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5話

意外と本文書くより前書きとか後書き書くほうが楽しかったりする。

今夜は満月。

庭に通じる障子はぴったりと閉じられている。

その障子には一箇所だけ、くり抜かれて開けられた穴があり、そこから差し込む黄色い月光が、部屋で寝込んでいる少年の顔にちょうど当たっている。

今日は年に数回しかないお祭りの日。

こんな日に風邪で寝込んでしまうのは里中を探してもこの少年ぐらいしかいないだろう。

まぁつまり僕のことなんだけど。

まだ祭りというものに心躍らせていた頃の僕は、神様がテキトーにくじ引きで決めたかのような、この理不尽な仕打ちにふてくされていた。


「うっ・・うぅ・・・なんでぼぐだげ・・・ひぐっ」


今頃他の子どもたちは皆、出店の綿菓子やりんご飴を片手にはしゃぎ回っているのだろうが、この少年に関しては、自分の寝室で黙って天井を見つめるだけである。当初は静かにしていた少年も、天井を覆う暗闇に飲み込まれそうになり、遠くから太鼓の音が聞こえてくると、恐怖か悔しさかわからない感情でとうとう泣きだしてしまった。唯一室内を照らしていた一筋の黄色い月光も、いつの間にか部屋に入ってこなくなっていた。


「え、あんた、何泣いてんのよ」


驚いて障子のほうを見ると、光が入ってこなくなった障子の穴から、今度は少女の目が覗いていた。

同時に月を覆っていた雲が晴れて、少女のシルエットが月光を背に障子に浮かび上がる。

その影が妙に神々しくて、必死にこらえていた涙が、押し殺していた泣き声が、不思議と溢れてしまったのを今でも覚えている。暖かい涙だった。


「うわあああん!」


「ちょっ、なんで余計泣き出すのよっ!」


障子を開いて中に入った少女は、突然の事態に困惑しているようだ。


「うわぁああああああん!」


「ちょっ、ちょっと、あたしまだ何もしてないじゃないの!」


「うわあああん!うわああああああん!」


「あたし、あたっ、あた・・・ひぐっ、うぇえええん!」


それから数分間、二人して訳も分からず泣いていると、再び障子の開く音がして、今度はゆったりとした口調で、女神のような優しい声が聞こえた。


「あら、泣き声がすると思って来てみたら、

二人そろってどうしたのですか?」


「おっ、おねっ、お姉様ぁあああぅひぐっ、あたし、あたし何もしてないもんぅうわぁああん!」


「まあ、ひどいお顔。何をそんなに泣いてるの、私の可愛い妹」


そう言って妹を抱き寄せて、母が娘を慈しむように優しく頭を撫でた。


「ほら、泣かないで。可愛いらしいおめめが腫れてしまいますよ」


そんな声を聞いていると、少年はなんだか安心してしまって、気づかないうちに眠りに落ちていった。




「んぅ・・・」


鳥の鳴き声がする。


『朝・・・?なんか枕が柔らかいな・・・』


うっすら目を開けるが、寝ぼけて焦点が合わない。その時、額に誰かの手がぴたっと触れた。


「おはようございます」


ようやく焦点が合うと僕の目の前に昨夜の女神の正体、神楽凛様の顔があった。僕は膝枕されていたのだ。


「あっ、りっ、りっ・・」


「しーっ」


僕が恥ずかしさと動揺のあまり叫びそうになったのをそうたしなめて、彼女は自分の左肩にもたれかかって寝息を立てている彼女の妹、神楽夏姫を指差した。僕はようやく状況を察し、小声で言った。

