一話
ジャパヌ皇国 皇居
「これが我々の目指していたものだったのだろうか………。全て私の責任だな。」
「そのようなことはありません陛下。いずれは合衆国との衝突が起こるのは誰の目にも明らかでした。我が国はそれがただ早まっただけでございます。」
「しかしだ、いくらでもそれを遅らすことは出来立てだろう。少なくともあと何十年も先なら我らも列強諸国に並ぶことができて対等に戦えれるかも知らなかった。それをできなかった私は天皇として無能なことを証明したということだ。」
「陛下は大変努力なさいました。我が国が列強諸国にここまで追いつくことができたのも陛下の御尽力の賜物です。」
「力を持つと潰される。出る杭は早めに打てということだろう。我らも甘んじてそれを受け入れるつもりもないがな。我らの同盟国である帝国の助けも必要だろう。」
「えぇ。かの国は強力な軍を持つ軍事国家です。しかもこの度の戦争にて突然の奇襲に対応し、その後反攻作戦を行い既に隣国を併合しております。」
「あの国の代表はまさしく他を寄せつけない。そんな男であったな。」
「それは誰よりも優れた男ということでしょうか。」
「いや違うな。あれは特段なにかに優れてるわけではない。あの男を他者を嫌うのだ。自分の、自分たちだけの世界で暮らしたい。それを邪魔するならば戦争もすることを躊躇わない男だったな。」
「それだけ聞くと引き篭もりのようにも聞こえますが力を持ってる分余計に恐ろしいものです。」
「あぁ違いない。だが間違いなく我らにとって帝国は同盟相手にふさわしい。実際我らはその軍事同盟によってさまざまな恩恵も受けておる。せいぜいその力で合衆国に抗って見せよう。」
「争うだけでは意味がありません。勝たなくては。見せてあげましょう。出る杭が打たれても打たれも出続ける様を。」
世界大戦。それは列強諸国が二つの陣営に分かれて戦った世界規模の戦い。
アーリア合衆国とブリテン王国、フランワー共和国、ソバント連邦の連合国陣営。
ジャマ帝国、ジャパヌ皇国、イチリ共和国の中央国陣営。
その戦争は多くの人の命が失われた。
兵士は一発の銃弾に倒れ。
女子供は一発の爆弾で倒壊した家屋の下敷きとなり死に絶え。
国は一発の核で滅び。
世界は一発の……….......................