だけが存在してないかの様に人の感情や思考を無情に飲み込んでいく、生きる事への絶望も死ぬ事への希望も存在しない”無”、考えるという人間らしさを奪われた今の彼はただ人の形をしている”何か”なのである。彼の目は開いている、耳も聞こえている、呼吸もしている、だが考える事だけが欠如しているそんな魂の抜けた生き物だ。

 しかしそんな虚空でしか感じられない事もあるのかもしれない、些細な雑音ノイズやふとした心の揺らぎ、その様な情報が個別の世界を形成しているとしたら、虚無の中に見えるもの聞こえてくるもの感じるものが”世”から分離した真理の”界”なのかも知れない。ユリアウスは彼の意識ではなく、何かに操られる様にふらふらと立ち上がると声とも音とも取れない不思議な何かが聞こえてくる方角へ歩き出した。目は虚ろで焦点は定かではなく、体からは生気が抜けており今にも倒れそうな位弱々しかった、若干前のめりで地面を擦る様に歩く姿は糸で操られる人形の様であり、さらに赤い満月に照らされ砂漠を徘徊する様子は不気味な限りであった、その様子は神話で語られるオルフトスのいない世界の話を彷彿とさせた(※37)。

 思考が止まっている彼を動かすのは一体何なのか、まず思考とは一体何なのであろうか、人間は考える事が出来る、しかし思考は変化する、たまに自らでも理解出来ない考えがふと浮かんでくる、そして稀に自らの理念に反した行動を行う事すらある。もし思考が単一ならば自らで理解不能な行動や思考はしないはずだ、それならば思考とは複数の意識の集合体なのだろうか、個体の中に存在する多くの意識が集まり思考となる、それならば今の彼を動かしているのは彼の中に存在する意識の一つが思考という集合意識を超越して個体の支配権を得ているのかも知れない。もちろんこれは思考が停止している彼の不可解な行動にそれらしい理由をこじつけているにすぎないが…彼が動いている理由は考えによってではない、”何か”の影響を受けて動いている、理由は何にせよ最も大切な点は、彼は今何も考えていないという事である。

 空に輝いていた赤い月もそろそろ地平に姿を消す頃、ユリアウスの視界にセフィトメアが入って来た、視界には入ったがそれに対して何の感情もなければ考えも浮かんでこない、ただ何かに憑りつかれた様にどこを見るでもなく輝きのない虚ろな目をしながら滅び去った国へ向かっていた。傍から見れば弱々しく這う様に歩く彼には永遠にそこへ辿り着く事は出来ない様にさえ見える、しかしそれでも一歩一歩着実に近づいていた。赤い月が完全に沈み、日が出る前の暗闇の中、彼は廃墟の門の前で立ちすくんでいた。どれ位の時間彼はそこに佇んでいただろうか、かなり長い時間彼はそこにいた、何もせず、何も考えず、ただそこに存在していた。一体何が切っ掛けになったかは分からないが、突然彼に意識が戻り、ふと彼はこう思った。 

『一体俺は何の為にここに来たのだろうか。』

ここまで彷徨うように歩いてきた事は思い出せる、しかしその間に何を思っていたかなどは思い出せない、ただ無機質な映像だけが思い出せるだけである。今も彼の思考は正常とはほど遠い、彼の思考から「理由付け」が欠けていた。彼は自分が何故ここにいるのかを深く考えもせずに廃墟の門をくぐり、迷う事もなく何かに惹きつけられるかの様に一直線に歩きだした。今の彼は何か分からないぼんやりとした”存在”から与えられる命令に何の疑問も抱かずに動いている、先ほどの憑りつかれた様な状況と違う点は今の彼には意識があるという点である、そして疑問は抱かないにせよ自らの決定をもって行動しているのだ、言うなれば群れの中にいる一頭の羊であろう、自我はある、だが群れの行動に疑問を持たずにただ周りの動きに合わせて動いている、その様なものだ。

 廃墟を歩きながらユリアウスは自らの故郷を思い出し、再び心に色が宿った、決して心地よい色とは呼べなかったが人間らしさを取り戻したことは確かであった。しかし心に色が灯ると先程まで存在していた彼を導く”何か”がふと消滅した、そしてはっきりとした自我が湧いてきて、いよいよ足を止めて深く考えだした。

