女性と男の子と鎌
立ち上がった男の子はふらつきながら女性の後を着いて来ている。
彼女はそれに気付くと、意地悪く歩く速度を早めた。
男の子と彼女の距離は段々と離れていく。
しかし、それでも男の子は諦めずに彼女に着いて行く。
「あの子と知り合いなの?」
アゼリアが彼女にそう尋ねた。
すると、彼女は立ち止まり、後ろを歩いている男の子の方を向く。
すると、10mくらい後ろに血みどろの男の子がゆっくりと歩いていた。
男の子は彼女が止まった事に気付くと歩く速度を速めて、嬉しそうに駆け寄っていく。
しかし、彼女は再び無表情で前を向き、速足で歩き始める。
「違う、と思う」
彼女は少し自信が無さそうだった。
アゼリアはそんな彼女を軽く笑う。
「あの子魔法使えるっぽいし、親の敵討ちとかじゃないの〜?」
「……あいつがか?」
そう言うと彼女は後ろを向く。
再び後ろを向いた彼女に、男の子は満面の笑みを浮かべて手を振っている。
その笑顔からは殺意や怨みはまるで感じられない。
彼女はそんな男の子を見て少し呆れている。
「人を切ってあんな反応されたの初めてだ……」
それを聞いたアゼリアはカタカタと揺れ、大きな声で笑う。
笑っているアゼリアを見て彼、女は大きくため息を付いている。
そのまま彼女はうつむき何かを考えると、突然180度後ろを向いて男の子の方へと歩いていく。
「カスを殺すのは後だ」
彼女はそうアゼリアに言う。
そして、歩く速度を一層速めて男の子に近づいていく。
彼女が近寄ってきたのに気付くと男の子も駆け足になる。
そして、二人の距離があと1mくらいになると彼女はその場に止まる。
「止まれ!」
彼女がそう叫ぶと、男の子は驚いた様子でその場に止まってしまう。
だが、すぐにニッコリ笑い彼女を見つめる。
彼女はそんな男の子を冷たい瞳で見下し、ゆっくりと口を開く。
「何のようだ?」
彼女は冷酷な表情で、脅迫しているかのような言い方をする。
しかし、男の子はそんなこと気にもしていないようだ。
男の子は嬉しそうに口を開く。
「お姉ちゃんも、その鎌も美人さんだね!」
「……耳は聞こえるよな?」
男の子の的外れな返答に、彼女の冷酷な表情が崩れてただ呆れている。
「でも、目は良いみたいね〜」
男の子に褒められて、アゼリアは上機嫌になっていた。
アゼリアが嬉しそうにユラユラと揺れると、刃が妖艶に輝く。
呆れていた彼女はそんなアゼリアを見ると、一瞬不機嫌な顔つきになった。
しかし、アゼリアはそんなことには気付きもせずに話しを続ける。
「あんたよく見ると顔も悪くないし、センスも良いみたいだし、私の従僕にしてあげてもいいわよ〜」
アゼリアは高飛車な感じで言う。
「で、私に何のようだ?」
「あの……」
「ちょっと、無視!?」
2人ともアゼリアの話しは完全に無視していた。
男の子はアゼリアの声に反応するが、彼女にいたっては反応すらしない。
彼女はただ無表情に男の子を見ている。
「気にせずに続けろ」
「気にして、私を気にして!」
アゼリアが必死になって2人に訴えかける。
それを見た男の子は少し戸惑う。
しかし、そんな男の子を見た彼女が真面目な顔で口を開く。
「アゼリアは調子に乗ると、凄いウザイんだ」
男の子の動きが止まる。
「ごめんなさい、ウザイのは嫌です」
男の子は謝り、深々と頭を下げる。
それを見た彼女は軽く頷く。
「わかってくれたらいいんだ」
「私は凄い傷付いたけどね……」
アゼリアの声は悲し気だった。
題名考えるのが難しい。
あと、このページの管理の仕方がイマイチ分からない。
そして、文章考えるのも大変だ。
あ、できれば感覚ください。