おかーちゃんの為ならえーんやこーら 前編
前話のあとがきに、次の依頼に進むって言ったな?
あれは後だ
俺がアリスに告って三日目、そう、あの日以来ずっとあの部屋で、契約とかいろいろやってたら、いつの間にか三日経ってた・・・つまり、今日が家事手伝いの依頼の最終日なわけだ
で、今何をしているのかと言うと
脱いでいた服を着なおして、俺の膝の上に座ってべったり状態
ただ違うのは、場所がアリスの書斎であることと、アリスは何とか理性を保っていると言うところか
そして、後の為に知らねばならないことがあったので、アリスに教えてもらっていた
地理然り、教団のあれこれ然り、アリスの状況然り、いろいろ教えて欲しいと言ったら満面の笑みで抱きつかれ、教えてもらえることとなった。
まず教団の事を知るにあたって、地理関係の事を知らなければならず、一番初めにソレを学んだ。
まず始めに言われたことは、俺の知っている国はもう1600年前に全て滅び、当然の如く俺達が生まれ育った故郷も既に無くなっており、2000年前から残っていると確認されているのは、既に此処だけだと言われた。
故郷が無くなったと聞かされた時、ああやっぱりか、としか思わなかった。
確かに、沢山の思い出が詰まっていた故郷が無くなったのは寂しいが、それだけだった。
今は知らねばならない事が山ほどある。故郷に思いをはせるのは、後でいくらでも出来るのだ
俺の膝の上に座っているアリスに、心配そうな表情で「大丈夫?今にも泣きそうな顔をしてるよ」と言われたが、問題ないとだけ答え、地理の話に戻った。
まずは此処、迷宮遺跡都市・プレイヤについて
この都市の呼び方はいくつか有り
学園都市、遺跡都市、商業都市、迷宮都市、冒険者楽土 と、色々ある。
この都市は4つの大国の丁度中心点に有り、何処の国にも属していない中立不可侵領域なのだとか
発見された当時、この街に眠っていると思われる
あるかどうかもわからない遺失技術や聖遺物などをめぐって
教国以外の三国が争っていたのだが、当時の法皇がキレて単独で出陣。
キレた法皇自ら戦場に突っ込み調停した。
その後は四大国同士の会談で中立不可侵領域という事で落ち着き
不可侵の証として、この都市には四大国協同で巨大な学園が立てられた。
現地はもちろん、所属国家男女身分関係なく、学ぶ意思があるならば誰でも入学できるため
生徒の数はとてつもなく多く、それに比例するように各国から多くの教員が派遣されている。
ちなみに現地からは冒険者が依頼で臨時教師をしたり、そのまま教師になったりもする。
学生視点からすれば憧れとロマンの詰まった晴れ舞台であり
教員等の大人の視点からすれば、他国との人員の質を比べる、ある意味戦場のような場所である
さらに昔のこの街ほどとまではいかないが、四大国から沢山の商人が集まる街としても賑わっている
【伝承時代】のこの街の名前は「商業都市・クラウニーベル」
俺がこの時代で初めて目を覚ました時に居た場所
オルクラウ大聖堂跡地も、この街の中にあったのだが
今ではその周辺の建物は無くなっており、この街とは完全に切り離されている状態にある
次に【教会】の総本山、このプレイヤの街から北にあるプレイヤーズ教国領
首都の名前がプレイヤーズ。プレイヤーマニアの国
【伝承時代《2000年前》】当時に作られ、現在ではその製法も解読技術も失われたモノを聖遺物と呼び、【最優先保護指定】として捜し求め、見つけては【保護】しているらしい
現在では二つの宗派が存在し、互いに派閥を作って水面下で対立しては争っている
伝承時代当時、自らをプレイヤーと呼び、様々な伝説や逸話を残した偉人達は、ある日を境に姿を消した。
