第21話:凩ひのでの激闘
テスト期間終わりました!
更新再開ですっ!!
今回の登場人物の日常は、凩ひので編ですよ〜。
描写が方言なのでかなり読みにくいかもしれません。
というか、読みにくいです、はい。
「はぁ〜…」
ウチ、凩ひのでは長い長い上り坂を歩いてます。
家はこの上にあるんやけど、まー遠い。
学校まではこの坂降りりゃすぐなんやけど、肝心の坂が滅茶苦茶長い。
こんな所を、ブレーキ一杯握りしめてゆっくりゆっくり下って行ったら、丸一日は掛かるんちゃうか? ってくらい。
しかも、横は山の崖、反対側は海の崖。ポ○ョかっての。
……なんでこんな解説しよるかって? それも解説しよか?
一本道の坂の遥か上から、白い自動車が片輪を歩道に乗り上げたままこっちに爆走して来よるんやなぁ、これが。
ウチの3.0の視力が捉えとんやけん間違いない。
間違いであって欲しかったけど。
今から避けるんは簡単やけど、後のことを考えたらなぁ。
後ろを振り返る。
かなり後方ではあるけど、十字路で交通量が決して少なくない県道と交わっていた。
どうなるかは――陽を見るよりも明らか。
……ん? 字ィ違う? 流しときぃ。
と ・ に ・ か ・ く !
このままやったら大惨事になること間違いなし。
ホンマに。
「しゃーないなぁ……」
ウチがやるしかなさそうや。
バックからタオルを取り出してっと。
「よし…!」
もう、自動車は近くまで迫ってる。
普通乗用車。運転手は頭から血を流してる。意識はなさそう。
ガガガガ、と音をたてながら、どんどん近づいて来て―――
今っ!!
「たあっ!!」
掛け声とともに、その場で思いっ切りジャンプした。
視界の下隅に白い影が映る。
一刹那後、ボンネットの上に着地。ただし綺麗にしようとしたらあかん。
わざと足をとられるように倒れるのがコツやで。
……あ、誰もやらん?
とにかく、暴走する車にゲット・オン。
時間に余裕はない。
まずはタオルを手に巻いて、サイドガラスを殴る。
殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る。
痛い。
「ちぃっ…」
やっぱりタオルを巻いたままやったら威力が落ちるか…。ただでさえ変な態勢やし。
正直手を傷つけたくはないんやけど、かくなるうえは……
「破ッ!!」
ガシャァァン!
ガラスを、素手でぶち破った。
見事に割れる窓。
そういやサイドガラスって、怪我せんように粉々に割れる仕組みになっとんやった。
……って呑気にしとる場合じゃない!
割れた窓から車内に侵入し、状況確認。
気絶しとるおっさんの足がアクセルに乗ったままやった。
その足をまずどけて……、
前を見る。
もう、交差点は、すぐそこ。
「ヤバっ…」
スペースのないハンドル下に、無理矢理足を突っ込んで、ブレーキを踏む。
けれど、スピードは全然落ちない。
迫る信号。聞こえる悲鳴。
「止、まっ、れぇぇぇぇええぇぇぇえええぇぇぇ!!!」
キキイイイイィィィィィィィ…………
ドガシャァァァァァァァン!!!
「ぐっ……。ふぅ」
「だ、大丈夫ですか!?」
外から呼び掛ける声。
……良かった。怪我人はおらんやろ。
最後にハンドルをきって、電柱に突撃したんが功を奏したんかな…?
あー、でも良い経験したわ。
エアバックは、硬いけど信頼できる安全装置や。
「大丈夫ですか? って、凩さん?」
「あ、お巡りさん。久しぶり〜……。このおっさんは大丈夫じゃなさそうかもしれんよ」
「それで車の運転を?」
「おー、そうそう。車の外から見てもあまりに危なっかしい運転するもんやけん、途中で乗ってハンドル代わってもろうたわ。ウチ、悪いことしたんか?」
「いえいえ、違います! ただ、いつもお世話になっているというか」
ハハハ……。『お世話』ね…。
「また、感謝状かいな」
「そうですね。それくらいしかなくて申し訳ないですが」
「ホンマや。そろそろ飽きたわ、アレ」
これで感謝状の枚数、二桁乗ったし。
更新停止していたにもかかわらず、自分や他の作家さんの感想欄に出没していた黒犬 純です。
ほら、感想ってもらったら嬉しいじゃないですか。別に期末テスト症候群ではないですよ! ホントに!
え〜失礼。なんでもないです。
あと、ないとは思いますが、一応言っておきます。
危険ですので絶対に真似しないでください!
……しませんよね?
では、この辺で。次回、作風が半壊しそうな予感……。