赤い月
広場に集まった人々は国王を称える歓声を上げる者達や大声で国歌を歌う者達で埋め尽くされていた、そんな活気と活力で溢れた広場を背にユリアウスは一人顔を青くしながら城門へ向かって歩いていた、足はガタガタと震え、目には涙が溜まり、唇は真っ青になっていた。先程の演説で彼が最も聞きたくなかった言葉を聞かされた、しかしそれでも彼の中には微かな希望があった、『しかし…』『もしかしたら…』その様な言葉が未だに彼の中には存在した、だがやはり精神的な動揺は鏡に映しだしたかの様に彼の身体へ反映されていた、どんなに強く希望を抱こうとしてもその希望に相対した絶望がそれを崩した、砂で橋を作ろうとしても崩れ落ちる事は避けられない、どんなに砂を集めても結果は目に見えている。しばらくは不安定な精神状態が続いていた、自分でも一体何を考えているのかが分からない混乱した状態であった、頭に浮かぶ事は非現実的な空想に近いものがほとんどであった、知らず知らずのうちにそんな楽観的な結果のみを考えようとしていた、実際にそう考えてる方が断然楽であったので自然とその様な理不尽な考えのみで彼の思考は埋め尽くされていた。どんなに現実味が無くても、それが小手先だけで身がない想像でも、今の彼には必要だった、そうでも考えていないとその場に崩れ落ちてしまいそうなのだ、だから彼は必死に希望の砂をかき集めた、それがどんなに脆いかが分かっていてもそうするしかなかった。
力無く歩いているユリアウスの目に市場で売られているサイフが映った、先程の商人が言っていた事は本当らしい、誰も原素を集めていないのにサイフには凛々しい笑顔のネグメゼフ国王と先程目に付いた元メルギスの大臣が手を握り合っている映像が映し出されていた。それを見た直後にほんのわずかな感情が湧いて出てきた、その炎の様な感情は生まれると同時に彼の感情を埋め尽くした、怒りである。不思議な事に怒りを覚えた彼の思考は先ほどとは完全に違う動きをした。先ほどまでは非現実的な考えにすがりつき恐怖から目を背けようとしていた、しかし突如彼の思考からその様な空想が消え去り、同時に先ほどまで必死に続けていた砂を集める様な保守的な思考も止まり、激しい憤りが彼を支配した、血の気の引いていた体に煮えたぎる様な熱い血が流れ始め、拳を強く握りしめると歯を食いしばり、こう念じた。
『皆を救い出したらあの裏切り者を切り刻んでやる!』
そう思うと激しい怒りに身を震わせながら原素を集め渾身の雷を国王と大臣の映るサイフに叩きつけ、息を荒ぶらせ力一杯大地を踏みしめながら城門を後にした。外に出て大きく息を吸い込み力強い目でネグメゼフ城を睨めつけるとすぐにルシュテナの元へ駆け出した。ルシュテナは主人からにじみ出る激しい憤怒に本能を刺激されたらしく息を荒げ前足を強く地面に叩きつけながら主人を見た、血のたぎった目を大きく見開きながらユリアウスはルシュテナに跨ると何も考えずにカテテラ砂漠へ向かって行った、今の彼は完全に冷静さを欠いていた激しい精神の高揚が彼を盲目にしていた。ユリアウスは人々を救出する事は当然でそれ以降の復讐について考えを集中していた、しかし憤怒とは周りを見えなくする言わば毒の様な感情である、過去に犯した過ちは怒りによる感情の支配による物が多かったはずだ、普段の彼なら同じ過ちを繰り返さぬ様に努力するかも知れない、しかし今の彼には周りが何も見えていない、その一つの例がルシュテナに過度の負担をかけさせている事である、冷静な彼ならばルシュテナに砂漠を全力で走らせる様な愚行はしない、しかし彼の念頭にあったのは裏切り者をどうやって処断するかのみであった、そして彼の憤怒という毒に侵された思考はすでに復讐の作戦を練る所にまで至っていた。
