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ハッピーエンドで終わらせる~未来を見た俺は運命を変える~  作者: 春虎
第一章 悲劇回避へのプロローグ
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魔力制御とルルとの模擬戦1戦目。



 夜、寮の部屋の中たんたんと魔力を精製し、操作し、身体中に流し循環させる。

この動作を繰り返し続ける。


 これは魔力式身体強化術といいその名の通り身体能力を上昇させる。


 魔力制御とは精製、操作、変質の主に3つのことである。



 精製とは人間が普段宿している魔力の質はあまり高くなく、十分な効果を発揮することができないので、魔力そのものの質を上昇させ運用効果を高めるの作業を『精製』という。


 次に操作はそのまま魔力を『操作』し自由に操ること。


 最後に変質とは魔法を使う時、精霊の力を借りて発動するのだが、そのままの魔力ではいくら力を借りても魔法は発動しないのである。

 火の魔法を使うなら火に馴染みやすい魔力に、水なら水に馴染みやすい魔力に‥‥、と魔力の性質を変質させ精霊の力をかりやすくするのが『変質』である。


  

 当然、どの行程でも魔力の劣化が起こり魔力としての性質が落ち弱り切った魔力は『低質魔力』として大気中に排出される。


 

 魔力式身体強化術において魔力を循環させるのは、その場に魔力を停滞させておくと魔力の質が劣化し、低質魔力となって効果が弱くなってしまいやすいためだ。

 低下しかけた魔力と自分が精製した最高の状態の魔力を混ぜ合わせることで、その中間の状態でなるべく落ち着くようにするのだ。


 もちろん上級者ともなれば一部分だけを瞬間的に高い質の魔力にし、部分強化することも可能だ。



 そして俺は入学式の日の少し前の日にやっとアビリティ『魔力制御術』を取得したのだ。


 これは魔力制御のアシストをしてくれるようなアビリティで全ての行程の質が上昇するのだ。


 とはいっても俺に変質の行程は必要ないから実際恩恵を受けるのは精製と操作だ。


 そして俺はこの魔力制御を極めようと思う。



 その理由は俺の『先見者』によってアビリティは取得しにくくなっているが、

既に取得したアビリティでも使いこむことや、使いこなすことで効果が上昇したり、威力が上がったり、アビリティが進化することもあるのだ。


 『先見者』にはこの取得後のマイナス補正はないのでこれを極めることが強くなるための一番の近道なのだ。


 他にも俺は魔力制御、刀術、剣術に関しては天才的な才能があるのである。

故にこれらの分野においてはアビリティを取得させしてしまえばあとは熟練度を上げるのは容易いはずなのだ。



 俺は剣より刀を使いそして、おそらくもう少しで刀のアビリティを取得できる。



 何故かって?そんなの直感だよ。



 でもこのアビリティ取得において直感は大事で、自分が取得できそうなアビリティや逆にできなさそうなアビリティは直感でわかるのだ。



 しばらく繰り返して魔力を使いきり空になった。


 明日は早朝からルルに模擬戦をしてもらうよう頼んでいるのでもう寝るとしよう。


 「今の俺じゃあルルの足下にも及ばないだろうな‥‥」






        視点:ルル



 「ううーん、よく寝た~!」

  

 目を覚まし時計を見るとまだ午前5時だ。



 なんでこんなに早く起きたのかというと、今からアル君と模擬戦をするのだ。


 アル君から頼まれた時はびっくりした。


 アル君は戦いには全く興味がなかったし、強さに貪欲でもなかったからだ。


 アル君と言えば可憐で、女の子でも敵わないんじゃないかと言うくらい美しい顔だが、その表情はいつもやる気ない、どこか諦めたような感じだった。


 小さい頃から(なんでこの子はこんな顔をしているんだろう?)とずっと思っていたが、それでも貴族の、それも公爵という偉い家の子供なのに全然偉そうにせず、いつも優しく遊んでくれた彼のことをいつしか好きなっていた。



 


  そんな彼が変わったのは昨日だ。


 

