No.3 全ての日焼け止めが安全とは保障はされていない。
「日焼け止めの呪縛なんて物は存在しないィィィィィィィィィ!!!」
俺の叫び声は教室中に木霊していた。
しかし、少年は怯えることもなく、話を続けた。
「日焼け止めにはベンゾフェノン『(C6H5)2CO』が含まれている!!いわゆる紫外線を吸収する奴だ!!」
少年が誇らしそうに喋る。
「それがどうした!!」
俺はすぐさま返答していた。
「ベンゾフェノンは肌を痛めてしまうことも多く、特に酸化による肌への影響が大きいんだ!!そんな事も知らずに日焼け止めだけを推奨するのは問題があると思う!!」
少年が言っていたことを俺は一秒以内にすべて理解した。だから、俺は余裕の態度で向かい撃つことが出来る。
ただ、物を見た目だけで判断する事自体に問題があると思った。
「それだけか…少年」
俺は席を立ち、止めようとする先生やみんなを無視して彼の机へと向かう。
「な、なんだ」
急な俺の態度の変化に困惑しているのだろうか?いや、それとも…
「これを見ろ。」
俺は自分のポケットから俺がよく使う日焼け止めを取り出し、彼の眼前へと突きつける。
俺には何も迷うことはなかった。なぜならこれが俺の方法。
「な、なに……」
彼の小さく驚く声が周りにも聞こえた様だ。俺は皆の目線の標的になりながらも、彼の二言目を待った。
「オーガニック…だと…」
彼はまるで予測してなかったというような表情を見せる。そう、俺の日焼け止めはオーガニック使用。
従って、俺の日焼け止めにはベンゾフェノンは含まれていない。
俺は自分の勝利を確信した。
「そう。オーガニック…オーガニックこそ究極の形態。人々は最新の技術や化学こそ、素晴らしい物だと誤解しているが、果たしてそうだろうか?今こそ原点に戻るべきなのではないだろうか?」
これが最後の念のつもりだ。もう何も言う事はないだろう。
「くっ、」
案の定、彼も何も言う事はないのだろう。しかし、彼の表情には少しばかりか欣喜雀躍としていて気に食わなかった。
何か彼には裏がある。俺はそう感じせざるをおえなかった。俺はこの少しばかり茶髪でくせっ毛の少年に注意しておくべきだと感じた。
俺は少し不満げに自分の席に着くと、先生やみんなに何も言わずに着席した。
元々、友達も少ないタイプだったのだが、もうこれはハブられる対象になったのではないかと危惧する羽目となった。
放課後
「やはり、彼は異端者の“他の方法(the other way)”でした。流石会長です。」 茶髪は喋った。
「ふん。予測通り。」眼鏡はそう返事する。
校舎裏で交わされるこの会話は誰の耳にも届くことはなかった。