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自然詩文  作者: 足利直哉
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青空の下の軽快さ

 青空の下の世界は、生き生きとしている。


春が訪れ、それに従って、木々が茂らせた枝葉を明るい緑に輝かせて揺れている。


街は、温和な青白い雰囲気に包まれている。


そんな世界で、雀が人の餌を横取りしたのを目撃した。歩道に数匹の鳩が群れていて、それに対してある人が餌をやっていたのだが、その群れに突如雀が一匹闖入して、鳩がそもそももらうべき餌を俊敏な動きで、鳩の懐に潜り込んですぐさま奪い、それをくちばしにくわえてさっさと歩道を軽快に走り、やがて歩道の脇の茂みの中に消えてしまった。


一瞬の窃盗である。このような窃盗は華麗だと思う。


最近では強盗が流行っていることが問題なのだが、この雀の軽快な窃盗を眺めていれば、強盗にも何か美学のようなものが必要なのではないか。もしもそういったものがあったら、醜い事柄にも何かれっきとしたなりのようなものが、できるような気がする。


そんな光景を眺めている間に、枝葉は緑に輝き続ける。


街は春の陽気に包まれ、道の脇の花壇ではオレンジ色の菊の花が、火炎の命の萌芽のように開けっぴろげに咲いた。


火炎の万華鏡が展開されるようなその、精密で幾何学的な花びらの開きようは、春の陽気を一層活気のあるもののように思わせる。


青空の下の世界は、光の氾濫した、生気に満ちた世界である。

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