『部下の数人は無事なはずだ、それならば少数で王城に忍び込み、城内を攪乱させる為の陽動班と裏切り者を捕える実行班に分かれれば無駄な戦闘もなく簡単に成功するかも知れない。奴を捕えたら一度メルギスにでも戻って、生き地獄を見せてやる!大臣になったのもジャヴァス教徒と偽ったのも全てはこれが目的だったに違いない!元々奴はネグメゼフが放った間者だったんだ!大臣という立場を利用してジャヴァス教徒に変装させたネグメゼフの兵を侵入させ、準備させていたのに違いない!くそっ!奴のせいで!メルギスは一から復興しなくてはならい!メルギスだけではない!セフィトメアだってそうだ!全てはあの裏切り者のせいで!』
ユリアウスには何も見えていなかった、しかし冷静であれば悲観に押しつぶれてしまうであろうから盲目的なこの状態の方がもしかしたら好ましいのかも知れない。どちらにしろ夢の女神はこの男が繰り広げる生き生きとした演劇を喜んで見るだろう、彼女にとって喜劇か悲劇かなどはどうでも良い事だ延々と終わる事のない演劇の中では一幕の悲劇的な結末は二幕の喜劇に繋がるかも知れない、彼女にとって最も大切な事はその瞬間瞬間に生きる舞台の上の人間達の反応なのだから、そして舞台の上の人間達は自らが踊らせられている事に気が付くこともせずに必死に演じるのだ、何故ならそれが彼らにとって一番大切な人生という題目だから。
砂漠を走りながら黄昏色に染まる空に目を向けながらユリアウスは冷静さを取り戻しつつあった、怒りとはまさしく炎の様なものだ、激しく燃え盛るがそれも長くは続かずに燃え尽きてしまう。彼の激昂は崩れ落ちそうな自分を奮い立たせる役目を担っていた、そしてその支えが弱くなると今まで閉じ込めていた不安や恐怖がこぼれ落ちてきた、それを無意識に理解した彼は決壊寸前の堤防を抑えるかの様に作為的に怒りを生み出そうとしていたが、もちろんその様な偽の感情に純粋な感情が負けるはずもなく、考えたくもない不快な悲観が徐々に彼の心を浸食し始めていった。日が沈むにつれて、彼の心の中から色が消えていき、非現実的な楽観が薄れていった、押し寄せてくる不安を吹き飛ばそうと彼はルシュテナをより一層早く駆けさせた。ユリアウスは自らの事だけで手一杯であり、ルシュテナの異変に気が回らなった、ルシュテナの呼吸は荒く早い、そして息を吐く毎に異常な音を出していたが、ルシュテナはどんなに苦しくても主人の為に走った。
ルシュテナは走りながら昔を思い出していた、彼はユリアウスの家の納屋で生まれ落ちた。彼の目が見える様になって意識が芽生えると同時に認識した事はユリアウスの存在であった。仔馬の頃から雨の日も夏の厳しい暑さの日でも彼の主人は毎日納屋に来ては餌や水を与えてくれた。少し大きくなりたてがみも少し生えてくると主人は声をかけながらたてがみを整えてくれた、もちろん何を言っていたかなどは分からない、でも主人が楽しいのか嬉しいのかはたまた悲しいのか不思議と理解する事が出来た、そして自らも主人の感じている気分を分かち合えた事が、幸せだった。いよいよ人を乗せられる位に成長すると主人と毎日何時間も一緒に過ごした、とっても楽しかった、お互いに慣れていないので主人を落としてしまう事もあったがそれでも主人は怒らず、笑顔で頭を撫でてくれた、嬉しかった。乗馬をする主人も人を乗せる自分も慣れてきて、大会に出た事があった、色々華やかな恰好をした馬や人がいるなかで自分も主人もみすぼらしい恰好だったけど、主人と一緒に頑張ってそして優勝したあの日の主人の喜ぶ姿を思い出すと今でもとっても嬉しくなる。