「お、おはようございます、凛様」


「いつもの呼び方でいいですよ。熱が下がってよかったです」


「あ、ありがとう、凛姉ちゃん」


もう朝ってことは凛姉ちゃんは一晩中この状態でいたってことだ。


「ごめんね、凛姉ちゃん、疲れたでしょ?」


「ふふ、姉というのは、妹や弟の寝顔を見ているだけで、不思議と幸せな気分になれる、変な生き物なのですよ」


そう言いながらも、普段から垂れ目な凛姉ちゃんの目は、いつにもまして眠たそうに見えた。


「やっぱりすごいや凛姉ちゃんは。僕らと同じ歳なのにさ」


「確かに生まれた日が違うだけで、双子というのはこうも違ってくるのですから、不思議ですね」


凛姉ちゃんは隣に寝ている双子の妹の頭を撫でながら言った。


「僕と兄様も全然違うもんね・・・フンっ」


「あら、一虎は龍一様のことが嫌い?」


「嫌い・・・ってほどじゃないけど・・・うーん、わかんない」


「ふふ。」


「好みが違いすぎるんだ、性格も真逆ってぐらい。だいたいあいつ、『詩や楽器を習っても何の意味もない、男は刀が全てだ』なんていうんだよ!?全然わかってないね!」


「うにゅ・・・おねぇ様ぁ・・・」


あ、声が大きすぎた。


「おはよう、私の可愛い妹」


「ん〜・・・なにその呼び方・・・きも、ふぁあ」


「きっ、ききっ、きもっ、ぎっ、ぎっ・・・!?」


あらら、昨日はあんなに甘えてたのに、普段はこうなんだよね。


「ど、ど、どうしましょうっ!?いもっ、妹にきっ、きもいと言われてしまいましたぁあわわ私ってそんなに気持ち悪いでしょうかあぁ死にたい呪ってやるこんな子に生んだ親を呪ってやるーッ!!」


「待って凛姉ちゃん落ち着いて!?夏姫ッ!いきなりなんてこというんだお前!」


「いや、10歳にもなって妹のこと『私の可愛い妹』なんて呼ぶのはさすがにないわぁ・・・」


「『ない』・・・ですって・・・?ないとはなんですか夏姫ッ!」


「そうだッ!凛姉ちゃんに失礼だろ!」


さすがに『ない』とまで言われたら怒るよね凛姉ちゃんでも。


「誰か、辞書を持ってきなさい!『ない』とはなんですかッ!」


「そうだ辞書もってこい辞書ッ!ふざけんじゃ・・・え、」


「ない・・・ない!、どうしましょうっ!?辞書に載っていませんわ!あぁ、神様、私の可愛い妹がついに辞書に載ってない言葉を使い始めてしまいましたわ! あぁ・・・!」


「姉さまったらめんどくさいなぁもう」


「やっ、やめろお前そんなこと言っ・・」

「め、めんどくさっ・・・ぎっ・・・ゴッ・・!」

妹の悪意のない言葉が槍のように彼女の心を貫き、とうとう彼女の純粋な心は、『ゴッ』という音を立ててショートしてしまったようだ。


「いややばいよ立ったまま白眼むいちゃってるよ!」


「大丈夫、いつものことだから。なぜか知らないけど、たまにこうなっちゃうのよね。意味わかんない笑」


「なぜ『なぜか知らない』の!?意味わかんない!」


「では、お邪魔しましたぁ!」


そう言うと夏姫は、まだ白眼をむいている自分の姉を軽々と抱き上げ、障子から庭に出て、屋敷の塀をひらりと飛び越え姿を消した。

塀の高さは2メートルほど。だけど僕が驚くことはなかった。『神楽』という一族のことをよく理解しているから。


「・・・なんか疲れたな。もうちょっと寝よ・・・」


再び布団に潜ったその直後、


『ドンっ、ドンドンっ、ドンっ』


今度は家の内側に続く障子の向こうから、せわしなく廊下を歩く足音が聞こえてきた。

もちろんこれは兄上だ。

まっすぐ僕の部屋に近づいてくる。


『寝たふり寝たふり・・・』


僕は布団を頭からかぶった。

足音が僕の部屋の前で止まり、障子がスパンっと開けられて、


「いちごぉおー!起きろ一虎!今日も朝から刀の鍛錬だ!」


「グー、グー、一虎は寝ています、グー、」


「そうか、まだ寝ているか!じゃあまた後で出直すとしよう、はっはっはー!」


『ドンっ、ドンドンっ、ドンっ』


せわしない足音を立てて去っていく。


「兄様はホントに・・・なんて言ったらいいんだろう、『馬鹿』では収まりきらない気が・・・ふぁあ」


そうしてまた眠りに落ちた。


夏期講習が終わりました〜!

これでやっと執筆再開できます!

皆さんお待たせしました!

これからも頑張りますのでよろしくお願いします!



っていうのは嘘で。

夏期講習確かに今日まであったのはあったんですが、書こうと思えば書けたんですよね。なんていうかこう、焦らしプレイ的な。「皆さんお待たせ」って言ってもただいまブックマーク数1件のみなんであなたと私一対一のプレイですね!

すいません、頑張って執筆速度上げますのでどうか切らないで泣

あなたのために僕は書きます。




あなたが金髪ロリ貧乳であることを願って


byすし

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