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第45話:後日談。







「感想文何書いた〜?」


「まだ書いてない。だって提出日来週じゃん」


「……それ、作文コンクールじゃない? しかも希望者だけの」


「マジでっ!?」



ガラガラガラーッ


「おーっす、おはよ!!」


「あ、奈央ちゃん。おはよう」


「奈央ー!! たーすーけーてー!!」


「ちょっ、どしたの千瑠っち?」


「感想文の提出日を間違えたらしいよ」


「……えっ? 来週でしょ?」


「「……………………………………」」


何? なんで二人ともそんな目で見るのーっ!?



「アハハハハッ! 仲間だ仲間!!」


「痛ッ。痛いって」


肩をそんなに叩かないでよ!



「そういやさー、話変わるけど、奈央。……彼氏できた?」


「うえぇ!? なんでそんな事聞くの!?」


「だってねぇ……。この前サッカー部の試合があるって言ったら、めちゃくちゃ行きたがってたじゃん」


「それに夏休み中、電話してもあんまり家にいなかったよ?」


「奈央がサッカーに興味があるなんて思えないし。なぁ美海?」


「だからサッカー部の誰かのことが好きなのかな、って」


た、確かに辻褄は合ってる……。



「違うよ! 全ッ然違う!! 応援っていっても、その試合しか行ってないよ!」


「ふぅん……。えと、確か相手は……葉桜三中かな。どうでもいいけど」


………………………。



「じゃあさじゃあさ! 好きな人とかいないの?」


「う〜ん……。どうだろ」


うそ。


もちろん、いる。


それも、どびきり格好いい人が。



「ねぇ、教えてよ!」


「教えるわけないじゃん!」


「へぇ。ってことは、いるんだ。好きな人」


…………………あ。



「バカッ! 千瑠っちのバカッ! てゆーか、あたしがバカッ!!」


「バカだ」


「バカだね」


みぃちゃんまで……。



「なんで教えてくれないの? 絶対他の人には言わないよ?」


「だって……さぃ……す…、ぁぅ………」


「えっ? 何て?」


「最初に教えるのは好きな人って決めてるの!!」


あーあ、言っちゃった。



「純粋だね」


「ねー」


「何なら手伝うけど?」


「大丈夫。大丈夫だから」


「いや、手伝う」


断言されても。



「ほら、もうやめよ? 千瑠。諦めが悪い」


「うぅぅ…………」


みぃちゃんありがとー!! 女神だよ女神!!



「それより……、奈央ちゃん、珍しく怪我してないね」


「言われてみれば、本当だー」


「絶対包帯ぐるぐる巻きミイラ状態だと思ったのに」


……一回あっただけに反論できない。



「奈央も少し大人になったんちがう?」


違う。


大人になんかなってない。


怪我してないのは、キミが護ってくれたから。


キミが、あたしの代わりに傷ついた。



「……………………」


それも違う。


キミが傷ついたのは、あたしのせい。


あたしがキミを騙して・・・・・・二人きりなんかになったから。



気付いてたかな?


あたし、告白しようと思ってたんだよ?


キミは頭がいいから分かってたかもしれないね。


だって、路地裏で向かい合ったとき、キミはすごく緊張してたから。



手紙も読んでくれたかな?


本当は謝ろうと思った。


やめたけどね。


謝ったら、あたし、泣いちゃいそうだった。


それに、キミだって謝られても困るだけだと思ったし。


だから、だから、だから……。


これだけは言わせて?




『本当に、ありがとう』





「…………あ、泣いてる」


「えぇ!? どしたの奈央!? いきなり黙り込んだと思ったら!!」


「ん……、うん。ごめん」


「大丈夫?」


「へーきへーき!!」


そう言って、精一杯笑った。


うまく笑えたかな?



…………………………。


そうだ、最後にひとつ言い忘れてた。



絶対。


絶対同じ高校に行こうね。


そしたら、次こそはキミに伝えるから。


まだキミには届いていない、あたしの想いを。


……ね?





「……こー、ちゃん……」









第二長編『今もなお、届かぬ想い』

~~了~~


と、いうわけで、第二長編終了しました。

いかがだったでしょうか? 

更新がかなり遅れてしまってすみません。そのかわり三連投しってみました。結果、最後が駆け足になってしまいました。

……だめじゃん。


と、とにかく次回は恒例の新登場人物紹介です!

お楽しみに!!

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