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真の黒幕

 視点:ルル



 今日の授業が終わった。


 これから急いでアル君のもとへ向かわないと。



 最近アル君が私に甘えてくれるようになった。



 朝の登校まで一緒だし、下校の時も私に早く会いから授業が終わったら急いで帰る準備をしてくれだなんて。


 もうー、私幸せすぎて死んじゃうかもしれない。



 おまけに、人目がないところだと最近抱きついても受け止めてくれる。


 しょうがないなってちょっと困った顔をしながらも私のことを抱き締め返してくれる。


 その顔を見ると、温度を感じると、近くで臭いがすると、安心するし、胸がきゅんきゅんっいってる。



 これはもう少しでキスも、頑張ればその先へも行けるかもしれない。


 

 ああーこんな幸せな日々がずっと続かないかなー。



 そんなことを考えながら、教室をでると、水色の髪の私より小さなかわいい子が私を見つけて声をかけてきた。


彼女は確かー?1組のニーナ=ダーナニウス様だったかな?


アル君と同じ公爵家でそのご令嬢のお方だ。


そんな人が私に一体なんの用なんだろうか?

まあ、大体身分関係のことだとはわかるけどさぁ‥‥。


「はじめましてなのっ、ルルさん、わたしはニーナ=ダーナニウスっていうのっ!」


「はじめまして、ニーナ=ダーナニウス様。私のような平民にまで律儀に自己紹介してくださるそのお心に私は今感動しております。」


 私はこれでもアル君以外の貴族の人と話すときはきちんとしている。

 そうしないとあることないこと言われて罪にされかねない。


 貴族の人達がみんなそんな人だとは思わないけど、誰がそうで、誰がそうでないかなんて私にはわからないのだ。


 だからエトリアさんとはじめて会った時は素直にやってしまった。


 まあ、アル君が私に紹介するような人は人格者だと思って安心していたのは言い訳になっちゃうのだろうか。


「わたしの素晴らしさがわかるなんてあなたやるのっ!そうなのっ!私はすごいのっ!!だから子供じゃないの!」


そう言ってえっへんと胸を張る姿は微笑ましい。


この人はたぶんそんな悪い人じゃあ無さそうだな~


「ニーナ様が子供だなんて‥‥。そのあふれるような気品は子供ではとても出せないかと」


「あなたいいこなの!その心を忘れないようにするの!それじゃあ私はこれで失礼するのっ」


「ニ、ニーナ様!?ここにきた目的をお忘れですか!?」 


 取り巻きの一人が慌てて立ち去ろうするニーナを止める。


「そ、そうだったのっ!私をおだてて逃げようと思ってもそうはいかないのっ!」


 なに、この子かわいい。

 妹にしたいよ~。


 「ルルさん!私はあなたに決闘を申し込むのっ!」


 「それは、どうしてですか?」


 「貴族の誇りで同級生の平民に負けるようなことは許されないのっ!あなたにはそろそろ現実を知ってもらう必要があるのっ!」


 「そうですか、私には特に関係ないのでこれで失礼します。」


  アル君から決闘を申し込まれても絶対受けるなって言われているし、

  ここは早く立ち去ろう。


 「ふんっ、あの女々しい無能の女なんて所詮この私が相手をするまでもないのねっ」


 私の思考が停止した。


 私は自分の悪口を言われるのはたいして気にならない。

 でもアル君の悪口はちがう。

 

 「ニーナ様」



 「ん、どうしたのっ?」



 「私が決闘で勝ったら今後アル君への悪口を言わないと約束してくれますか」



 「そんなのお安いご用なのっ」



  私はこの時いつもアル君の悪口を言われてもそれを黙って、ただ耐えているだけのストレスが溜まっていて、少し冷静ではなかったかもしれない。


 「いいですよ!その決闘お受けします!」


 

  こうして私とニーナ様は正式に決闘をすることになったのだった。


  

  決闘の日時は後日学院側から通達があるそうだ。





       ----------------------

 



  視点:アルマ=サーリング


 「こんの、馬鹿っ!!なんで決闘を受けたんだよ!」


 俺はしゃがんで頭をかきむしる。


 くそっ、なんていいタイミングなんだ、俺がやっとついた時に決闘がちょうど成立するとか。



 やはりこれは世界が邪魔をしてきているとしか思えない。


 小さい頃でも起こると嫌な出来事があってそれを変えようと思っても本来ならちょっと出来事を変えるだけでその出来事は無くなるはずなのに、少しのずれくらいなんらかの形で修正されてしまうのだ。



 重大な出来事になればなるほどそれは強く当てはまる。


「ごめんなさい。でも私アル君の悪口を言われて黙っているのには耐えられないの


 申し訳なさそうな、それでもここは譲らないという意思をこめた目でルルはそう言いきった。


 その気持ちはすっごく嬉しいんだけどね。


 「はぁー。まあ、もう、済んだことを気にしても仕方ないか。」

 


 決闘が決まってしまったからにはもうあとには引けない。



 

 別に俺はルルが負けることを心配しているわけではない。



 むしろその逆、勝つことを心配しているのだ。



 『未来旅行』で感じた未来ではぎりぎりの戦いの末ルルが勝ったのだ。



 今のルルは俺に影響されてか、本来よりも遥かに修行の量を増やしている。



 おそらく今回もぎりぎりで勝ってしまうだろう。




 なぜルルが勝つと問題なのかって?


 確かにニーナは比較的いいやつだ。


 別に平民のことを嫌っている訳でもないし、愛嬌もあってかわいらしい。



 今回の一件もニーナがルルを気に入らないから決闘を申し込んだのではなくて、ルルに対して溜まりに溜まってきている貴族の鬱憤を晴らすことが目的だ。


 彼女なら別に負けてもルルを逆恨みしたりはしないだろう。

 


 問題はニーナじゃないのだ。

 その婚約者の-------



 「やあ、君たち元気かい?」



 こいつだ。



 緑が少し混じった黒髪、高い身長、高いルックス。

 5組のリーダー。アドバジスタ公爵家長男、トランゼン=アドバジスタ。








 ------こいつがルルの悲劇の黒幕だ。


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