 授業が終わって教室から出てアル君を見つけたので近づいていくと、顔がはっきり見える近さまで近づいた時私は驚いた。


 

 そこにはいつもの諦めたような表情をした少年ではなく、覚悟を決め、まるで憑き物でも落ちたかのように凛々しい顔をした美しく可憐な少年の姿があった。



 (なんか、かっこいい)


 

 今まではまるで女の子のようでかっこいいというタイプとは彼は無縁であったのだが今日の彼は美しくもあり、そしてかっこよくもあった。



 (あぁ、これじゃ他の人達もアル君の魅力に気づいちゃうよ‥‥

 これから絶対に現れるであろうライバルと戦う決意をしなければ‥‥)

  

 そんな気持ちを1度胸の中に押し留め、私はアル君に声をかけた。


 




 


 「朝早くに悪いなルル」


  そういって私の前にたつ彼は学院の授業で使う動きやすい戦闘服を着ている。


  私は彼の顔を今直視することができない。

  


  昨日の誕生会の時にはじめて私への愛を口にしてくれたのだ。私は自分から迫るのはいつものことなので慣れていたが、彼からそう言うことを言われるのには慣れていなく、今少し彼の顔を見るのが恥ずかしいのだ。


 それと昨日の誕生会が台無しになったせいで(私にとっては今までの人生で一番幸せだった時間だったけど)誕生日を忘れていたと思われていないか心配なのだ。


 「その‥‥アル君‥‥。昨日は誕生日なのに祝ってあげられなくてごめんね!

実は色々考えていた企画があったんだけど失敗しちゃってね‥‥」


 「‥‥あ、ああー、そういえば俺昨日誕生日だったな。本人の俺も忘れていたんだし別に大丈夫だよ!」



 え!アル君誕生日忘れていたの‥‥。

 じゃあ昨日のドッキリが上手くいっていたら大成功間違いなしできっとすっごい驚いてくれたんだろうなー。


 「そっかぁ、ならよかった~~。考えていた企画がだめになっちゃったからまた今度なんかプレゼントするね!!」


 「わかった!楽しみにしておくよ。それじゃあそろそろはじめようか。」


 そういって彼は木刀をこちらに向けかまえる。


  「よし、私も気持ちを切り替えないとねっ!」


 

   そういって私も木刀をかまえた。






   視点:アルマ=サーリング



  まずは『仮定未来』を使わずにやってみよう。



  俺は魔力を精製し、身体中に行き渡らせ、循環させた。



  彼女も身体強化が完了したところで


  

  俺は彼女のもとへ飛び込んでいった。


  俺が間合いにはいった瞬間にルルの木刀が俺の頭目掛けてて向かってくる。


  俺はそれをなんとか木刀で受け止めるが、力が強く上手く受け流すことができず、体勢を少し崩してしまった。


  (クッ、なんて重くて鋭い一撃なんだ)


 ルルは小さい頃から肉体を鍛え上げ、身体強化術もずっと毎日練習してきたのだ。

 つい昨日やる気になったばかりの俺とは話が違うのだ。



 ルルは俺の体勢が崩れた隙を逃すことなく、追撃を仕掛けてくる。

俺は地面を蹴り後退し、間一髪のとこでその攻撃をかわす。



 体勢を整え反撃を行おうとすると目の前に既にルルがいた。

 

 (だめだ、速度が圧倒的に違いすぎる)


 

 なんとか次のルルの一撃は受け止めたが足を払われ地面に転げ落ちる。



 無防備になった俺の喉元に木刀が向けられる。


 

 「うーん、刀術そのものは悪くないんだけど、一撃が軽いし、速度が遅いから一方的にやられるんだよ。戦闘経験も足りてないしね。」



 そう言いルルは俺に手を差しのべてくる。

 

 彼女は俺と同じ身体強化術と剣術だけで戦ったのだ。 


 同じ条件で手も足もでなかった。

 

 

 模擬戦1戦目は文字通り俺の惨敗だった。



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