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前編(事件全貌編)

 初めて書いた推理小説です。ぜひ事故の原因を推理して、投稿ください。

 とある夏。7月20日の朝9時15分。山口から広島へ向かう高速道路の途中。比較的通りの少ない高速道路である。山口から広島へ向かう高速道路「中国自動車道」の途中。美祢(みね)インターから数km走ったという場所。そこで起こった謎の交通事故・・・。


 現場に駆けつけた捜査員、坂井と本田は、警官の検分に立ち会っている。


「フロントガラスの損傷が酷いですね」


 車両は日産の黒のグロリア。破損の程度から、時速約60kmで左路側帯のガードレールに衝突したものと思われる。ブレーキ痕は追い越し車線から50m続いていた。道路はゆるい左曲がり、対向2車線の高速道路である。計算上では、事故直前、この車両は時速110km以上で追い越し車線を走行していたようだ。


 負傷者の一人は助手席に座っていた女性で名前は斉藤未由(19歳)。負傷状態は比較的軽症だが、現在念のため病院で精密検査を受けている。運転していた男性、河田翔(18歳)は意識不明の重体。シートベルトを締めていなかったらしく、顔面をガラスに強打してしまったようだ。この速度にしては幸い車外に放り出されることはなかったようだが。

 

 タイヤの破損状況は軽微である。左フロントタイヤは衝突の衝撃でホイールから外れてしまっているが、タイヤそのものにバーストの痕跡はない。他3輪のタイヤの空気圧は2.6kPa(パスカル)に揃っている。 ハンドルは左に切られていた。車の前部は大きく破損している。ブレーキペダルやアクセルにはなんの異常もなかった。


「とりあえず、女性の回復を待って状況を整理しよう」


 坂井と本田は病院へ向かった。現場から約11km離れた病院に斉藤未由が入院していた。

「何が起こったのかよくわかりませんでした・・・。突然私の目の前で何かが光ったと思ったら、真っ暗になって、すごい音がして、それに驚いて・・・。彼はハンドルを左へ切って・・・そのままドンってぶつかって・・・・・・。気づいたら彼が血を流してて・・・とても怖かった」


 坂井は考える。目の前で光ったものは一体何だろうか。それが一つの原因とも言える。しかし通常、このように他の車両の絡んでいない事故の責任は運転手自身にあると言っていい。その旨を彼女に告げると、彼女はすこし不機嫌そうな目をして言う。


「・・・彼に整備不良とかそういう過失はぜったいありません。彼は高速道路にのる直前、熱心に車の状態をチェックしていました。美祢(みね)のガソリンスタンドでウォッシャーの液も入れてもらってたし、タイヤに空気も入れてもらってた。エンジンオイルだってキレイだったらしいって言ってたし・・・」


 翌日、再度現場に向かう坂井と本田。


 事故車両はもう運ばれていたが、広範囲に散らばったガラスの破片が事故の悲惨さを物語る。あれだけ熱心に整備を受けていたわけだから、車両に問題があったとは思えない。問題はやはり、彼女の言う謎の光。現場から周囲を見渡すと、そこには光るものなど何もない。ただこれから始まる夏の日差しと本田の頭が、さんさんと輝いているだけだった。

後編として事件解決編を後日書きます。事故の原因の種明かしという事で、かなり簡潔なものになる予定です。それまで推理をお楽しみ下さい。

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