第七話 新種の族種
よろしくお願い致します
俺は
そのあまりにも凄い存在感に圧倒されながらも、なんとか意識を保っていた。
さっきまであんなに喋っていたコイツらも流石にこの存在感の前では、ヘラヘラと喋ることもできず曲がった背中を最大限に反らし緊張しているようだった。
俺はこの存在感を知っている。
以前見た「ゴッドファーザー」という
アメリカ・マフィアの映画に出てくる
ドン・コルレオーネ。
その人かのように、この主人という奴は、静かに堂々とその巨体を使ってドッシリと座っていた。
そして俺は黙り込む、そして沈黙が少しの間続いた。
その沈黙の間、主人は俺にものすごく意識を向けているようだった。
真っ黒な瞳の奥に冷血さが感じられる。
俺はその圧に押されて、汗がダラダラと頬をつたう。
(やはりな)
と、今さっきのものすごく俺の頭に流れ込んでくる意識とは対極的な、静かなイメージが俺の頭に注がれる。
(やはり、こやつの族種が全く分からない、我の思うに、こやつは新種であろうな)
と、静かに語る。
俺が、新種だと?
この異世界には、人間がいないのか?
アニメや漫画での異世界というものは、他にも人間がいるのが常識なのに?
「オ・レ・ハ・シ・ン・シュ?」
なぜかカタコトな言い方で、そうつぶやくと
(あぁ、我が見るに、そなたのような形は初めてみた。我はそこにいる〇〇よりも知識人であり、この世界で知らぬものはないと言っても過言ではない。その我が言うのだ、そなたは、この世界に一人だけの存在である)
人間は俺ただ一人なのか…なんだか物凄く悲しい。
「じゃぁ、、俺は一体、どうなって、」
と俺が言うと、主人さんは、ガハガハと今度は豪快に笑って
(心配するでない)
と言って、さっきの二人を見る。
(丁寧にもてなせ)
そう言ったご主人さんの表情を読み取ろうとするが、いい奴なのか悪い奴なのか判別がつかなかった。
『丁寧にもてなされる』
連れてこられた道を来た時と同じ2匹と戻りながら、その言葉の意味を考えていた。
来た時は奴隷のように腕を掴まれ、引きずられていたが、今は前後に挟まれてはいるが、行きとは違う、少し敬意を感じる。
『もてなす』ってなんだ?
普通に考えるとお茶かお菓子か、うまくいけば寝床をもらえる感じ?
しかし、それは俺の勝手な思い込みであって、それをあの主人がそうと言ったわけではない。
主人は「丁寧にもてなせと」言っただけで、
もしそれが悪い意味だとすると…
例えばこれがゴッドファーザーの世界観だったら、
縛り上げボコボコにして仲間の居所を聞き出し、
最後は…
暗殺⁉︎
撲殺⁉︎
銃殺〜〜⁉︎
シュン⤵︎
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