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SUIT・WARS  作者: 樹木
1/2

mission:0

小説投稿初心者です。時間と端末のせいでかなり短いですが、徐々に長くしていけたらなと思っております。よろしくお願いいたします。


雨は降り続いていた。

霧がかかって不気味な森、水滴がポツポツと降り続く。まだ明け方の空は見えることはなく、雨雲と木々の葉によって遮られていた。

そんな中を一人進む人影。

ガサリ、と遠くの草陰から物音。その音に反応し、人影は身を低くしてそばの木へ隠れる。

「……狐か。」

物音の方から貼って来たのは小さな子狐、儚げなその小動物はそのまま霧の奥へと消えて行った。

人影はその体を木から剥がし、さらに前へ前へと進んでいく。

自らの任務遂行のために、死んでいった仲間たちのために。

その時である。

「居たぞ!あそこだ!」

銃声。

追手はすぐそこまで来ていたのだ。

人影ーー男は走る。

なんとしてでも、この情報を伝えなくては。なんとしてでも、あの存在を知らせなくては。

自らのずぶ濡れの戦闘服の上着を脱ぎ捨て走る。まだ死ぬわけにはいかない。

「ぐっ………!」

腕に弾丸が直撃し、直後に激痛がその腕を襲った。

「死ぬわけにはいかぬ!こんなところで!死ぬわけには!」

疾走して居た男が突如として振り返り、自らの銃を乱射する。追手はそれを見るや否や周辺の木を盾に、隠れた。

「臆病者が!そんなものを盾にするな!堂々と出てこい!」

ピンッと腰にぶら下げて居たグレネードの一つのピンを抜き、隠れたであろう木のそばへ投げる。グレネードは丁度その木の真横に飛んで行った。

ズガァン!!!

爆音。

敵がやれたかどうかはわからない。だが、怯んだことは確かである。

「くっ!」

男はまた、その身を翻し走り出した。

無線も繋がらず、仲間も死に、果てには今のでグレネードも弾薬も全てなくなってしまった。ならば出来ることはこの森から抜け、無線で情報を伝えること。それさえ、それさえ出来れば。

刹那、視界から木が消える。

「森から抜けた…!」

男はグレネードが吊り下がって居た腰とは反対に取り付けられた無線を腰から引っぺがし、今の今まで起こった事を仲間に伝える。

「ーーーを敵は開発して居ました!仲間はそれに全員やられました!」

汗だくになり、雨音で雑音混じりの情報をありったけ伝える。

「敵はーーー。!!」

ふと、目の前に見覚えのある大きな巨体が見えた。

それは木ではなく、戦車でもなく、はたまた施設でもなかった。

ただ、「それ」は佇み、こちらを見据えて居た。

「あ……あぁ……!」

『どうしたブラボー1!何があった!』

無線機からそんな怒鳴り声が聞こえとも、男にはその絶望をただ見ることしか出来なかった。


「……ロボットだ。」


ーーーーーーーーーーーーーーー


「クソッ!ブラボー1!応答しろ!ブラボー1!」

ただザーザーと雑音しか流れない無線機を殴る。またこうして、部下が消えていくのか。

「クソッ!クソッ!!クソッ!!!!」

ロボット、彼は確かにそう言った。つまり奴らは既に、戦闘用の強力な兵器を完成させたのか。ロボット?そんな夢のような話があってたまるか。

机に拳を叩きつける。

「アーヴェイ大尉、グレンデル本部よりお呼びが入りました。」

「………わかった。」

力なく腕を落とし、首を横に振る。アーヴェイ、そう呼ばれた男はただ上からの招集へ向かうのだった。



世はXX15年、世界では戦争がひっきりなしに行われ、戦争を生業とする輩まで出てくるような世に変わっていた。

そんな世界でも、二つの国、グレンデル国とガウス国という大国同士が争い合うこの戦争を世界は「新国究極戦争」などと大層な呼び名をつけ、この世で起こったもっとも大きな戦争として歴史に名を刻みつつあった。

ガウスの力は強大で、グレンデルは押されつつあるこの状況に、さらにガウスは人型戦闘用ロボットまで配備し、グレンデルを着々と追い詰めて行った。

この戦記は、押されつつあるグレンデルが開発した最新の装備から始まる。ガウスのロボットに対抗し作られた兵器。

名を「フューチャーバトルスーツ」


F.B.S




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