当時少年だった初代法皇が、ある日を境に姿を消した【偉人達】の軌跡を追って各地を旅し、現地住民達の伝承や、吟遊詩人たちの詩を聞いていくうちに、語られている偉人達は、その悉くが異世界に行って終わっていたり、神域と呼ばれ、神々の居わす世界に向かった事を知る。
そして今度は聞いて回った伝承を繋げ、いくつかの物語として書いていくうちに助手として追従するものが増え、何時しか巨大な宗教組織となっていたのがこの国の始まりとされている。
初代法皇が書いた本は魔法で手厚く保護されており、現在に至るまで破損する事無く
法皇に即位する時に、先代から次代に手渡され、一種の王冠のような役割を果たしている。
異種族に対して差別があるかと言えばそうでもなく、扱いはいたって良好。
理由としては、過去の偉人達の中にも獣人種や妖精種と言った異種族が居たからである
とは言え優遇されていると言うこともなく、罪を犯せば罰せられるので、あくまで人間と同じ扱い
異種族同士で結婚し、子を成す例も、他の三国と比べれば格段に多い。
ちなみに一番多いのは「迷宮遺跡都市・プレイヤ」
一番多い理由を強いてあげるとすれば、やはり学園での恋愛から結婚に至る例だろう
男女問わず、ある種の憧れや浪漫の巣窟で、所謂晴れ舞台のような場所
学ぶことも多く、その中には実戦演習等と言った生存本能を擽る行事も盛りだくさんなので
そういった機会が他と比べて多いと推測できる。
四大国全土から身分を問わず生徒を募集しているため生徒数が多いと言うこともあり、ますますそれに拍車が掛かっている。
この国からさらに北に進み、海を越えた先にある白銀の島と呼ばれる場所では、ある時期になると太陽が沈まなくなる不思議な現象を観測することが出来る。
因みにアリスは、所謂【法皇マジギレ事件】にかかわっており、当時後先考えずに突っ込んでガス欠を起したおバカを助けて以来、皇族とは友好関係にあり、皇族に魔法を教えるバイトをして居るらしい。
とは言え、自身の全てを叩き込むと言うのではなく、あくまで一人前程度に止めている様ではある。
次に、このプレイヤの街から南にある、ハーニア王国領
広大な砂漠の先にある国。
それだけ聞くと住み難そうな国なのだが
あくまで砂漠の先にあるというだけで、砂漠に住んでいるわけではない。
海沿いの方にある首都は常夏で、観光地としては快適で住みやすく
まさに南国の楽園と言ったところ。
そこでしか味わえない食べ物も多く、態々砂漠を越えてまで食べに行こうとする冒険者も多い。
魔道滑走船と言う砂の上を走る船で砂漠を行き来できるらしい。
また、砂漠の何処かに伝承時代のにあった国の遺跡があるとか。
次は、このプレイヤの街から西にある、エスト王国領
広大な山脈の中に在る国。
山に囲まれているため、飲み物や食べ物に恵まれているのだが
その分危険な竜種や魔物、さらに動物がゴロゴロしている。
都市や街を、主に竜種から守り生活を支えている者を【ハンター】と言う。
繁殖期になると、竜種の群れが棲みつくこともあって、対空技術が高く
さらには【最下級竜種】を養殖し、騎乗出来るように育てたりもするため、航空技術も高い。
現在では、自分のワイバーンの子供を自分の子供の5歳の誕生日に会わせ、相棒として共に生活すると言う風習があり、竜種に騎乗する事は珍しくなく、この国出身の冒険者は大抵輸送屋として活躍する事が多く、輸送専門のワイバーン乗り集団や、空戦専門のワイバーン乗り集団も存在し、重宝されている。
最後に、プレイヤの街から東にある、天津日国領
この国は何処か異世界めいた独特な雰囲気を持っている。
魔法技術もさることながら、反りのある片刃剣、所謂刀が主流であったり
建築物の雰囲気も他の三国からかけ離れていたり。
