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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

楽しかったキャンプ旅行

作者: ヒロモト

「あー。すいやせん」


俺はリュックを受け取った。これでキャンプしろって事かな?


「……お前で最後だ。渡辺」


こんなサングラスの先生いたっけ?まぁいいや。

中2の夏。キャンプ旅行が楽しみ過ぎて寝れなくて寝不足だった俺はバスの中で爆睡してしまった。

起きたら誰もいないでやんのー。


「ではゲームのルールを説明する……おいっ!」


「早くみんなに合流しないと!」


「話を聞け!ふん。ハズレを引いたようだし……お前死んだぜ?」


何言ってるかわかんねぇよ先生!うおぉ!楽しいキャンプの始まりだぁ!


「……何も知らず死ぬとは可哀想に」


「クモに蛇に野草。こんなもんか」


先生ったらハリセン以外の道具(?)をリュックにほとんど入れてくれてなかった。道具も食料も現地調達。まっ。これはこれでいいか。湧き水も見つけたし水にも困らない。

それにしても皆はどこにいるんだろう?あー!満点の星空!スマホもパソコンもない世界!デジタルデトックス最高!



「いくらなんでもそろそろ帰らないとなぁ」


山を探索しながら三日目。俺は結局旅行中クラスメイト誰とも合流出来なかった。

どこからか楽しそうな声や花火の音が聴こえてきたから皆もキャンプを楽しんだんだろうな。俺はハリセンを片手に山を降りた。


「えっ?お前がチャンピオン?」


「やべー。俺。遅刻っすか?」


まーた誰もいないよー。初日に見送ってくれた先生に案内されて俺は総理大臣と某国の大統領と会談してバーベキューを楽しみリムジンで街に帰った。

なんで総理大臣がいんの?


「お前いつまで首輪してんだよ?もうロック解いてあるから外せよ」


「首輪?」


ほんとだ。キャンプに夢中で気がつかなかった。

遭難防止の為のGPSかな?


「……しかしハリセンで優勝とはなぁ」


「優勝?」


「……じゃあな。言いたくないけど……お前すげーよ」


「先生!ありがとうございました!」


名前も知らないけどいい先生だったなぁ!


『日本と⚪⚪国共同プロジェクト。『ラブ・殺し愛』の第6回大会が開かれました』


街頭テレビでニュースをやっていた。三日ぶりの文明だ。


「せっかく山でリフレッシュしたのにいきなり嫌なニュースだなぁ」


『ラブ・殺し愛』ってあれだろ?誰か一人になるまで殺し合うゲームだろ?逃げられないように首輪で監視までしてさ。そして日本人の殺し合いを見て偉い人たちは酒を飲んで交流を深める……馬鹿らしい!もし俺がゲームの参加者に選ばれても誰一人殺さず脱出してやる!


『残り三名で二名が相討ちで死亡。チャンピオンが決まりました。チャンピオンに支給された武器はなんとハリセン。歴史的大勝利となりました』


ハリセンで殺し合いに優勝したのか。とんでもない筋肉バカなんだろうな。ふぅ。家についたぞ。


「ただいまー!……なになになに!?」


父さん母さんに妹まで抱きついてきた。熱烈なお迎え。三日いないだけでそんな寂しかった?


「お兄ちゃん怪我は!?」


「ないが?」


「こ……殺したのか!?」


「そりゃあね」


山には美味しい虫や動物が一杯いるからね。人は命を頂く生き物なのだ。


「そうよ……ね。生きるために仕方ないわよね」


「あー!楽しかった!また行きたーい!」


『『……えぇ』』


な……なんで皆引くんだよぉ?


『チャンピオンの渡辺⚪⚪君は……』


茶の間からテレビの音が聴こえてくる。なんか俺と同姓同名だ!なんの番組か知らないけどこういう時ってちょっと嬉しいよね。















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― 新着の感想 ―
[一言] 難聴系主人公。(俺TUEEEE) ……なろうっぽいのになろうっぽくない不思議。 面白かったです!
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