ある日主人が女の人と一緒に納屋に来た、何かを言っていた、何を言っていたかは分からないけど主人が幸せだったからすごく嬉しくなった。女の人と一緒に生活してからでも主人は毎日餌をくれたし、毛並も整えてくれた、何時間も一緒になって野原を駆けた事もあった。女の人のお腹が大きくなって、主人も嬉しそうにずっと喋りかけてた時はちょっと寂しかったけど、主人と主人の子供を乗せて走り回れる日がすごく楽しみになった。今日の主人はずっと哀しんでる、主人の為に出来る事は走る事だけだ、だから一生懸命走るんだ、どんなに苦しくっても主人の苦しみが無くなるのだったら走るんだ、大好きな主人の為に必死に走るんだ、きっと主人が喜んでくれるから頑張って走るんだ…
ユリアウスは徐々に暗闇に染まっていく空に目を向けている、はずだった…いきなり世界が回った様な感覚を覚えたと思ったら今度は視界一杯に空が広がった、間もなく全身を強く殴られた様な痛みが広がり、ようやく自らが地面に叩きつけられた事に気が付いた。気が動転していた事もありユリアウスには何が起きたか全く理解出来ず、しばらくの間倒れていた、茫然としながら全身に広がる痛みに生を感じながらようやく起き上がると、彼は絶句した…彼が頭で理解する以前に涙が溢れてきた、涙でかすむ彼の目には力尽き横たわるルシュテナがいた、全身に走る痛みを堪えながら親友の元に歩み寄ると歯を食いしばりながら親友を見つめた、ルシュテナはあたかも未だに走っているかの様に僅かに頭を揺らしている、そんな親友の強い想いを感じ取ったユリアウスは力無く彼の前に崩れ落ちると首に抱き付きながら泣いた。ユリアウスはその時自分がどれだけ冷静さを欠いて周りが見えていなかったかを悔いた、そして泣きながら何度も何度もルシュテナに謝り続けた、ルシュテナの動きが完全に止まるとその瞳からも光が消えた、しかしそれでもルシュテナの瞳は前を向いていた、体は朽ちても魂は主人の為に走り続けているかの様に強くまっすぐと前を見据えていた。
ユリアウスはその場でずっと泣いていた、ルシュテナは彼に取って本当の兄弟の様な存在だった、それなのに彼が苦しんでいる事にも気が付かず、朽ち果てるまで酷使させてしまった、ルシュテナを抱きしめながら辺りが暗闇に包まれるまで大声を上げながら泣き続けた。涙が落ちる度にルシュテナとの思いでが浮かび上がりそれが次の涙を流させた、彼からルシュテナとの思い出が枯れる事はなく長い間その場で悲しみと後悔に暮れていた。どれだけ泣いていたかは分からない、しかし気が付くと夜空が厚い雲に閉ざされ真っ暗闇になっていた、ユリアウスは天を見上げルシュテナの冥福と加護を祈る(※34)と尽きる事のない思い出と共に涙を流しながら砂漠の中を歩き始めた。
月の輝きも星の光も雲に遮られ何も見えず方向すらも分からない、そんな状況でも彼は歩き続けた。今彼の中にあるのはルシュテナとの思いでばかりだ、彼が歩いている方向はルシュテナが見つめていた方角だった、この道が正しい道なのかなどユリアウスは考えもしなかった、ルシュテナがこの先だと言うのだ、それを疑う事なんてどうして出来ようか。砂に足を取られ何度も転びながらも歩き続けた。丸一日何も飲まず食わずで体に力が入らなかった、たまに砂漠の動物が移動する足音が聞こえたがそんな事等どうでもよかった、ただ一心不乱にルシュテナの見つめていた方角へ向けて歩き続けた、そうしているとルシュテナがずっと一緒に歩いていてくれる様に思えたのだ、そしてそう考えると哀しくなってきてまた涙が溢れて来た、もしかしたら大声で泣きながら歩いていたのかも知れないし、すすり泣く様に静かに涙を流していたのかも知れない、そんな事も分からない程ユリアウスは満身創痍だった。
