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落ちる。
——あ、ヤバい。
そう思った時、私の身体は宙に投げ出されていた。
必死にもがいてみるもそれは意味を成さず、ただただ落ちていくだけだった。
そうして落ちていく中でどこか冷静な頭に、とある疑問が浮かぶ。
……ここ、こんなに高さあったっけ?
無意識に閉じていた目をこじ開けて辺りの様子を一瞥すると、驚くべき光景が広がっていた。
辺り一面薄暗く不気味な色合い。何匹もの羽の生えた黒い生き物が空中を羽ばたいていく。
この光景は何度か見た事がある。
ここは——
導き出した答えを頭で唱えるよりも先に、私の身体に強い衝撃がはしる。体中の尋常ではない痛みに脳が悲鳴をあげた。
瞬間、目がかすんでいき、私の視界は完全にブラックアウトした。