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悪魔に麦茶を

作者: 健野屋文乃
掲載日:2026/07/24

高校受験の前日、部屋に悪魔が現れた。

その時、中3女子(受験生)の私はため息をついたが。


「なんて事を言うんだ!」

悪魔に悪口を言う事、1時間。

悪魔は私に抗議して来た。

なので、さらに2時間、悪口を言い続けた。


「人として最悪だ!」

悪魔に言われるなら誉め言葉じゃん。

再び、3時間悪口を言い続けた。

悪魔の反論もすべて論破して返した。


賢く論理的な悪魔は、論破されたからと言って、話を逸らしたりしないので、その論破は快楽に近い。


そんな悪魔は私への人格攻撃を始めた。

どうしようもなく成りつつある証だ。

それからさらに4時間、悪魔への悪口は続いた。


私は、悪口の天才か?って思えるくらいの攻勢だ。


悪魔が黙り始めた。

そして悪魔の自我が、パリンと割れたのを感じた。

目は虚ろになり悪魔の目は、その目に悪意を維持する事が出来なくなっていた。


すかさず私は、冷たい麦茶を差し出した。


悪魔は冷たい麦茶で喉を潤すと、

「お前、良い奴だな」

と悪魔に言わしめた。


言わしめるために、10時間かかった。

まあ、それだけの話だが。


「受験前に10時間も時間を無駄にしてしまった。これが悪魔のやり方か?」

「えっ?????????」

悪魔の疑問符が消えると、

「はっ!ふふ、やっと気づいたか、小娘め!ふふふふふ、思い知ったか、これこそが悪魔だ!小娘如きには抗う術などあろうはずがない!」

悪魔はそう言うと、ご満悦なまま姿を消した。


私は、シャーペンをクルリと回すと

「世界はおもろい」

と呟いた。


そして受験勉強で溜まっていたストレスが消え去った事に気づいた。




おしまい


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― 新着の感想 ―
タイトルに惹かれて手に取りました。 麦茶を出すタイミングが絶妙!! 10時間かけたかいがあったのかも……ʕ•ᴥ•ʔ 悪魔も悪魔で、もう何をしに来たのか目的を見失っていたような……そこまで持っていった感…
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