初めての友達??
結論から言うと、はじめての休みは結局ほとんど鍛練に費やした。
土曜日、ルルが俺と一緒に過ごしたかったと拗ねていたので日曜日は1日中模擬戦をしてはどこがだめだったかなどをひたすら教えて貰っていた。
流石に1人では『仮定未来』を使いこなす練習はできないので充実した時間を過ごせた。
これから毎週日曜日に模擬戦をすることになった。
自分が強くなっていってるのを実感できるというのは中々いいものだった。
さて、月曜日になり登校した訳だが今日はちょっと授業に集中できなかった。
何故かと言うと今日俺に友達??ができるかもしれないからだ。
未来では今日の放課後俺にエトリアが友達申請???をしてくるのだ。
学院にきてからのはじめての友達??ができると思うとつい胸が高鳴ってしまった。
もちろん俺が『未来旅行』で未来を知ったせいで、その中での俺と同様に動いているわけではないので、もしかしたら違うかもしれないがね。
そんな訳でどうなるかと思う胸の高鳴りを抑えながら授業をのりきり、
ついに下校時間となると、なにやら覚悟を決めたような顔でエトリアが話かけてきた。
「あ、あの‥‥」
きたぜ!!
「うん?なにかな?」
俺はなるべく爽やかに笑顔で返事をする。
これが友達??になる記念すべきやり取りなのだ。
気合いがはいると言うもんよ!
「その、わたし‥‥、入学してからずっと貴方のことを見ていましたの‥‥」
ほんとにこれって友達のお誘い!?って思うだろう?
安心してくれ。
俺も未来ではこのあともっと甘い言葉がくると思っていたさ。
さて、それでは続きをどうぞ、エトリアさん。
エトリアはもじもじしながら少しの間黙りこんでいたが、息を大きく吸い
「わ、わたしの美の師匠になっていただけませんか!?」
やったー!
やっと俺にも友達??第一号ができるのだ。
ん?なんか違うって??
細かいことは気にするなって!!
ここは『未来旅行』で体験した俺の言葉を使わせて貰おう。
「え!?‥‥美の師匠って‥‥、お、俺が?」
「はい!!アルマ様は男の子なのにも関わらずにその美しさ!そして美しさだけでもなくかっこうよさも兼ね備えておりますわ!まさにわたしの理想を体現したかのようなお方が貴方なのですの!!」
そう熱烈に語る彼女。
そう、彼女は美しさを追い求めるオタク‥‥。
名付けて美オタクなのだ。
彼女は小さい頃もっとぽっちゃりしていたらしく、それを小さい子どもなので気にすることも無かったが、少し大きくなり、親が決めた婚約者と会ったときに‥‥「えー、俺こんなデブでブスと結婚するなんて嫌だよ!!」という子どもの正直な発言に傷つきダイエットをはじめ美容に気を使いはじめたらしい。
その婚約はエトリアの親が大激怒してなしになったそうだ。
それからエトリアは男嫌いになってしまい、男を避けるようになってしまったのだ。
俺はどうやらその例外らしく話しても鳥肌がたったりすることはないらしい。
「そ、そっか、、お、俺で良ければこれからよろしくな」
「はい、アルマ様!!ブスなわたしは美しくなれるようアルマ様の元で修行に励みます。」
自分のことをブスといっているが、多少きつめの顔であることを覗けば彼女は十分すぎるほど美人だ。
おそらく過去のトラウマから自信がないのだろう‥‥。
そのあとルルにも彼女を紹介するために彼女と一緒に2組まで向かった。
「アルくん!だれ!!一体誰なのその横の綺麗な人は!!まさか‥‥浮気!?も、もうなの?もうわたしの恋のライバルが現れたの!?そ、そんなわたしがアル君を独り占めできる時間がもう終わりなんて‥‥‥‥は、はははっ‥‥」
会って早々飛びかかってきて胸ぐらを掴み俺の体を揺さぶった後、今度は勝手にいじけだした。
「ルル‥‥、この人は俺の友達でエトリア=レドルカ。お前が思っているような関係じゃない」
「初めまして。わたし、アルマ師匠にこの度弟子入りいましました、エトリア=レドルカでございますわ」
「弟子入り!?そ、それってどういう‥‥、ま、まさか、あんなことや、こんなことを教えるの!?ダメよ、アル君!!はじめては私じゃっいたい!?」
一人で明後日の方向に暴走するこの馬鹿にチョップをいれてやった。
「アホなこと言ってないで、早く自己紹介しろ」
「‥‥失礼しました。アル君の愛する一番の思い人のルルです。」
ルルは敵意のこもった目でエトリアをにらめつけながらしぶしぶ自己紹介する。
なんだその自己紹介は‥‥。
「ふふっ、わたしは貴方から師匠を奪おうなんて考えていないので大丈夫ですわよ、師匠にはわたしがブスという屈辱から脱するためのお手伝いをしていただけるようお願いしましたの」
「ぶ、ブス??アル君、エトリアさんはは本気でいってるのを?」
「あ、あぁ、そうみたいだな、どうやら自分の見た目が嫌いらしくて、俺がエトリアの求める理想像に一番近いとかで、弟子入りを頼まれたんだ」
「そ、そうなんだ。アル君も大変なんだね。ごめんね、疑って。」
そう言い、可哀想な人を見る目で俺を見てくる。
やめてくれルル、こんなのでも俺の友達??第一号なんだよ。
「エトリアはルルが平民なんてこと全く気にしないらしいから、二人も友達になったらどうだ??」
「え、ほんと?エトリアさん友達になってくれるの??」
「もちろんですわ!!こんな可愛い子とお友達になれるのを断る理由なんてありませんわっ!こちらこそよろしくお願いしますね?」
そう言ってルルに手を伸ばすエトリア。
「うぅー。いきなりつっかかったりしてごめんなさい。これからよろしくお願いしますっ」
そう言ってルルも手を伸ばし握手をした。
ルルも教室で浮いていて、まだ友達ができていなかったようなので今日はじめて俺たちに友達ができた。
え、俺の場合は友達じゃないって?
弟子も友達のようなものだろうが。




