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第8話:行動には責任がつきもの



その後、柴村くんは学校に来なくなった。


教室はいつも通りの明るさを取り戻しつつある。


僕の隣にぽっかりあいた穴を忘れようとするかのように。


でも、


このままで本当にいいのか?









「孝介くん…」


学校も終わり、さぁ帰ろうかという時に話しかけてきたのは、



「どうしたの、海梨ちゃん?」


「やっぱり謝りに行ったほうがいいのかな…?」


「なんで?」


「だって、私のせいで…、柴村くんがこんな……」


どうも勢い余っての行動らしい(予想は付いていたけど)。


とりあえず、落ち着かせよう。



「あのね、海梨ちゃん。人に相談するときってどんなときだと思う?」


いきなりの質問に不思議そうにしながらも、悩みがあるとき? と答えてくれた。



「違うんだよ。人に相談するときには、もう何をするか自分の中では決まってるんだ。 ただ、その背中を押して欲しいだけ」


「え……?」


「だから訊こう。海梨ちゃんは、どうしたいの?」


訪れる沈黙。


だが、それも数秒。



「私は……」


何かを決意したような顔。


いや。実際に決意したのだろう。





「柴村くんの家に行ってみようと思う」


はっきりと言い切った。



「なら、僕も一緒に行く」


その言葉に、慌てて


「え? だ、大丈夫だよ一人で。そんな気を遣わなくても…」


「僕も気になることがあってね…。あ、それとも一緒じゃ嫌だった?」


「そそ、そんな事はないよ。いてくれたほうが心強いし」


「そうと決まれば行こうか」


「うん」


柴村くんの家がどこにあるかは知らないけれど、先生に訊けばなんとかなるだろう。











プリントと明日の時間割を届けるという名目で、先生から場所を教えてもらい、迷いながらも到着した。



「ここだよね」


「多分…」


なんだか緊張してきたな。



「ふぅ。よし」


覚悟をきめて、ドアをノックした。



「はい…」


中からは、少し抑えた声が返ってきた。



「あの、どちらさまでしょうか…?」


「私たち、琢人さんのクラスメイト、なんですが…」


と海梨ちゃんが言うと、ドアがいきなり開いて、中から母親であろう、女の人が出てきた。



「え!? あなたがた、琢人のお友達の方ですか!?」


「ええまあ、そうですけど」


そんなに驚くことなのか?


いや、驚くことか。だって柴村くんは――




「……とりあえず、中に入ってください」



なんか、主人公が少しカッコ良い頼りがいのある人、みたいになってしまった…。

う〜ん。予想外。

孝介「誰のせいだと思う?」

…はい。僕です。

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