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種馬勇者の血統付き  作者: 赤月
アッシュの決意
19/20

Act.18 ピンクな熊しゃん。

 「・・・・・・。北方領に行ってから考えるしかなさそうですね。」


 相手の提案に乗るか、反るか、反るならどこまで反るのか。最低でも俺の居場所をどうやって知ったのかを探らないと、おちおちこれからの人生おちおち寝てられないだろうと思っての決意だ。


 「残念ながら、このレルカを出たらわたちは、お手伝いできまちぇんよ?」


 「・・はい。」


 もとから誰の手も借りる気はない。というか借りれる規模のことではない。下手をすれば、皇国全体から終われる身になるかもしれないからだ。


 「えぇ~。旅ですかぁ~?アッシュ君と二人きりならぁ~・・・。」


 「アサギは、連れていかない。」


 なぜか、うつむき加減で近寄ってくるアサギを手で静止し、はっきりと断る。

 仲間を連れて行くなんて論外だ。危険すぎるたびになるだろう。


 「おぃ、ラル、そろそろ時間だぜ!!」


 「!?」


 聞きなれない声が、聞こえた。この部屋にいるのは、俺、気絶してるスクワッシュ、アサギにランダ教師だけだ。この部屋には、出入り口も窓すらない。侵入者なんていないはずだ・・。


 「あいでちゅ。ありがとでちゅ。」


 「おぅ、遅刻すんなよ!!」

 

 突然ランダ教師が、抱えていたピンクの熊に話しかけると熊は、小さな手を一生懸命伸ばし、ランダ教師の頭を撫でている。


 「・・・・・。先生?魔術の1つですか?」


 もしかしたらなんらかの魔術で、人形に意思か最低目覚まし機能的な力を付与しているのかもしれない。と思ったが、答えは、意外すぎた。


 「なにいってるんでちゅか、この子が、レルカちゃんでちゅ。レルカのクリスタルのレルカちゃんでちゅよ?」


 紹介されて、照れくさそうに頭を掻いているピンクの熊のぬいぐるみ。ただのお気に入りの人形だと思っていたのだが、ランダ教師の魔力の源がこんな熊。あの傍若無人な魔力の源がこんな熊。


 「たしかに、まがまがしい魔力に見合ったピンクですね・・。」


 「うっさいわい!!おのれ、コンクリート詰めにして海に沈めてまうぞ!!」


 つい口に出してしまった俺の感想に、熊は収納式だったのか爪を出した手をぶんぶん振っている。


 「コン?クリエート?なんですかぁ~それぇ~?」


 「お前らは知らんでいいんじゃぃ!!ラル~。はよこいつら部屋からおいだしてぇ~やぁ~。」


 コンクリート・・・?聞きなれない言葉だし、ラルは、きっとランダ教師の愛称なのだろうが、外見に似合わず、この熊、口が悪くないか?スクワッシュが起きていたら喧嘩しそうだな。


 「まぁー時間だそうでちゅし、ゴール地点にいきまちゅか。あ、そういえば、メダルは2枚かくとくできてまちゅか?」


 「じゃとりあえず、ちゃきに3人をおくっちゃいまちゅか。」


 俺とアサギが無言で頷くとランダ教師は、気絶し続けているスクワッシュともどもトランスファーで転移された。

 

 相変わらず、この転移は、気持ち悪いが、さすがに数度目。この体が浮いたような奇妙で気持ち悪い感覚に慣れてきたようだ。送り出し先がスタート地点の砂浜とは。口の悪い熊の言うとおり、陽は中天に差し掛かろうとしている。砂浜には、他のチームが見当たらないが、たぶん、コインを2枚集めたチームは監視できる場所で、隠れ、時刻まで待機だろう。逆にコインを取得できないチームは、最後の望みで、この付近にいる終了時刻待ちのチームから奪おうと捜索している最中かもしれない・・。