『俺は何故ここにいる?一体何故ここに来たんだ?ここに来るまでの事も覚えているが、その理由が思い出せない...来るべきはここではなく、反対方向ではなかったのか?』

彼がそう考えるとそれが引き金になったかの様に、思い出しくない惨劇の情景が彼の脳裏に何度も繰り返し映し出され、映像と共に生み出される色が彼を苦しめた。涙はもうとっくに枯れ果てていた、しかしそれでも足は震え全身から血の気が引いていった、涙が枯れ果てても悲しみが枯れた訳ではない、先ほどの様な呆然自失としていられたらどれだけ気が楽だった事か。再び感傷に苛まれる彼の目に付いたのはセフィトメア兵の亡骸であった、そしてそれの握りしめる剣に魅入られる様にしばらく眺めていた後に、彼はその亡骸に近づき、片膝をつきながら腰を下し、剣を手に取ろうと手を伸ばした。手が剣に触れる瞬間、彼の目に映っていた剣は蛇になり地面を這いながら先程までユリアウスが向かっていた方角へと地面を這いながら消えていった。唖然として声も出なかったユリアウスだが、蛇が気になり、彼は再び歩き出した。

 辺りは未だに夜の闇に包まれている、しかし蛇の這っていった道は淡く輝いているかの様であり、ユリアウスが道を間違える事はなかった。焼け落ちたとはいえ芸術大国でもあったセフィトメアは、その栄光は崩れ落ちた今でもなお破滅の美を自らの身をもって表しているかの様に彼の目を惹きつけた、しかしユリアウスの目が彼の進むべき道からそれる度に蛇の鋭い眼光が彼を睨めつけている様に思え、すぐにまた歩きだした。荒廃を歩きながら気がつけば彼はセフィトメア城の前に佇んでいた、城と言ってもすでに陥落し半ば焼け落ちた無残な姿ではあったが、それでもやはり何とも言い難い美しさや気品の様なものがあった。ユリアウスは半壊した門を潜り、城内に入ると再び蛇の後のを追うように歩き始めた、彼は自らが何故蛇を追いかけているのかを理解してはいない、しかし彼には『蛇を追いかけなくてはならない』という使命感があった。蛇の通ったであろう淡い光の道は玉座の方へと続いていた、真紅の玉座は座る者がいなくなった今もなお凛とした威厳を醸し出している、しかしその色が自らの主の末路を語っていた。ユリアウスは隣国の者達の冥福を祈りながら蛇を探した、光の道は玉座の後ろで忽然と消えていたのである。あてもなく光を探していると、ふと何かに見られている様な感覚を覚え、ユリアウスは振り返った、すると崩れ落ちている壁の穴から蛇が顔を出し舌を動かしながら彼を見ていた、しかしユリアウスが蛇に気が付くと同時に蛇は穴の中に姿を消した。ユリアウスは考える事もせず、迷わずその穴に手を入れると中に違和感のある石がある事に気が付いた、そしてその石に手は丁度手が埋まる様に収まり力を入れると引く事が出来た。石を引くと同時に、ユリアウスの足元の床が音を立てながら動き始めると段差が出来始め、石畳はみるみる内に階段へと変わっていった。大仕掛けな隠し通路に呆然としていた彼だが、階段に浮かぶ光の道を見て何かを決心したかの様に静かに長く息を吸い込むと階段を下り始めた、階段自体は長くは無かったが螺旋状になっていた為距離感がつかみ難く実際の距離よりも長く降りていた様な気分がした。

 石階段を降り終えるとそこは舗装されていない大きな一枚岩の様な足場であり、若干肌寒く、たまに滴り落ちる水の音が辺りに反響し不思議なまるで夢でも見ているかの様な感覚を覚えた。探索してみようにも辺りは真っ暗であり足元さえもはっきりとは見えなかった、しかし目を凝らしながら周りを見ると壁に掛けてあった松明が見えたので、それを手に取り原素を集め火を灯すと淡い光に辺りが照らし出されてようやく彼の立っている場所が自然に出来た洞窟である事が分かった。微かに聞こえる風の音、周りに美しく響き渡る雫の音色、火に淡く照らされ浮かび上がる幻想的な風景、そんな神秘的な空間がユリアウスの心を魅了し、呆然とその場に佇みその空間の調和を体全身で感じ取っていた、彼の心の中では『ここにずっと居たい』と思う側面もあったかも知れない、自分が何を考えているのかも分からない程その自然の美しさに意識を奪われていた。

