第三話
リリアの身長→ 155cmくらい。
ライアスの体長→ 80cmくらい。
結構ライアスちっちゃいんです。でも成長するにつれて大きくなります。
最終的にはかなり……
♪~~♪~♪~~
俺は今、鼻歌を歌いながら森の中を探索している。前世ではまあいわゆる現代っ子で、こんな大自然の中を散歩したなんてことはなかった。だから少し気分がいいのだ。澄んだ空気に土の香り。鳥のさえずりに木漏れ日など、すべてが新鮮だった。
しかしそんな気分も30分はもたなかった。上空に禍々しい気配がするなと思い目を凝らしてみると、そこには自分の数倍はする大きさの赤茶色の竜がいた。
理性の欠片もない血走った目に、ただ殺してやると言わんばかりにこちらに向かって急降下してきた。危険を感じすぐさま飛んで逃げる。ひょっとしたら死ぬかもという恐怖かなり焦ってしまっていた。まあ無理もない。日本では死にかけるなんてことめったになかったからだ。しかし突然の横からの突風で体勢を崩し地面に落下してしまう。
『コロシテヤル……クッテヤル……』
その間にも死は目の前に迫ってくる。ヤバイとは分かるでもどうしたらよいか分からない。もうだめだ。
でも、
まだ死にたくない
生きたい
生きたい
生きたい……
ズシャッ
だが殺されたのは赤茶色の竜の方だった。
わけがわからない。でも攻撃が当たる瞬間目の前が真っ赤に染まって、その後体が勝手に動いて何かが竜の体を切ったということは分かる。そして気が付いたら目の前に首の切られた竜の死体が転がっていた。そして今死にかけた恐怖と生きているという安堵の気持ちが混ざって立ち尽くしている。でもよく考えたらこんな危ないとこにいるのはヤバいので、全速力で小屋に帰ることにした。
窓から入ろうと思ったのだが、勢い余って床に激突した。
「痛たたた……」
「あ、帰ったんですね。」
「うん……。でも死にかけたよ。ていうかあんな猛獣でるとかきてないよ!?」
「ここらへんはそんな強い魔物いませんけどねえ……。」
俺が弱いだけか。
なんやかんやでさっきあった体が勝手に動いたことを話してみると、
「たぶんそれは本能みたいなやつじゃないですか? その体にしみついている本能が死にそうになったときに魔法を使って身を守ったんじゃないですか?」
だそうだ。知らない間に魔法を使って竜の首を切ったらしい。もうこんなことにならないようにリリアに魔法を教えてもらうことにした。
魔法は前も説明したように、7属性+α。自分で開発すれば種類は無限大。
リリアの鑑定スキルによるとどうやら俺は水属性の適正が異常に高いらしい。少し浮かれてしまいそうになった。その他の魔法も使えるには使えるが凡人より少し上程度だそうだ。だが魔力は多いのでそこらへんの魔術師にはまず負けないだろうと言われた。
そして、俺の魔法訓練が始まる。