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種馬勇者の血統付き  作者: 赤月
アッシュの決意
9/20

Act.8 皇帝の血族

ちょっとグロいシーンがあります・・・。

  俺が相手を縛りあげ、武器を取り上げる。その流れで懐を探り、メダルを見つける。


 「メダルを持ってるって事は、こいつがリーダー格だったのか・・・。スクワッシュが文句いいそうだな・・・。」

 


 「あぁ、こっちは殴りがいなかったぜ?そっちの方がうまそうな獲物だな。」


 音もなく天柱石の影から不機嫌なスクワッシュが近寄ってくる、1人の男を担いでた男を放り投げた。


 「っ・・・。」



 「言われたとおり、森に隠れてたらこいつが、目の前にきたから2発殴ったらこのざまだ。」


 放り投げられた痛みからうめいたが、スクワッシュが後頭部を蹴ると気を失ったのか、何も言わなくなった。ちょっとやりすぎな気もするが、死んではないだろうからそれで満足してもらおう。


 「まぁ、そっちはスクワッシュだから殴りがいがなかったんだろ?俺としては、こっちの奴もスクワッシュに相手してもらいたかったよ。タイミング間違ってたら俺が、縛り上げられていたさ。」


 「ふぅ~ん。ま、お前のことだし、俺とやった時みたいになんか仕掛けてたんだろ。」


 俺は鼻で笑い濁した。スクワッシュにもあのカウンター型異能は隠している。親友だろうと誰だろうと秘匿にする事、俺の生存率を上げることになる。そう親父に教わっているのだ。

 俺は先ほど奪ったメダルをスクワッシュに向かって放り投げた。


 「ん?リーダーのお前が持ってた方がいいんじゃないのか?」


 「いや、俺が捕まったら2枚とも奪われてしまうだろ?もし1枚奪われてもせめて1枚残ってたら残りの試験期間にまた2枚に出来るかもしれないだろ?」


 「ん~、そんなもんか?出来れば奪いにきた奴が、殴りがいあればいいけどな。」


 俺は、笑って返したが、スクワッシュにとって殴りがいがあるということは、俺にとっては、格上ということだ。俺だとあっさり奪われるかもしれないな・・・。


 「ん?おいアッシュ。このメダルってマジック・ポーチに入らないのか?」


 スクワッシュが、うけたっとメダルをマジック・ポーチに入れようとしているが、うまく入らないで、なんどもその動作を繰り返す。

 

 「あぁ、入らないみたいだな。」


 俺は、メダルをなめし革鎧の内ポケットから取り出し、マジック・ポーチに入って無い事を見せる。


 「考えてみろよ。マジック・ポーチに入ってたら、持ち主が取り出すか、死ぬか、しないと出せないだろ?ということは、勝ってもメダルが、マジック・ポーチの中だと拷問して取り出させるか、殺すしか選択肢がでないだろ?それだと死亡者や致命的怪我を負うものが多くでるからきっと何らかの魔術が込められてるんだよ。」


 ふ~ん。スクワッシュはそういうとメダルを無造作にズボンのポケットに入れている。


 「アッシュ君ぅ~。あぁ~スクワッシュ君でもいいからぁ~、降ろしてよぉ~。」


 突然スクワッシュが来た方向とは逆の方から抗議の声が聞こえる。


 「俺でもいいってどういう意味なんだよ。」


 俺は、肩をすくめるとマントや野営していると見せかけていた道具をしまい2人で、自力で降りれないアサギを迎えにいった。にしても、確かにいつも不満そうにしているが、スクワッシュにお姫様抱っこされてるのが、そんなに嫌なのだろうか?そんな疑問も残るが、すねたスクワッシュが、登ってくれなかったため、俺が天柱石に登り、アサギを抱きかかえ、天柱石からおろした。おろした後も顔を俺の胸に隠しながら、しがみついているアサギを離すのは一苦労したが、俺たちは、日が完全に顔を出す前に天柱石を離れ森に入っていくのであった。