 ユリアウスが意識を自らの統制下に置いたのはそれから時間はあまり必要としなかった、先ほどの蛇が彼を見ていた、それはあたかも彼に何かを問いかけているかの様に凛とした鋭い目でユリアウスを睨みつけていた。その問いに答えるかの様にユリアウスが再び動きだすと、蛇はゆっくりと洞窟の奥の方へと這って行った、蛇の通り道に先程まで見えていた光は無く、その代りに蛇そのものが彼を導く様にゆっくりと地面を這っている。しばらく歩いていると洞窟の岩壁から突き出ている大きな木の根っこに行き着いた、蛇は体をしなやかに動かしながら木の根を這い登っていくとユリアウスの気を惹く様に体を起こしある一点を見つめていた。ユリアウスが蛇の見つめている方角を見ると、木の根っこよりも若干濃い茶色の四角い何かが目に付いた。

『どこかで見た覚えのある形だ...』

そんな事を考えていると、ふとハスタラフの家で見た不思議な物を思い出した、そして彼はその四角い何かに手を伸ばしたその瞬間、蛇が彼の耳元でこう囁いた。

「これは”その時”か?」

ユリアウスは蛇が喋った事よりも質問の内容に息を飲んだ、意味を理解した訳ではない、しかし何故か背筋がゾッとした、冷や汗も出てくる、心臓の鼓動も早くなった、そしてユリアウスは目をその四角い箱の様な物に合わせたまま、完全に静止した。そして自分に問いかけた。

『”その時”とは何だ、今が”その時”なのか?この蛇は一体俺に何を求めている?こいつは始まりを告げる蛇なのか、それとも終わりを告げる蛇なのか?(※38)…』

”その時”という言葉の重さにユリアウスは怖じ気づき、手を一度引こうとした、その些細な動きを見た蛇が彼を鋭く睨めつけ再び囁いた。

「忘れたのか?」

この一言で自然の優しさに包み込まれ安らぎを得ていた彼の心が、一時は虚無によって飲み込まれ消え去っていた感情が、一気に爆発した!

 目の前に思い出される愛する人の変わり果てた姿、忌々しい不義の標に括り付けられた人々、幸せな平穏を奪い去った憎い敵、その激しい憎悪と怒りで彼は全身を震えさせながら歯を食いしばった、それでも自分を抑制出来ずにとうとう自らの唇を噛み切り、血が流れ出た。そしてその様子を見ていた蛇が静かにまた囁いた。

「これは”その時”か?」と...

ユリアウスは戻しかけていた手を再び伸ばし、憎しみと怒りを糧にその物を掴み取ると地面が震える程の怒声を上げた。

「そうだ!”その時”だ!」

その瞬間、先ほどまで彼の隣にいた蛇は消えさり、彼の手には茶色い四角い物が握りしめられていた...


 ユリアウスが地上に戻って来た時には日の出の直前で、周りは静かに青色に染まっていた。急激な感情の高ぶりに意識が朦朧としたまま彼は最初に蛇を見た兵の亡骸の所まで戻って来ていた。何も飲まず食わずの上に休息も取らず体を酷使した、更に精神の激昂も相まって彼は歩く事もままならない程衰弱していた、そしてそのまま物言わぬ兵のそばで壁にもたれかかり崩れ落ちる様に座りこんだ。茫然としながらしばらくの間その場で地面を眺めていた、ぽたりぽたりと液体が流れ落ちる音が聞こえた、それが自らの血である事にも気が付かないまま、ただじっとしていた。その時若干強い風が吹き、何かが崩れた音がした、そしてその音にハッとした様に彼は四角い箱を両手で持って見つめた、しばらく無言で眺めていた後に自らの膝の上で開いてみた。ハスタラフの所にあった物と全く同じであり、変わった点も何もなかった様に思えた、パラパラと壁画の様な物に目を通していく、何も得られないままそれを閉じると目を瞑り彼は弱々しく呟いた。