さらには武士、此方で言う騎士に良く似た職業がある。
そして、鬼、禍ツ者、妖怪と言った、この国だけの魔物の種が生息している。
俺が知る限り、妖怪と呼ばれる魔物には、人と共存する者も居たが、現在では不明である。
因みに俺はこの地に行った事があり、伝承時代のと付くが、この地の魔法を含めた様々な技術も習得済みだったりする。
さらに注目すべきところは数十年に一度に発生する、百鬼夜行と呼ばれる魔物達の大宴会のようなものだ
見るだけなら、【夜にを薄く照らす火の行列が見えて綺麗だ】ですむが、その行列に参加しようものならよほどの実力がない限り【喰われて死ぬ】か【異界に連れ去られて永遠に帰ってこれなくなる】と言われている。
当時そんなことを知らなかった俺は、この列に故郷の酒を持って参加したことがあり、酒好きの鬼と飲み比べで勝負し、なんとか勝利して連れ去られずに帰ることが出来た。
そのことを現地の知り合いに話したら、目の前に居るにもかかわらず生死を疑われ、次に百鬼夜行の事を知らされ、大いに驚いた思い出がある。
だが、この地で一番思い出に残ったのは【おかーちゃんの為ならえーんやこーら おとーちゃんの為ならえーんやこーら】と言う歌だ。
この地での旅仲間のおっさんが力仕事をしている時に、いつも歌っていた。
そのおっさんと一緒に作業しているうちに
いつの間にか俺とアリスもその歌を歌っていたので、とても印象強く残っている
首都と言うか、本土は、海を超えた先の、島にしては巨大な島全体で、名を【高天原】と言う。
以上、この街の周囲の大まかな国と地理は理解した。
で、いざ教会のことを聞いたみたが
アリスが知っている教会の事は、さっきので全て話しちゃったらしい。
「だって、興味なかったんだもん・・・」
少し拗ねたような口ぶりで頬を膨らませながらそっぽを向いた。
・・・うん、可愛いから許す。
鼻から愛情が溢れ出そうになったが、なんとか気合で耐えた
・・・なるほどコレが=俺=の知識の中にある、萌えと言うヤツか、なかなか手ごわい。
閑話休題
メインイベント?を始めようと思う。
アリスはこの三日間で【身体に付与した術式が歪んだ】→【予想外の若返り】→【力の強すぎる存在との契約】
とまぁ、身体にとんでもない負荷を掛けたわけで、丁度安定しているようだから経過を見る事にした。
アリスに解析するぞと伝えるべきなんだろうけど
それで心配させまいと身体の不調を隠されても困るので、ひっそりとやろうと思う。
では早速【――解・析――!】
「ひゃっ!」
―――――――――。
アリス・ディグリム
職業:魔法使い
lv4600
HP99999999/99999999(表示限界値)
MP99999999/99999999(表示限界値)
力:99999 (表示限界値)
耐久:99999 (表示限界値)
俊敏:99999 (表示限界値)
魔力:99999 (表示限界値)
精神力:―― (Error)
身体的健康状態:急激な若返りによる感覚のズレ有はあるが、状態は【いたって健康】
精神面に問題有:発狂してから既に1990年の年月が経過している。
そのため、状態が【一周】し、正常に見えるだけであり、非常に危険。
職業ゆえに魔法による治療は逆効果 確実に【反転】し、暴走する危険性有り。
魔法の類に頼らない長期の治療を推奨
あることが切欠で、特定人物が相手の場合のみ、かなり脆くなっている。
家の中で特定人物から5M以上離れると、身体が震えて動けなくなり、情緒が不安定になる。
【アクロ】との契約による【存在強化】でステータスの大幅上昇を確認。
ERROR:精神力の数値が計測できません
スキル関連
不老不死
老いることも死ぬこともなく
