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第五話 目覚めたとき

よろしくお願いします。

「っ!?」

目が覚めた時、ソファーでうつ伏せに寝たままユラユラと宙に浮いているかのような間隔を覚えた。

そして、体には何か(プルプルoニュルニュル)したものが触り、少し圧をかけられている感じがした。


それがジェル状の液体だと認識した瞬間、俺は一瞬で溺れそうになった。

鼻や口の中まで液体が流れ込んでくる。

いや、

多分すでにジェルは九穴全てに入っていて、

息もできていたのだが、あまりにも多くのことが起きていて、俺の脳はそれに気づかず幻覚が起きたのだ。


そして俺がそれに気づくのはもう少し後の話である。


だから今はまだ息ができないと思い、俺は鼻をつまみ口を膨らませた。


どのくらい時間が経ったのだろう。

5分?10分?

普通ならとっくに息が切れているくらいの長さ

なのに俺は全く苦しくない事に気づく。

鼻からそっと手を離し、恐る恐る息を吸ってみる。

鼻水が詰まっているような息苦しさはあるが呼吸はできる。


それにしても、一体なんだというのか。


水中にいる感覚とは似ているが違う。保冷剤の中に入れられているような感覚。

手足は動かせるものの、浮力なのか重い。

ましてや歩いたり、回ったりなどはできない。


ここから出る手段はないのか?


目は開くが白くザラザラとしたすりガラス越しに見ているように視界が悪い。


それでも何か情報を得なければ。


「見る」事に集中していると、突然目の前にギョロリとした大きな目玉が現れた。


「うおっ〜」

とのけぞった途端、口の中に甘苦いジェルが流れ込んできて、また溺れそうになるのをなんとか堪えた。


先程の奇妙な奴らが俺の意識が戻ったことに気づいたらしく、数体、うごめいている。


慌てているのか?


次の瞬間、凄い力で頭が上に引っ張られた。

渦に飲み込まれていくように、ジェルの中で体がねじれながら上に上に登っていく。


誰かが俺の肩を掴み、ついに俺はジェルの中から引きずり出された。


冷たい床の上に、ジェルまみれで横たわっている俺は、さながら生まれたての赤ちゃんのようだ。


(意識が戻ったようだが、これは実験の結果なのか!)


(え、あ、いえ、実験はまだこれから行う予定でして…) 


(何!?まだ実研前なのか!では、直ちにマザに戻し実験を行わなければ)


奴らが急に話しだすものだから俺の脳にズキンと痛みがきた。

が、それ以上に聞き逃せないワードを言ったぞ



「実験⁉︎」

「ってあの理科とかの?」

「俺で一体何をしようっていうんだよぉ〜!」

「あのジェルはいったいなんなんだよぅぉー!」

「てか、ここはなんなんだよ」

「帰して!帰して!帰して!帰してぇぇぇぇ!」


と俺が叫ぶと、少し驚いた反応をして


(こいつ、こんなにも喋るぞ)


変なキノコみたいな帽子を被ったやつが言う


(話すとは聞いていたが、ここまでとは、これはやはり変異種ではないようだ)


変異種?俺がこの奇妙な生物の変異種か何かだと言いたいのか?


「変異種か何か知らないけど、俺は人間だ」


(対話もここまでできるとは、しかし《ニカバリ》はできないようだ)


(そうみたいだな、それとこいつの実験はここまでだ、 主人に意識のことを伝えなければならない)


(そうだな)


(では行くか)


(うむ)


ちょ、ちょっ待てよ。

一体どうなってしまうのか俺

読んでいただきありがとうございます。

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