 「まずいんじゃないのかこれは・・。アサギ、水、ぶっかけてでもスクワッシュを起こせ。」


 「??はぁ~い。」


 理解していないアサギ、そしてあまりにも長い時間気絶し続けてるスクワッシュや海を背後に陸地側を警戒する。遮蔽物が特にない砂浜。そして制限時間寸前のゴール地点には、いくつもの監視の目が光ってるはずだ。メダルを奪おうとするものや異能兄弟も見張っているかもしれないのだ。

 まぁ、シャトザークとかいう素っ裸変態貴族がいたらこんな目立つところでの勧誘という名の拉致はしないだろうけどな。って言ったそばから3人が近づいてきているな。2人は、上半身がちがちの筋肉。その後ろからついてくるのは、フードを深くかぶっていくつもの宝玉がついた杖をもっている。


 後ろを振り返るが、まだ眠そうにそうにしてるスクワッシュを頭がガクガクするほど、ゆすってるアサギ。当分かかりそうだな・・。


 「よぉ~アッシュ。メダルはそろったか?」

 

 「そろったか?」


 兄が言った語尾をまねして弟がしゃべる。訓練所時代の同期生だ。1人では、スクワッシュに負けるが、あの兄弟のコンビネーションは、絶妙なタイミングで、接近戦の教師ですら一目を置くガッシュ兄弟ともう1人は、その2人の飼い主と称される頭脳担当のがり勉のライトスだろうな。


 「あぁ、どうにかな。そっちは?」


 ライトスが一緒にいるのだからここに身をさらすという危険もわかっているのだろう。ならば、危険を顧みず、メダルを奪いに着たのか、それとも・・・。


 「私がいるチームなんですから余裕にそろってるにきまっております。はい。」


 フードの奴は、やはりライトスか。自信過剰のがり勉。秀才だとか自分で言っているが、アサギにテストで勝てないかわいそうな奴だ。


 「じゃ、なんでここに?」

 

 「おぅ、どうやらお前らの主戦力が、使えなさそうなようで、困ってるだろうと思ってな。」


 「思ってな。」


 ガッシュ兄が、腕組をして答えると弟がそれをまねて腕を組み続く、お前ら5歳児ぐらいの兄弟か?と聞きたいが、ここはこらえておこう。


 「笑いに来た。がはっはっは・・。」


 「来た。がはっはっは・・。」


 ・・・・・・・。こいつらアホか?そのために危険をかえりみずに着たのか?


 「・・・。そんな理由ではないです。はい。」


 ライトスが、いてよかったよ。あまりにも馬鹿すぎて、どうやって罠にはめようかかんがえてしまったよ。

 ライトスの考えは、いたって簡単だ。3人でいるより残り時間を6人で防衛に回るほうが楽に出来ると。浜辺に突然現れた俺達を見て、ランダ教師による魔術転移だろうと考えた。後は、俺達3人の模擬戦・スクワッシュによる探索能力などから考慮すれば、メダルを2枚取得しているだろうと賭けたようだ。

 そういえば、こいつらが出てきた森の影から隠れながら見張ってる奴がいるな・・。あれを避ける為にも仲間を増やしたかったのか。まぁ、接近戦のスクワッシュのあの状況から考えても願ったりかなったりだ。

 馬鹿だけど、ガッシュ兄弟の前衛と後方支援のアサギ、攻撃魔法のライトスといれば、襲撃を受けてもどうにかなるだろう。俺は、後ろで日和見していよう。楽だし・・・。


 さすがに多人数相手にメダルを奪おうとするチームなど出てこなかった。近くの森の中で、剣戟の音が響いてはいたが、流れ矢・魔法などなく無事にすごしたのだった。


 砂場中央にランダ教師が突然、現れると魔術を使って、叫んだのであった。


 「試合終了でちゅぅ~~。今後の戦闘は認めまちぇ~ん。今から私がこの砂時計の砂が落ちるまでにこの砂浜に出てこなかったら失格としまちゅ。キャスト・砂時計になぁ~れでちゅ。」

お気に入り登録ありがとうございます♪


投稿が遅れがちですんません><

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