ある意味、種の完成系であるため
生殖能力が極端に低下している。
よく訓練された美少女
摂取した物を一切残さず栄養として吸収し、健康状態を維持する
毒物すら栄養として転換し吸収するこの秘術で
排泄と言う無粋なものとは永久にさよならできることに加え
肌の年齢を若返らせ、スタイルすらも最適な状態で整える。
副次的な効果として、自分の意思でスリーサイズを自由に変更できる
ただし身長は縮めることも伸ばすこともできない。
精神状態無視
どれだけ気が触れていようと、正確に魔法が使える。
理外の精神力(仮)
アクロとの契約によるアシストにより得た仮初の力(契約が切れればこの能力は消滅する)
本来アリスが至るはずの境地だったものだが、発狂してしまったために、終ぞ至る事はなかった。
絶望と狂気と狂喜と希望と特定人物への愛情と恋心が入り混じったナニカを煮詰めてかき混ぜてさらに煮詰めたようなモノでなんとか理性を保っている状態。
本来ならただの着火魔法ですら世界の半分を焼き尽くすほどに強化するはずなのだが
強化に使うはずの容量の殆どが理性を保つために使われているため、
ちょっと精度が上がる程度に収まっている。
魔法~~――――
・・・ぅゎぁ・・・思ったよりギリギリだった。
ふと気付くと、アリスはそっぽを向くのを止め、少し怒ったような表情で俺を見ていた。
「・・・むぅ・・・今、見たよね?」
もしかしなくとも、気付いていらっしゃったようです。
あぁ、そういえば、【深く視る】と、変な感触を感じるんだった うっかりしていた
「ごめん、いろいろ無理させちまったから心配で・・・」
怒った表情はかわらず、しかし怒った雰囲気が一気に消し飛んだ。
心なしか若干口角が上がっているように見える。
「アクロが私の心配なんて珍しいからちょっと新鮮でうれしい・・・けど許さない、私だけ見せてアクロは見せないだなんて、不公平だよ」
ああこれは、何かたくらんでるな・・・そんな雰囲気を感じる。
「あ~、うん・・・そうだな・・・や、やさしくしてね?―――とでも言っておくべきか?」
微妙な視線をむけられた。
流石に今のはなかったか。
「・・・やだ可愛い・・・」
頬を赤く染め、恍惚な表情でそう言われた。
えっ
「えっ」
アリス的にはアリなのか・・・?今の・・・?
「・・・な、なんでもない、いい?見るからね?ダメって言っても拒否なんかさせないから」
ハっとした様子で我に返り、慌てて姿勢を正した。
声を出す間もなく解析の魔法を掛けられ、背中に妙な感覚が奔る。
危うく変な声を出しかけたが、なんとか我慢できた。
―――――――――
―――――――
―――――
―――
―
――有り得ない、何、コレ・・・――
彼に解析の魔法を掛けて、彼の状態を見た、私の素直な感想
名前:アクロ
種族
人間族→神格持ち→理外の存在
外見見た目
黒髪黒目
肌は白い
25歳前後
身長約186
LV5200
HP99999999/99999999(表示限界値)
MP99999999/99999999(表示限界値)
力:99999 (表示限界値)
耐久:99999 (表示限界値)
俊敏:99999 (表示限界値)
魔力:99999 (表示限界値)
精神力:99999(表示限界値)
状態:健康 不老 絶対不死
装備
装飾 :能力隠しの指輪
主武器 :AKUROのバスタードソード
副武器 :AKUROのタスラム(二丁)
上 :旅人の服
下 :旅人のズボン
足 :旅人の靴
称号
理外の存在
殺せない筈の存在を殺した者の証
自分を世界の理の外側に置くことが出来る
神殺し
神の類を殺し回った者の証
神相手の戦闘で有利になる
竜殺し
竜種を全種倒したものの証
竜種相手の戦闘で有利になる