 「・・・・。ぅぐぅ・・・。」


 頭が痛い・・・。


 痛みで、目をあけると暗い明け方だったのが、もう日は昇りきったのか、明るい。周囲を見渡そうとするが、どうやら両腕は、後ろに縛られ足首も蔦で縛られ、上手く動けないようだ。


 「そうか、前に倒れた後、後頭部を棍かなにかで殴られ気を失ったのか・・・。」


 どうにか身をよじり、仰向けになるとすぐ近くにドライルが、縛られ転がされているのが見えた。


 「ドライル、起きろ!!」


 呼んでみるが、起きる様子は無い。腹部のかすかな上下運動から生きていることはわかるが、私とドライルが、気絶しているということは、ビックスも無事ではないだろう。とりあえず、この手足を縛っているものをどうにかしないとな・・。

 見回すと槍剣が、手が届きそうに無い岩の上においてある。他に刃物らしきものは見当たらず、どうやら時間がかかるが、蔦を岩のとがった部分で、擦り切るしかないだろう。


 再び四苦八苦し腹ばいになり、私は芋虫の如く、巨大な岩に這っていく。


 「くそっ。名誉ある騎士が、こんな事を・・・。」


 私たちに足跡の持ち主は未熟だと思わせるためずさんに足跡を消し、追跡させ、さらに念入りに隠した鳴子を解除させることにより、奇襲成功と思わせた2重の罠にかかった事、そして後ろからの奇襲に気がつかなかった事、そしてこの芋虫のような醜態。どれをとっても羞恥でしかない。そして、私はあの棍の持ち主の顔すら見れていないのだ。


 「必ず探し出してやる。この屈辱をはらさせてもらおうか・・・。」


 「ねぇ、この芋虫さんがしゃべってるよ。うち子達みたいに芋虫さんこれ食べるかな?」


 突然、私の背中にドスンと何かが落とされ、それは転がった。右の視界の端っこに転がったそれは、見慣れた出っ歯を持っていた。


 「ビックス!?」


 そうそれは、ビックスの首が転がっている。


 「ん~、芋虫さん食べないみたいだねっと!!」


 足音と共に私の左の視界に黒い靴が、見えたと思った瞬間、左顔面を蹴り上げられ、そのまま仰向けに転がった。


 見えたのは、切れ長の黒い目に黒い髪をオールバックにした男だ。


 「その色はっ!!」


 黒い髪と黒い瞳を持つものそれは、わが祖国を滅亡においやったレギアス帝国皇帝の血族の証だ。


 「ん~?芋虫さんは、博識なのかな?この黒の意味をご存知なようだ。」


 男は、残忍な微笑で私を見下している。


 「ねぇ。こっちにももう1人転がってるけど?ご飯にしてもいい?」

 

 もう1人?ドライルの事だ!!私が、首だけ動かすとドライルに馬のりになっているまだあどけなさが残っている黒髪に黒瞳の少年と2匹の黒犬と白犬が見えた、いや、犬にしては異様に大きい、熊ほどではないが、人が乗れるくらいに大きいのではないか?


 「ん~。ああ、いいぜ。俺らのご親戚を見つけれたのもそいつらのおかげだしな。従兄弟の異能も見られたかもしれないし、俺らの姿も見られたしな。ご褒美だ。」


 「わぁ~い♪クロ・シロ。ご飯だよ。」


 「ま、まて!!」


 私の制止の声など聞こえていないのか、大きく開いた黒い犬の口が、ドライルの頭を一瞬で噛み千切り、1口で頭を口におさめた。白い犬は、右腕を噛み千切り腕にかぶりついている。犬たちからは、ガリゴリ・・。と骨まで砕く音が聞こえてくる。


 「ド、ドライル!!」


 「もう呼んだって無駄だよっと!!」


 「っぐっ!!」


 私の顔面を蹴り、そのまま男は、残忍な微笑をうかべながら私の髪を左で掴み、安々と私を吊り上げ、顔を覗き込んでくる。


 「ん~。我らが、従兄弟もあまちゃんだなぁ~。あんなカウンター型異能を見られたかもしれないのに生かしておくなんてな。」

 

 従兄弟?異能・・・?


