『刀技』とまだ気付かぬ才能
ついに俺はアビリティ『刀技』を取得した。
これは刀を極める上でなくてはならないアビリティだ。
簡単に言えば刀を使った、通常では絶対にできないような攻撃などを可能にするアビリティだが、これは取得したばかりではあまり役にたたないことが多い。
所持者の『こんなことをしたい』という強い願いを魂に技として刻みこむ。
これがこのアビリティの真髄だ。
今の俺が持っている技はどうやら二つのようだ。
1つ目が『一刀爆閃』。
魔力を燃料とした魔力爆発を引き起こす技。
純粋な炎の爆発ではなく、衝撃波に近いかもしれない。
この技の良いところは武器とぶつかった時に刀そのものはそこで止まってしまうが魔力爆発は刀を降りきろうとしていた進行方向に進み続けるので、上手く使えば敵の防御を欺けるかもしれない。
他にもいいことがあり、魔力爆発は周囲の魔力を不安定にし、一瞬だが爆発した周囲では魔力制御を行うのが非常に難しくなるということだ。
もちろんこれは俺も影響をうけるが、普段から魔力爆発後の不安定な状態でも身体強化を継続する練習をしておけば一瞬だがかなり優位にたてるだろう。
二つ目が『刀刃金剛』。
これは刀の峰に片手を添えた状態でのみ発動可能で、魔力を消費し、自分の体をおおう防御障壁を展開する。使用中は移動不可。
防御力が足りない俺からしたらかなり助かる技だ。
回避不可能の広範囲魔法とか使われたら防御手段がない俺は手を焼くだろう。
これから技の威力を確かめにいこうと思う。
学院ではアビリティ、魔法などを練習する施設があり放課後でも許可をとれば使用可能だ。
そこは個室のような場所で壁などは魔法で強化されているので壊す心配はないし、他の誰かに手の内を見られることもない。素晴らしい施設だ。
部屋の中は、殺風景でなにもない。
空っぽの部屋だ。
これなら思う存分、技を使えるぞ。
まずは『一刀爆閃』。
体中を精製した魔力でおおい、循環させ、刀にも魔力を纏わせる。
これは刀に魔力を纏わせて刀を強化する役目もあるのだが、『一刀爆閃』は刀に魔力を纏っていないと使用できない。
さて、それではいきますか。
刀に纏った魔力を圧縮し、最大威力を出せるようにする。
思いきり刀を振り上げて‥‥
---『一刀爆閃』
ドォゴォーーーーーン!!!!
っと刀を振り下ろした前方に激しい衝撃波が起こる。
うーん。俺の方にも反動が少しくるな‥‥。
それに発動後、やっぱり身体強化に使っていた魔力がかき乱されて完全に身体強化がとけてしまっている。
これは難しいな‥‥。
使いこなせたらかなり強力だが、完全回避なんてされると諸刃の刃だ。
あっ!そこは『仮定未来』を使って避けられない時にだけ撃てばいいか!!
これで魔力爆発後に俺だけ身体強力を保っていられたら格上相手にも通用するんじゃないか?
問題は『刀刃金剛』だな‥‥。
これがどれくらいまでダメージを防げるかだが‥‥。
試しようがないんだよね。
だってわざと攻撃うけて貫通なんてしたら冗談じゃ済まないでしょ?
大怪我は回復魔法の熟練者じゃないと治せないし。
よーく、考えたら本格的な戦闘をするときにこの『刀刃金剛』を使って相手の攻撃を防げるか『仮定未来』で見ればいいんじゃない?
本番ではじめて試すというのは正直怖いけどね。
これで俺の戦闘にも少し選択肢が増えた。
だが他の奴らはもっとたくさんのアビリティを持ってるし、魔法も使える。
俺が使えるのは『魔力制御』、『刀技』、『先見者』‥‥。
少し心許ないがこれで戦うしかないだろう。
技の確認のあとしばらく魔力爆発後の身体強化継続の練習をした後、魔力が無くなり寮に帰ることにした。
その途中にソフィア様を見かけた。
あれ、前にもこんなことなかったっけ?
キョロキョロと辺りを確認しながら女子寮の方向へ進んでいっている。
もう午前0時越えているんですよ?
これは声を帰るべきなのか?
あっ、ソフィア様に猫が近いていった。
「あれー?こんなとこのでなにしてるにゃ~?」
‥‥ギョッとした。
え、今誰が喋ったの!?
「ここにいたら危ないにゃ~。外に連れていってあげるにゃ。」
そう言って猫を抱き抱え学院の門方向へ行ってしまった。
ソフィア様は猫人種だからやっぱり猫と仲良いのかな?
ってか、なにさっきの!?
かわいい、いやかわいいけど‥‥。
王族の威厳もあったもんじゃないぞ‥‥。
あの。にゃって語尾が素なのかな?
うーん、今日のあれは見なかったことにしておこう。
この時のアルマは気づいていなかったが、ソフィアはルルにも匹敵する実力者であり、獣人族の特性で気配探知にも優れており、もし、アルマの場所にいたのが他の生徒だった場合あんな醜態をさらす前に気づいていただろう。
彼は自分では気づいていないが、気配を消すこと、気配遮断にも天性の才能があったのである。
このことにアルマが気づくのはしばらく先の出来事になる。