竜騎士
称号名は竜騎士だが、この【竜】の部分は階級を示すもの。
およそ乗れるものなら何でも乗りこなせる
召還もしくは装備で呼び出し、階級に合ったモノに騎乗出来る。
【馬】<【狼】<【熊】<【大】<【魔】<【竜】
伝説の鍛冶師
銃、刀剣、槍の類の製造位階最上位【神域】開放
【粗悪】<【一般】<【良質】<【業物】<【唯一】<【秘伝】<【伝説】<【秘奥】<【神域】
技術/能力
武具使用 熟練度 極
あらゆる武器での戦闘が出来る
徒手戦闘の極 熟練度 極
殴る蹴るなどの暴行による戦闘で理想的な動きが出来る
重力負荷無効
高速移動による重力負荷を無効化する
飛刃 熟練度 極
斬撃を飛ばす。
込める力が多ければ多いほど強くなる
居合い 熟練度 極
納刀状態から鞘を使って一気に加速させ、神速の一閃を放つ
不殺 熟練度 極
手加減を意識して放った攻撃は何であれ、相手に当たっても何故か死なない
メテオ 熟練度 極
隕石を落とす魔術
熟練度が高ければ高いほど大きさが増し、極めれば雨のように降らせることが出来る
能力付与 熟練度 極
あらゆる物に能力を付与できる
人間や動物といった存在には、補助くらいしか出来ない。
極めると、概念すら瞬時に付与できるようになる。
太極陰陽術 熟練度 極
火水木金土陰陽全ての属性の術が行使できる。
全ての属性を高水準高密度で同時行使すると・・・?
神威(斬/打)(計測不能)
【理外の理】とも言う
現在に至るまで求め研磨し続けた力の集大成
【斬る】ことと、殴る蹴るの暴行が神域に至っている証明
全力で振るうそれは、もはや斬るとか殴るとか蹴るでは説明できない理不尽なナニカ
意識切り替え 熟練度 極
気配遮断の上位互換
意識を切り替えることで気配を自然そのものと完全同化させる。
他にも、のんびりまったり非戦闘時意識から、殺意駄々漏れの戦闘意識に即時切り替ができる。
召還術 熟練度 極
契約した存在を呼び出すことが出来る。
召還契約も召還術の内
翻訳魔法 熟練度 極
使用する言語が違う相手と会話を成立させる魔法。
極まると木々とすら会話できるようになる
戦闘技術ランク
――
もはや存在自体が理不尽なナニカで構成されており、神々と魔王が一致団結し、隊列を成して襲ってこようとも塵を払う程度の労力で殲滅できる
高水準聖遺物詳細
・AKUROのバスタードソード
位階:【秘伝】
アクロが造ったバスタードソード
成体の上位火竜の頭蓋骨すら一撃で切断する
・AKUROのタスラム(魔道式拳銃)
位階:【唯一】
正式名称:タスラム=ブリューナク
神槍ブリューナクの伝承の側面の一つ。
【石灰と敵の脳髄をこねあわせて作り、投石具を使って敵にたたきつけた時の軌跡が槍に見えた】
と言う説を少々アレンジして再現したもの。
見た目は普通の拳銃で銃口は一つだが、一度の発砲で5発同時に弾丸が光速で射出され
敵の血を吸っていく度に弾丸の誘導性と破壊力が増していく
能力隠しの指輪
この指輪の能力と、装備者の能力数値を偽造する
この指輪を解析しても、普通の指輪と認識されるようになっており
現在は装備者の能力値偽造はlv30相等に設定されている。
条件を満たすと、本来の状態を見ることが出来るようになっている。
―――――――。
――違う意味で危ない――
もっと常識と言うものを教えるべきかな
衣服はともかく、武器が危険すぎる
教会の人間達の解析魔法では実力が違いすぎて見れないのだろうけど
異能持ちや、解析器具を持ち出されたらちょっと厄介ね・・・
あ、そうだ!この際だから一緒に買い物に行くことにしよう!
――そうと決まれば――
・・・ちょっと緊張するけど・・・
声、裏返ってないかな・・・?
