心優の本心
とぼとぼと、私は心優の影を踏みながら歩く。
バスから降りても、ずっと一緒に歩いてる。
こんなに家近かったっけな。
初等部とかは、全然同じクラスじゃなかったし。
そーいえば、心優って6年生の冬まで、すごく髪が長かったよね。将来は美容師になりたくて、自分の長い髪が自慢だって言ってた気もする。
「あ、」
と、私は立ち止まった。
「ん、どしたの?」
心優は首を傾げながら尋ねる。
「ううん。なんでもない」
そうか。切られたんだ。
あいつに、恋歌に……。
「あのさ」
心優がなぜかこっちを見た。
「最近大丈夫? 瑠夏ちゃんと別々に帰ってるみたいだけど……」
私はその言葉に唖然とした。
「……は? 誰のせいでこんなことになってるかわかってんの?」
私はちょっとキツい口調で言ってみた。
「……私たちだよね。ごめん」
私はますます訳が分からなくなった。
「心優ってさ、6年の冬、標的だったでしょ? それなのになんであいつらと一緒にいるの? バカなんじゃない?」
「うん。それは私も思うよ」
……は!? なにが言いたいの?
「私、あいつらのこと嫌いだから。だから私はいじめをしないし、手伝いもしない」
と、笑顔でこたえた。
心優の背景がオレンジ色に染まった。
「ただね、抜けられないんだよ……。私には、友達がいないから」
ボソっと言ったみたいだけど、まる聞こえだ。
「あ、私こっちだから!じゃあね!」
と、さっきのバスと逆方向に走って行った。
「え、ちょ、ちょっと待って!」
「ごめんねゆまりちゃん。ウソついた。私んち、もうとっくに通り越してる。今日はゆまりちゃんと喋りたかっただけ!また一緒に帰ろうね!」
「え、あ……」
心優は走って行った。
……やっぱり、変な子。