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自然詩文  作者: 足利直哉
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火炎の万華鏡

 ある花壇で、オレンジ色の菊のような花を見つけた。


菊の花がそうだが、とにかく形が精緻だ。以前この作品でこの花を取り上げたことがあったが、まさしく火炎の万華鏡のようなものだった。炎を幾何学模様にしたらこんな感じになるのではないかと思った。


その炎のひらめきは緻密な体系の中で静かに、はっきりと流動し、この形全体に、明晰な活力が現れていた。


はっきりとした力が、燃え上がってオレンジ色に輝きながら動き続ける。


揺らめきは直線的な動きに置き換えられて、万華鏡の画像が静か整序されて動きように、秩序だって動き続ける。それらの幾何学的な形が、渦を作り上げる。


潮の渦巻きのような丸い形の渦ではなく、万華鏡特有の、明晰で緻密な形である。


そんな、幾重にも重なり合う火炎の形の渦に、視線が引き込まれそうになる。渦巻きに吸い込まれて飲み込まれていくように、その火炎の万華鏡の中に、意識ごと取り込まれていく。



 オレンジ色の菊の花を眺めていると、そんなことを想像しながらずっと魅入ってしまった。


ここ最近うまくいかないことが多くて嫌な気分になってしまうのだが、この花を見ていると、外界が全て隔絶された万華鏡の世界をのぞき込んでいるように思えて、現実の辛いことを忘れられたうえに、花全体からひらめく火炎の予感によって再び活力が蘇りそうになった。


うまくいかないことは多いが、こうして自分の何にもかもが花を見ることによって吸い込まれていくのは、一種の美しい忘却だと思う。


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