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自然詩文  作者: 足利直哉
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一握の砂

 自分の人生はまるで、一握の砂のようなものだ。


日が暮れる頃、砂を握ると、ほとんど感触がない。


そして、手の隙間からさらさらとこぼれ落ちていく。


光を浴びてキラキラと輝き、輝くままに消えていく。時雨が降るような柔らかい筋を描きつつ、宙に消えていく。その姿は儚い。


自分の人生は、そんなものだ。実感がなかった。どうしても、味気なさばかりが付きまとってきた。


そう感じるたびに、項垂れそうになる。そんな毎日だった。


こんな人生は、一握の砂だ。些細であって、儚いものだ。


この人生は、儚く散っていくのだろうか。でも結局、これが人間の人生なのか。


しかし、砂がこぼれていく様は、なんだか美しい。その流砂の宙でのひらめきは、美しい。


なめらかに空中を滑って消えていく様を見ても、悲しくはない。それは確かな軌跡だ。


その軌跡は確かに、光を浴びて輝く。

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