ep1.8
そもそもの話だが――…。
この場所で日本語が通用している事に疑問を抱いた後
全ての事象の意味が通じているのか全く分からなかった――…。
馬鹿なら少し前の俺のように「その辺を飛び回って探索」なんて事をするんだろうが
目撃者を増やす事にはリスクしかない。
この数分で俺は自分の存在が極めて危険性の高い物だと認識している…。
どう見ても人間的な思考を持たないようなこの物体が
シナプスも声帯も介せずに会話している状況は
異様でしかないはず。
なのにコイツラは受け入れていた。
一旦全ての事象を考えるのを放棄し
今の状況だけを整理する。
あの塔が存在するのはまずおかしい
あれが存在すると言う事はあの教団が全てを守れる力を持つか
球体は消滅させられる可能性が高い。
ヤツラの俺への反応からしてそういった力は持たないか、持っていてもあそこにはいなかった――。
しかし、知識も建物も継続させられているのなら
全体を守る力は確実に何処かにある。
即ち「行政」は、ここからそう遠くない所で存在している
この周辺に入れなくなっているとしか思えない――。
相手は少なくとも俺のような者を消滅するまで監禁出来るような能力を持っている。