美女(ベル)との出会い
息抜きに書きます。
俺は平凡である。そしてそのことに不満はない。むしろ平和な生活を送らせて頂いて、感謝すらしている。
そんな俺が、一つ、親がくれたものでいらないもの、それは『名前』だ。
清田優獣――俺の名前だ。
ぅぉおおおおおい!!!ふざけんな父さん母さん。
優しかったら野獣でも良いんかよ。その時のノリで名前を決めたという両親には言いたいことがいっぱいあるが、それより今回話すのは、この忌まわしい名前のせいで巻き込まれてしまった事件のことである。
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俺の通う高校には、超絶美少女と、超絶美男子がいる。
それがなんと超キラキラネーム。俺が言えたことではないが。
桐須美女と坂口王子。
その名の通り、物語に出てきてもおかしくないレベルの顔、スタイル、声。全てを兼ね備えたふたりは、入学早々学校のアイドルになった。
別世界の話。同じ学校内にいるのに、天と地ほどの差があった。
「姫〜!」と叫ぶ男子。「王子様〜!!!」と名前なのかあだ名なのかわからない呼び名で呼ぶ女子。
そんな風景は日常と化し、平凡をモットーとする俺は、楽しく学園生活を謳歌していた。
そんなある日のことだ。
ドンッ。廊下の角、俺と桐須さんは完璧なタイミングでぶつかった。
「あっ、ごめんなさい!!!」
綺麗な高い声で必死で謝る彼女。可愛いな・・・、じゃなかった。
「あ、いや、大丈夫っすよ。桐須さんこそ大丈夫ですか?」
俺は、謝り続ける彼女を制して聞いた。
「大丈夫ですっ!って、え?何で私の名前知ってるんですか?」
きょとんとした表情で彼女は言った。
いや、マジか。この人自分がどれだけ有名か知らないのか?ファンクラブ(誰かが勝手につくった)とかヨユーで100人超えてるはずなのに。とりあえず可愛い。
「うちの学校であなたのこと知らない人、いないと思いますよ」
俺が言うと彼女は、めちゃめちゃ驚いていた。何でだ。しかし可愛い。
「あ、じゃああなたの名前教えてください!私だけ知らないとか、申し訳ないです・・・」
・・・!な、名前、だと・・・!教えたくない、けど覚えてほしい。てか今さらっと『私だけ知らないと申し訳ない』とか言ったけどその計算なら全校生徒の名前覚えないといけなくなるぞ。
俺は0.3秒くらい考えた後、こう言った。
「清田優獣です・・・」
あの時彼女が僕の名前を聞かなかったら、この物語は始まってもいなかったのだろう。
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