第18話:「最強」ってのは割と大変な立ち位置
ユニーク2000&PV7000越え、ありがとうございます!!
感謝感激雨あられっ!!
いやいやいや。有り得ないでしょう!?
百歩譲って、一組を集中攻撃するのはよしとしよう(もう自棄)。
だけど、騎馬一騎をたくさん(見た感じ十五騎くらい)で潰しに来ますかフツー?
これって、イジメ、ですよね?
上のやみよを見る。
特に慌てた様子もない、面倒そうないつもの顔だった。
逃げたい、という僕の儚き夢は叶いそうにない。
そればかりか、騎馬の人達はあろうことか騎馬軍団に突撃をかけた。
が、やみよはというと、全く驚くことなく、嫌そうに眉間にシワをよせただけだった。
そして、それらは真正面から激突する――――
五分後。
やみよは生き残った。
他の全ての騎馬を片っ端から倒して。
あたりに散らばっているのは、二・三組の帽子ばかりだ。
後でひのでちゃんに聞いた話だが、
「ああ。去年も同じようなことやったから、今年も狙われたんやろ」
……二年連続?
結果・一組、というか凩やみよ、
完全勝利。
よう。柴村琢人だ。
初めての俺視点♪
……すまん。調子に乗って「♪」とか付けてしまった。実際はこんなキャラじゃない(ハズだ)。
『次は生徒会主催のパン食い競争です。参加は自由ですので、どちら様も奮ってご参加下さい。優勝者には菓子パン10個差し上げます』
ん? パン食い競争?
「参加してみたら? ほら、パン貰えるし」
と、提案したのは孝介。
いいかもな。俺ん家の経済情勢は毎日ピンチだから、少しでも食費を減らしたほうが母さんも喜ぶだろ。
ふっふっふ…、俺だって『経済情勢』みたいな難しい言葉を使えるんだぜ?
覚えたの三日前だけど。
『パン食い競争の参加者は入場門にお集まり下さい』
おっと、行かなくちゃ。
「あれ? 孝介くん、琢人くん知らない?」
「タクならパン食い競争に出ていったよ。海梨ちゃんは、何か用があったの?」
「……孝介くんって、パン食い競争がどんな競技が知ってる?」
「え? 紐とかで吊り下げられたパンを、口でくわえてゴールまで走るんじゃないの?」
「やっぱり普通はそうだよね……」
「『普通は』?」
運動場を右、左と見渡す。
なんか、太ってる人ばっかりだな。食べ物の魅力に惹かれたのか?
ま、これなら一位はいただきだ。
でも普通、走るレーンが用意されてるはずだよな?
『それでは、パン食い競争を始めます!』
というアナウンスと共に持ってこられたのは……、
「おいおいおい…。なんかパンが山盛りになってない?」
「この学校のパン食い競争は、走って食べるんじゃなくて、『パン早食い競争』なんだよ…」
「生徒会費を蝕みそうな競技だね…」
「琢人くんは知ってるのかな?」
「いや。あれは、知らなかった! の顔だと思う」
「琢人くん……」
「琢人! すごいじゃない、優勝なんて!」
「か、母さん」
「沢山パン貰ったし、頑張ったね。ほら、疲れたでしょ? お弁当作ってきたから一緒に食べましょ?」
「い、いらん……オェッ」
「そうなの? じゃ、じゃあさっき貰ったパン食べる?」
「余計無理…」
あー、当分パンはこりごりだ…。
この「体育祭編」、本当は3話くらいで終わらす予定だったんですが、なんか長引いてしまいました。しかもグダグダな感じで。
あと2・3話くらいは延びそうな勢いです。
井戸端海梨の出番も少ないですし。
さー、どうしよ…。