うそ!?
「……え」
少しだけ水がかかった。
私じゃない。ターゲットは、ターゲットは、
ーー瑠夏だった。
私は絶句した。
ビショビショになった瑠夏は、ただ茫然としてるというか、無表情だった。
「やっと来たね〜! 待ってたんだよ〜?」
恋歌が笑いながら話した。
「なんで、瑠夏なの?」
つい声に出てしまった。すると、恋歌が
「え〜、だってぇ〜、瑠夏ちゃんのことが気に入らないんだも〜ん」
私はその喋り方が気に入らないんですけど。
「なにが気に入らないの?」
ついに瑠夏が口を開いた。無表情のままだった。
「だってぇ〜、瑠夏ちゃん、中間テストの総合点が
恋歌よりも上だったも〜ん」
恋歌も瑠夏も、結構頭のいい方だ。
「そんなの、自己チューにすぎないよ!」
私は反論した。
と、恋歌のグループの愛花が
「え〜、だってぇ、仕方ないんだよ〜! 今月のターゲット、候補がいなかったんだも〜ん!」
なんなんだ。恋歌グループはみんなこんな喋り方しかできないのか。
「そっか。じゃあ仕方ないよね」
「はぁ!?」
思わず叫んでしまった。
まあ無理もない。だって、いじめのターゲットにされて、仕方ないっておかしくないの!?
「ちょっと瑠夏!」
「ただ、」
「ただ?」
「ゆまりには手を出さないでよね」