「―――ねぇ」
緊張してか、ちょっと声が堅かった・・・
だからか、彼は少しビクリとして
「な、何でありましょうかおぜうさま」
とても緊張しながら、恐る恐るといった感じで返事をした。
――身体は彼のほうが大きいけど、偶に小動物みたいになって可愛い――
んんっ・・・本題に入らないと・・・
「い、一緒に、鍛冶屋で買い物しに行こう?そしたら許してあげる」
よ、よし、いえた!
やったね私!――頑張ったね私!――
「あ、はい」
お互いこういうことに関しては初心らしい
私は自分の顔が赤くなっていることを自覚しているし、彼の顔もほんのり赤く染まっていた。
―――――――――
―――――――
―――――
―――
―
アリスが着ている服のボタンが全て取れているのに気付いたのは、着替えようと部屋に戻る時だった。
抱き上げて立った時に服が肌蹴て、危険なエロさがあって少しクラっときたのは秘密にしておく。
俺はロリコンじゃない、好きになったのが偶然ロリババァだっただけだッ!!―よし理論武装完了
若返っているのだから服のサイズも合わないだろうと思い、便利空間から服を一式取り出した。
その服の名を【戦巫女服】と言い、2000年前の由緒正しい?技術を存分に使い込み
どこぞの野郎の妄想によって魔改造された【戦装束】である
そのまま戦闘もこなせる優れもので、着る者の身体に合わせて大きくなったり小さくなったりする。
いくらアリス本人が強いとは言え、念には念をと言うことで・・・
そんな俺の考えとは別に、アリスはこの装束を懐かしそうに、しかし申し訳なさそうな表情で見ていた
さぞ懐かしかろう、着たかろう、さぁ、存分に着るが良い・・・おっといかん、鼻から血が
「・・・着方忘れちゃったから着るの手伝って」
・・・そう来たかぁ・・・
「判った、じゃあまず足袋を―――」
―――――――――
―――――――
「あ、アクロが今持ってる武器、多分全部聖遺物判定うけるから」
「マジで!?見た目普通の剣だろう?」
「抜き打ちみたいに解析とかされるから」
「なるほど、仕舞っとこう・・・ん、次はこの【白衣】ってやつをだな――」
―――――
―――ロリババァお着替え中―――
―――
―
name:アリス・ディグリム
装備
装飾:なし
上 :普通のパジャマ【破損】
下 :普通のパジャマ
脚 :なし
足 :ニーソックス
着替えたら↓こうなった
装飾 :狐の面(頭に掛けているだけで【能力隠しの指輪】と同じ効果が発揮される。)
上(内) :加護付きの白い襦袢(装備の重さを軽減する。ブラジャーとかそんな感じの扱い。)
上(外) :防刃の白衣(【はくい】ではなく【びゃくえ】襦袢の上に着ている)
手 :東龍の黒手甲(東の国に棲むと言われている龍の薄い皮と鱗で作られた手甲)
下 :緋色の裁付袴(簡単に言えば、ズボン状の袴をさらに動きやすくした物)
脚 :東龍の脚伴(耐久性に優れた脚伴。袴の裾の上から着ける。赤く縁取りされた白)
足1 :足袋(【たび】。靴下のようなもの。色は白)
足2 :疾風の草鞋(どれほどの速さで走っても消耗しない不思議な草鞋)
「――よし、これで全部か」
ふぅ、いい汗かいた―――
もう一度確り見て、ズレが無いかを確認し、これと言ってズレも無かった。
さて、身だしなみは整えた、お金も持った、ハンカチも持ったし、武器も仕舞った
準備完了、あとは外に出て戸締りするだけだ。
「行こう、アクロ」
アリスは笑顔でそう言うや否や、俺の手を取って引っ張って外へと向かう
「お、おう」
いきなり手を引っ張られ俺は少しよろけたが、何とか持ち直して付いていった
・・・まぁ、楽しそうでなによりだ。
つづく
正直自信ない。
後編はまだ下書きも書いてない・・・どうしよう
いろいろ矛盾点あるかもですがまぁ気にせず流してください。