それでも彼は進んだ、歩み続ければいつか必ず到着する、それが望んだ結果か望まざる結果かは分からない、だがそれでも歩み続ける事は大切だ、なぜなら一歩踏み出せばその分先が見えるから、そして先が見えれば次に進むべき道が見える、一歩先しか見えないなら一歩踏み出せばいい、そうすれば次の一歩先が見える、進むべき道が通れないなら通れる様にすればいい。歩んでいた道が間違いでもそれに気が付く事が出来るのはやはり歩いていたからだ、道を間違えていたなら正しい方向に向きを変えてまた歩き続ければいい、必死に歩いて、心が折れそうになっても歩み続けて、どんな障害にぶつかっても歩いて行けばいつか目的地に到着出来る…それが希望通りであったか等は考えるべきではない、世界が存在している理由はそんな個人の些細な希望や願望の為ではないのだから…
親友の魂に導かれる様に歩き続ける男の後ろから夢の女神がついてくる、暗闇で迷わないのも、動物に襲われないのも、もしかしたら彼女が守ってあげているのかも知れない、無邪気な子供の様な笑みを浮かべながら彼女が彼を守るのはなぜだろう、慈しみからか、優しさからか、それともただの悪戯心からか…ただ一つ確かな事は女神ならば見えているはずだ、この先に何があるかを、それでも女神は彼に加護を与えて彼を守っている、彼に進めと囁いている、それは優しさなのか残酷なのか...人間には先の事など分からない、だからその時その瞬間に一喜一憂する、女神がどう考えているかはそんな目先の事しか見えない生き物には理解出来ないのかも知れない...
未だに距離はあるが、微かに何かが見えてきた、ルシュテナの魂はユリアウスを導いてくれた様だ、ユリアウスは僅かな希望を胸に足を速めた、彼が何を考えていたかは表しずらい、彼には考えるという程の体力も気力も無くなっていた、彼は考えずに感じていた。その感情もとても複雑なものだった、一時彼の心を支配していた憤怒は枯れ尽き、楽観的な希望もルシュテナを失った悲しみでくすみ、恐怖や不安は彼の許容できる限界を超えてたので感覚が麻痺してしまっていた、唯一彼の中で芽生えた感情というと、達成感かも知れない。しかしそれも負の感情が優っている状態での達成感である、喜びや楽しみ等の感情等一切生まれなかった、しかし最も根本的な何かを達成したという無機質な感情の揺れは感じられた。必死にその何かに向けて歩みを進める、厚い雲も徐々に流れ、若干ではあるが星の光が視界を広げた、しかし月の女神はまだ見えない。彼の中にあった希望も少しではあるが輝き出した、こればかりは仕方がないのかも知れない、『もしかしたら』この考えがある限りどんな状況でも希望が生まれる(生まれてしまう)。千の悲観を想像しても一の楽観を想像してその淡い可能性に期待する、それがどんなに理不尽な考えでも可能性がある限りどうしようもない…彼の足は着実にそこに向かっていた、未だに暗闇が晴れずに定かではない不気味な程静かな事も彼の意識には触れられなかった、しかしそれでも彼は向かっていた。 先程まで辺りを暗闇に染めていた重苦しい雲が嘘の様にどんどん薄れていく、星々の光が増し更に見通しが良くなった。距離も縮まりいよいよおびただしい数の逆三角形(※35)の不気味な影が見えて来た、その時点で普段の彼の心なら強い感情の高まりがあるはずだが、今の彼にはそんな事を考えるだけの余裕はなかった...