「”その時”か...何が”その時”なのだろう...全てを失った俺に…俺に残ったのはこの”本”だけ...」

彼は少しの間自らが口走った矛盾に気が付かなかった、しかし何か違和感を覚えたらしく再び何かを問いかける様に呟いた。

「残ったのはこの”本”だけ?...”本”?...」

そして両手に抱えている物を見つめながら彼は自らに問いかけた。

「何故...俺はこれが”本”という物だと知っている?」

ユリアウスは全く自分が理解出来ていなかった、ふと口走った”本”という単語、彼には”本”という概念が無かった、勿論今もないはずだ、しかし彼はこれが”本”である事を理解して言った、そして実際にこれが”本”である事を認知している。何か妙な胸騒ぎを覚えた彼はもう一度”本”を開いてみた、そして今回は思慮深く目を通してみた。

『Atom: a part or particle considered to be an irreducible constituent of a specified system…』

先程まで壁画の落書きにしか見えなかった形が理解出来た、目を大きく開けながら”本”をもっとよく調べた。

『Vous comptez vous faire des rentes sur l’ètat...』

全く理解出来ないはずの物を彼は理解している、情報が直に入り込んでくるのだ。若干の恐怖に震えながら彼は”本”を”読む”事を続けた。

『遺伝的義勇隊を募る!健全なる男女の河童よ!悪遺伝子を撲滅する為に不健全なる...』

始めて見た時は全てがただの不規則な形にしか見えていなかったが、今は違う、一つ一つ形の違う”文字”という存在が理解出来た、そしてその”文字”は”文”を組たて意味を伝えるのだという事が、あたかも大昔から当然知っているかの様に受け入れられた。

『θάνατος οὐδὲν διαφέρει τοῦ ζῆν...』

この”本”には時も場所も全く無関係に統一性の無いあらゆる情報が書かれていた、それはアカデミアで習う様な科学的な事から、彼の知っている物とは完全に別の神話、人々が日常で話している様な空話に、空想の出来事を描いた奇妙な話まで、ありとあらやる知識が詰まっていた。ユリアウスは”本”を読む毎に得られる知識にユーフォリアを感じ、情報を貪欲に求めた。

 ユリアウスが我を忘れて”本”を読んでいると、彼を呼ぶ声が聞こえた様な気がした。目を大きく見開きやつれた顔を上げて辺りを見渡すと、一枚の大きな鏡が彼から少し離れた場所に佇んでいた。今までその存在に全く気が付いていなかった事が不思議な程存在感のある大きな鏡だ、ユリアウスは彼を呼ぶ声がその鏡から聞こえた様な気がしたので、一度”本”を閉じ、鏡へと足を運んだ。鏡には多数のひびが入っていたが、焼け落ちた町の中にあるにはあまりにも不気味な程綺麗であった。

 鏡の前に立つと、日の出で明るくなってきていたはずの周りが急に暗くなり、大勢の人間の嘆き声や呻き声が聞こえて来た。彼はゾッとして振り返るがそこには何もない、不気味な声も突然消えた、少しの間目で辺りを見渡していたがやはりそこに存在するのは彼一人であった。しかしその安堵を得るか否かの瞬間に彼はおぞましい雰囲気を首筋に覚え、振り向き鏡を見た、するとひびの割れた鏡一面に見知らぬ人間達の顔が映り彼を恨めしそうに睨めつけていた。あまりの恐怖に呼吸をする事さえも忘れ、鏡に魂を吸われたかの様に硬直した、何かが彼の目を操っているかの様に目を反らす事も出来ず、ただ鏡に映る人間達の顔に恐怖するしかなかった。



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※37:オルフトスのいない世界・・・オルフトスがケイミェフと離された時に一度、ケイミェフを探しに行ってしまい死者の魂を導く者がいなくなり、魂が死んだ体に入ったまま生活していたという話から。火葬が広まったのはこの神話の話による影響が多いと考えられている。

※38:始まりと終わりの蛇・・・神話では世界が生まれる前は一匹の蛇が存在するだけだった。蛇が自らの尻尾に噛みつき自らを飲み込みはじめ、頭まで全て飲み込んだ時に白い蛇と黒い蛇の二匹の蛇と世界が生まれた。その二匹はお互いの尻尾に噛みつきお互いを飲み込みはじめた、そして白い蛇が飲み込まれた分だけ世界に命が生まれ、黒い蛇が飲み込まれた分だけ命が死んだ。この二匹の蛇は永遠にお互いを飲み込み合い続けると言われいる。この二匹が始まりと終わりの蛇だという者と、自らを飲み込んだ蛇が始まりと終わりの蛇だという者とで神話の捉え方が変わっている。二匹を始まりと終わりの蛇に分けるのが主流である。


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