青い瞳は戦場で輝く
サブタイトルいつもどうするか悩みます(笑)
視点:ルル
模擬戦1戦目が終わり少し休憩したあとアル君からもう一戦お願いされた。
授業までまだ時間があり、特に断る理由もないのでもちろん受けた。
アル君は私に惨敗したと少し落ち込んでいたが、私に言わせれば彼は十分善戦した方だろう。
そもそも私は小さい頃から優秀な親のもと戦闘に関する訓練を嫌というほど受けてきたのでアル君とは『魂の昇華』によって基本能力が大きく違うのだ。
その上彼は今まで戦闘訓練なんてほとんどしてこず、『魂の昇華』はおろか、技術面、肉体面でも私に数段劣るのだ。
なので本気ではないとはいえ、最初の一撃を防がれるとは思っていなかった。
私は冒険者でいうB級に相当する実力がある。
B級とは超一流冒険者で、冒険者の中で特に優秀な人が到達できる領域だ。
A級は化物とよばれB級とA級の間には絶対的な壁が存在し、A級冒険者は大陸に7名しかおらずその年は既に100歳を軽く越えたような人ばかりである。
S級冒険者は人間兵器と呼ばれ広い大陸に1人しかおらず桁違いの戦闘力で、敵軍にA級相当の実力者が複数存在し、自軍がほぼ壊滅し敗戦間際の戦争であっても彼ら1人が出陣するだけで戦況がひっくり返ってしまうほどらしい。
しかし冒険者は戦争に関係する仕事を受けるのが禁止されており、そのルールを破れば腕に着けている契約の腕輪により、無力化され罪に問われるのだ。
B級冒険者でも大陸には役100人たらずしかおらずその実力はA級には全く及ばないがそれでもかなりの実力者である。
だがそれはあくまで冒険者での話で、国や冒険者と同じ独立組織である教会がかかえる戦力も考えればその軽く数倍はいると考えてもらっていい。
この大陸にある4つの国全てがS級相当の実力者を1人抱えており、教会も1人抱えている。
私はこの年でB級にたどり着いた天才だと親に言われた。でも、そんな私からみても彼の先ほど戦闘では光るものを感じずにはいられなかった。
おそらく剣術や魔力制御の才能は私より遥かに上だ。
彼は魔法が使えないらしいがそれを補うほどの才能を持っていると思う。
だから私は彼のこれからの成長を誰よりも近いところで見届けたい。
私は彼と向き合い木刀を構え、彼の顔を見た。
彼は木刀を構えているが目を閉じていた。
そして彼が目を開くと----------------------------------瞳は綺麗な青色だった。
(え、なんで!?)
彼の瞳の色は深い黒色だったはずだ。
しかし、今の彼の瞳は深い青に水色の光がきらきらと輝いている。
はじめて見て少し動揺したが、よく考えてみると、おそらくなにかのアビリティでも発動したのだろう。
「それじゃあ、行くぞ」
彼はそう言って私に向かってきた。
私も今度は彼に自ら向かっていき、彼の右肩を攻撃しようとして防がれた。
今度は一戦目とは違い綺麗に防がれた。
足を使うことで、足りない腕力を補ったようだ。
だが、私の攻撃はここでは終わらない。
次は防御が甘いと思った左脇腹を狙いーー---これは今度は避けられた。
これが避けられるとは思っていなく驚いた。
そのまま木刀を振り切った私の隙を狙って一撃を入れてきたが、
やはり一撃が軽い。
それを弾き返し連撃を仕掛けるが、その全てをぎりぎりのところで避けられた。
おまけに最後の一撃を見事に受け流されて体勢が崩れてしまった。
そこで彼は私にできた隙を見逃さず咄嗟に私のお腹を殴り付けた。
いい判断だ。
もし今の場面で木刀で攻撃しようとしてきた場合、その隙に体勢を立て直せ、そもそも攻撃を受けることはなかった。
ダメージは、ほとんどないが後方へ突飛ばされた。
そのまま彼は追い討ちをかけるように私に向かってくる。
------これは少し不味いね。ちょっとだけ本気をだそう。
私は身体強化術による肉体強化を最大にし、アビリティ『空歩』を発動し、空中を蹴り2度蹴り彼の後ろに回り込み無防備な背中に一撃をいれた。
『空歩』は魔力を消費することで自由自在に空中に足場を作ることができるアビリティで取得当初は1歩が限界だったのだが今の私は連続5回まで空中で足場を作ることができる。
攻撃を受けた彼は前方へ吹き飛ばされて地面にぶつかり何回か跳ねた。
(しまった!やり過ぎた!!)
「アル君!!」
私は彼の元へ急いで向かった。
木刀と言っても一瞬全力で身体強化術を発動した私の攻撃を受ければかなりのダメージになる。
その証拠に模擬戦闘で武器に魔力を纏うのを禁止にしていたので、私の木刀は最後の攻撃に耐えられず砕けていた。
どうやら彼は気絶しているだけのようだ。
(よかった‥‥)
「≪我傷を癒す聖なる力の波動を望む--治光≫」
聖なる光が彼の体を覆い傷を癒やしていく。
聖属性回復系統魔法--治光
癒しの力を持つ光を放つ聖属性魔法だ。
本来なら無詠唱でも発動できるが、効果が落ちるので戦闘中でもなければ普通は詠唱して発動する。
どうやら十分に回復したようだが、念のためもう一回治光を発動させたあと彼の目が覚めるまでずっと私は隣にいた。
(アル君は私が思ったよりこれからもっと強くなっていきそうだね)
---------私も追い抜かれないように頑張らなくちゃ。
その日から私は自主的にやる訓練の量を倍に増やした。
これからきっと強くなるであろう彼の隣に立つ続けるために。




