5.はじめてのふらぐ 1
スーパーを出て右を向き、家に向かって歩き出そうと思った矢先、俺の目線の先、ちょうど4mほど先、そこには、
「いやっ、やめて!」
「いいじゃねぇかよぉ、ちょっと遊ぶだけじゃねぇかよぉ」
「そぉそぉ、俺達と一緒に遊ぼぉぜぇ」
不良というかDQNというか、とにかく、そんな二人組と、それに捕まってる女子高生。なんとまぁ、ラノベのような光景がひろがっていた。
女子高生の方は制服を見ると、うちの学校の制服だった、リボンの色からして、同学年だろう。
うわぁ、こんなこと本当にあるんだ…。
平日の昼間だからか、通行人は少なく、助けようとする人はいない。
さて、どうしようか、選択肢は二つだ。
1, 助ける。
2, スルー。
うん、スルーしよう。
なんだか脳内にあるフラグセンサーが反応している。
さぁ、スルーして帰ろう。
俺は関係ない、ただの通行人ですよオーラを出しながらDQN共の後ろを通り過ぎようとした。
が、
「チッ、いい加減にしろよ、この女ぁ!」
ドンっ。
DQNの手が俺の肩にあたり、その拍子に卵がはいったビニール袋が落ちた。
グシャ。
卵が割れる音がした。
瞬間、
プッツン
俺の中で、何かがキレる音がした。