 「ま、まさかさっきの奴もレギアス皇帝の血族か!!」


 「ん~、知らなかったの?おっと怖い怖い。そんな目でにらむなよっと!!」


 右手で殴られるが、それでも私はにらみつけるが、残忍な笑みのまま私の顔を見ている。


 「ねぇ。シロとクロがまだ物足りないみたいだけど、そっちもご飯?」


 「!?」


 私は、ドライルが寝転がっていた場所を見ると、そこには、血痕と少年と犬が2匹だけだ。ドライルは決して小さくない体格だ。いや、いくら小さくてもすぐに人の全身を食べれるわけが無い。もしそれが出来たのならこの2匹の犬は、動物ではないだろう・・・・。正体不明の犬のような生き物の存在。そして、私も餌になるかもしれないということに私の背筋に冷たいものが走った。


 「ん~。こいつは、だめ。俺のおもちゃにするの。」


 「残念。シロ・クロ我慢してね。」


 2匹は、まるで「気にしないで、我慢するから」といったように少年の顔を舐め、それを少年はうれしそうに撫で回している。先ほどのドライルのことが無ければ、子供が飼い犬と遊んでいるようにしか見えないような光景だ。


 「ん、ほらほら、余所見してんじゃねぇよっと!!」


 残忍な微笑の男は、再び私を顔を殴りつけ、そのまま私の目の前に握り締めた右手を持ってきて、手のひらを開いた。そこには、黒い小さな芋虫のようなものがのた打ち回っている。


 「??」


 「これが俺の異能だよ。」


 不思議そうな俺を見て、親切にも説明してくれるが、こんな小さな芋虫のような生き物でいったい何ができるのだろうか?


 「ん、不思議だろ?こんなので何が出来るのかって、こいつは、お前の鼻や耳から入り、お前の脳に寄生しするんだ。そして、お前は俺の言うとおりに動くお人形さんになるんだ。」


 「!?」


 男は恍惚と芋虫を見ている。そして黒い芋虫は、徐々に私の顔に向かい這っきている。

その歩みは、遅々としているが、徐々に近づいてくる。


 「や、やめろぉ!!」


 俺の叫びなど、気にもせずに男が、フッ!!と勢い良く息を吹きつけると芋虫は、俺の頬に張り付いた。

 私は、必死に振り落とそうと顔を左右に振るが、振り落とせる気配はなく、見えはしないが、芋虫が俺の鼻を目指し這っている感覚が伝わってきている。


 「ん、ほぉ~ら、もうすぐお前の鼻に到着だぁ。」


 芋虫は、私の唇を這い、そしてついに目的地にたどり着くと、


 「っん!?ん!!!う!!うぐぅ!!!」


 私の嗚咽など気にせずに、一気に鼻の中に入り込み徐々に徐々に奥に進んでいくのであった。


 「ねぇ、シャトルーズ、そっちに落ちてる頭は、ご飯にしていいよね?」


 「ん~、もちろんいいよ。なぁ、俺のかわいい人形さん。」


 「・・・。(コクン。)」


 私は、何も言わず頷いた。いや私ではない。きっと芋虫が頷かせたのだろう。徐々に私の意識は、何かに食われていった。



 「ねぇ。その新しいお人形で何して遊ぶの?」


 「ん~、とりあえず、従兄弟にご挨拶だな。あ、従兄弟は餌じゃないからな。」


 「えぇ~、残念。あっ!!じゃ従兄弟に一緒にいた2人はシロとクロがご飯にしてもいいよね?」


 「ああ、餌だ餌。」


 「よかったね♪シロはやわらかい女の肉がいいよね。クロは食いしん坊だから男の方がお肉あるからね。」


 2人と2頭とそしてぎこちなく動く人ではない人は、森をアッシュたちが消えた方に進んでいくのであった。

やっとこさ、書きなれてきたような気がします。


ご感想ご指摘お待ちしております。

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