雲が急激に流れ、辺りが月と星の輝きに照らされた瞬間、森の老人の詩が鮮明に思い浮かんだ、そして真っ赤に染まる満月が照らし出した目の前に広がる地獄に我を忘れ絶叫した…
数えきれない程の不義の標(※36)に何百人もの人間が括り付けられ処刑されていた、何も聞こえない無音の砂漠で狂った様に泣き叫ぶユリアウスの声だけが、その空間の存在を証明していた。泣き叫びながら彼は残酷なだけの無機質な空間を走り回った、目を血眼にして駆け回った、そして真っ赤な満月の光の下にとうとう見つけてしまった、最愛の人が物言わず括り付けられている標を…ユリアウスは魂が抜けた様に崩れ落ちるとただただ変わり果てた彼女を見上げながら涙と声が枯れ尽きるまで泣き叫び続けた。
清水の様にこんこんと湧き出てくる彼女との思いでが何よりも彼を苦しめた。市場の店で彼女と初めて出会った時の胸を焦がされる想い、勇気を出して彼女を散歩に誘った昼下がりの広場、お互いの手を始めて握った時に顔を赤らめながらも浮かべた彼女の笑顔、そしてその眩い笑顔に一層深い恋心を抱き眠れぬ日々を過ごした夏の日、たまにした喧嘩もお互いの心に色を塗り仲直りした時にはは相手を更に深く理解する事が出来たそんな苦くも甘い日々、結婚しようと言った時に喜びに涙を流して浮かべてくれた優しく美しいあの表情、共に暮らすようになっても色あせる事どころかより深まっていった彼女への愛を感る事の出来た幸せな日々、子供が出来たと言った時の嬉しさと切なさが入り混じった彼女の顔を見た時にこみ上げてきた敬愛と情愛を胸に彼女に自らの全てを捧げようと誓った満月の美しかったあの夜空…その全ての思い出が彼の心を捩じり切る様に苦しめ続けた…
悲痛な叫びを上げる男を見ながら月の女神は何を思うのだろうか、慈愛に溢れる女神は男の悲しみを自らの悲しみの様に泣いてくれるのだろうか、人間の業の深さに失望と怒りを覚えるのだろうか、もしくは妹の様に無邪気に微笑みただ泣き叫ぶ男を眺めるだけなのだろうか...赤い女神が映る彼の目には光は無く、女神の染め上げる彼の顔はあたかも彼が血の涙を流している様にさえ見える。彼女は彼を優しく包み込んであげているのか、復讐を駆り立てる様に鼓舞しているのか。周りには誰も彼に教えてくれる者はいない、彼が望んでいた全てが失われ、生きる意味さえ虚無に消えた、生きる意味を失ってもまだ生きている...意味がなければ探せばいい、見つかるまで探し回ればいい、しかし彼にそれ程の気力が残っているだろうか、親友を失い、愛する人を失い、未来の希望をも失い、哀しみだけが彼の感じられる唯一の感情だ、生きている事さえ辛いとも思える、生きていても悲劇しか生まれないとさえ思える、どんなに生きている事が無意味に思えても死が訪れるまで生き続けるのだ...それならば死ぬまで必死に生きればいい、どんなに苦難が続いても人生という道を歩き続ければいい、必死に歩んでいけばその目的に到着出来るのだから止める事をせずに歩み続ければいい…
月の女神は男を止める事はせず、ただただ男を照らすのみ…
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※35:逆三角形・・・神話とジャヴァス教のどちらでも使用される悪徳の象徴。三点目を上方に描いた三角形は美徳の象徴とされる。お互いに同じ意味を持つ二点は神話ではアマノフスとオルフトス、ジャヴァス教では物質的幸福と精神的幸福であり、三点目は上方は利他的を表し他人の為の幸福を願う美徳、下方に描かれる場合は利己的を表し自分の為の幸福を願う悪徳とされる。
※36:不義の標・・・神話ではなく歴史上の実話に基づく。侵略国は自らの正当性を示すために侵略した国民達を不義の標と呼ばれる逆三角形の柱に括り付ける事により美徳が悪徳を裁いたのだという構図を描いた。