第1話:学園ベタ 其の壱・転校生は必須
第一長編・副題
「転校生は殺人犯の息子!?+地味」
1年前――――
〜3月某日〜
『本日未明、野原見市の住宅街で発生した連続通り魔事件の犯人が逮捕されたもようです。
犯人は1月下旬から今月はじめにかけて付近の住民計17人を襲い、5人が死亡。12人が重軽傷を負いました。
2月から警戒していた地元警察も3人が襲われ、1人が意識不明の重体です。
犯人は主に鋭利な刃物を用い…………、はい?、あ、
たった今、新しい情報が入ってきました!
警察の発表によると、犯人の名は
柴村廉人
43歳、無職で野原見市在住。1月からの犯行をすべて認めた、ということです。
警察では、犯行の動機などを詳しく調べています。』
「ここか〜」
僕、前園孝介は、今日から中学3年生。
親の離婚により住んでいた野原見市を離れ、同県の端っこのあたり・かーさんの実家にに引っ越した。
今、新しく通う葉桜第三中学校の前に立っているんだけど、
「入りにくい……」
なんてったって転校生。
学園モノの定番、なのだ。
教室には「都合よく空いている席」があるんだろうなぁ。
で、隣が可愛い人だったり。
「とりあえず、職員室にでも行ってみるか」
ここの生徒であろう人達の視線が痛いし。
〜3−1教室〜
の廊下。(僕は)
まず職員室に行こうと決意した僕だったのだが、まぁ、ものの見事に迷ってしまった。
なんで前もらった校内図を忘れたんだ?
でも、よく人に尋ねないでたどり着いたな。頑張った、僕。
……と、独り言はやめておこう。
教室の中からは話声が聞こえる。
「今日はみんなに、いいお知らせがあります」
僕のことかな?
「転校生ですか?」
「あ! 私、朝見た! 校門の前でキョドってたよ」
「どんな人? かっこいい?」
「ん〜、悪くはない、かな。良くもないけど」
「俺も見たぞ。なんつーか、地味?」
「……ヒドイ」
本人が廊下に居るってことを知ったうえで、なのか?
まぁ、その評価については否定できないけど。
「はいはい。そんなこと言わない。もう廊下に来てるんですよ」
「「「ええぇーー!!」」」
「さっきまでの聞いてたの!?」
「ごめん! さっきのなしで」
遅いよ。
「じゃあ、前園君と柴村君。入ってきて」
……ん?
僕、と?
サブタイトルを変えました。
副題を決めました。
追加ばっかりで、ほんとすいません。