二章
「ここは……?」
俺はある一室のベットでで目が覚めた。
「そうだ俺はあの魔術を使ったんだったな…。てことはここが地球か。にしてもこのベッドめっちゃふかふかだな。」
そんなことをつぶやいてると百合子が部屋に入ってきた。
「起きたようね。」
「まあな、それでここどこ?」
「私の家よ。一人暮らしなの。」
「親は?」
「さあ?今頃二人仲良くアメリカじゃないの?」
「アメリカって何?」
「ああ、そういえばまだ言ってなかったわね。この世界の常識について。この世界はいろんな国に分かれているのよ。ここは日本よ。アメリカっていうのは他の国の名前の一つよ……めんどくさいから他のことはおいおい言っていくわ」
「わかったよ」
「そういえば地球に戻ってきて私魔力がものすごく減ったんだけど君はどう?」
俺は自分の魔力を探ってみた……減ってないようだ
「減ってないみたい。試しになんか使ってみるわ」
そう言って俺は得意な身体強化魔術を使った。ちゃんとかかったようだ。これを機に身体の調子を確かめていると、
「大丈夫なようね」
と声がかかった
「あ、そうそうあなたはこの世界でどうしたいの?有名人にでもなりたいの?」
「どうやって有名人になるんだよ俺は平凡な魔術師だぞ?」
「ああ、この世界に魔術師はいないわよ?魔術は想像の世界のものでほとんどの人はそんなのないって信じてるわ」
「おいおいまじかよ。じゃあこの世界では何が発達してんだ?」
「科学よ。そうね百聞は一見に如かずって言うしちょっと外出てみましょうか」
そこには俺の常識外の風景が広がっていた…
「なんだこれ⁉︎」
そこにいる生き物は人間のみだった。そこにある家は奇妙な色で素材は絶対木ではないとわかる。道と思われるところには土ではない何かが敷き詰められていてその上を何か鉄でできている早い物体が通っている。見ていると頭が痛くなってきそうだ。
これが異世界か……
百合子は
「この世界を見た感想は?」
とクッソ忌々しい笑顔でそんなことを言ってくる
「俺が言いたいことはいろいろあるけどひとつだけ言うわ…文明発達しすぎだろ。」
「そうね、おまけにこの国は平和だし。治安もいいわよ。魔物もいないしこの国で餓死する人もほぼ0人。しかも娯楽もたくさんある。さらにほとんどの人は少なくとも18歳まで働く必要なし。素晴らしいでしょう?」
俺は感動した。まだ働かなくてもいいだと⁉︎素晴らしすぎるぜ。
家に帰って俺たちは今後どうするか議論した。おそらくこの世界で本物の魔法を使えるのは俺たちだけだが俺たちは魔法の存在を隠すことに決めた。俺の願望は出来るだけだらけて過ごすことで彼女の願望は目立たずに生きていくことなのですぐに決まった。
ちなみに彼女はあの世界で一年過ごしたらしいがこの世界では一週間しか経ってなかったらしい。
俺は百合子の遠い親戚ということにされ学校に行かされることになった。入学手続きは彼女の両親がしてくれたらしい。
「いやー学校行くのすごい楽しみだわ〜」
あっちの世界での学校は貴族以外行ってはいけないところだった。
「そういえばあなた算数って分かる?」
俺は堂々と答えた
「分かるわけねえ」
百合子はため息をついて、
「当たり前か……ハァ今から入学までの一週間の間で全教科叩き込むからしっかりついてきなさい。」
そこからの一週間は地獄だったとだけ言っておこう。
学校の初日登校日が来た。