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箱庭  作者: ゆうとんかち
4/6

歪んだ愛の理由

ヤンデレ⚠️

夕暮れの校庭。

 部活の声も遠く、校舎の影が長く伸びている。

 隼人はベンチに座り、両隣の二人を見た。

 紬とエマ。

 いつもの距離。近すぎる距離。

「……なあ」

 二人が同時に顔を向ける。

「どうして、お前らは――」

 言葉が詰まる。

 でも、言わなければいけない気がした。

「なんで、そんなに俺にこだわるんだ」

 風が止まった気がした。

 紬は少しだけ目を伏せ、

 エマは静かに瞬きをする。

 最初に口を開いたのは紬だった。

「だって、隼人は私の全部だから」

 あまりにも自然な声だった。

「小さい頃からずっと一緒だったでしょ。

 隼人が笑うと嬉しかったし、泣くと苦しかった」

 紬は手を伸ばし、隼人の袖をつまむ。

「でもね、小学校のとき……

 隼人が他の子と遊んでるの見たとき、

 胸がすごく痛かったの」

 笑っているのに、目が笑っていない。

「そのとき思った。

 ああ、この人は私だけのものじゃないんだって」

 一瞬、指先に力がこもる。

「だから、奪われないようにしなきゃって」

 静かな声。

 冗談みたいに優しいのに、底が見えない。

 次に、エマが口を開く。

「私はね、最初から一人だった」

 日本語は流暢なのに、どこか寂しさが混じる。

「どこに行っても、浮いてて。

 友達もできなくて」

 隼人の方を見る。

「でも隼人だけは、普通に話してくれた。

 特別扱いもしなかったし、避けもしなかった」

 エマは微笑む。

「だから思ったの。

 この人だけは、絶対に失いたくないって」

 手が、隼人の手に重なる。

「一度好きになったら、

 もうそれ以外いらないの」

 隼人は言葉を失う。

 理解できる。

 でも、理解してはいけない気もする。

「……重いって思った?」

 エマが首を傾げる。

 紬も静かに見つめている。

 逃げ場がない。

「いや……」

 否定しきれない自分が怖い。

 そのとき、紬が小さく笑った。

「大丈夫だよ」

 耳元で囁く。

「隼人は、私たちから離れられないから」

 反対側で、エマも微笑む。

「三人だけで十分だよね」

 夕日が沈み、校庭が暗くなる。

 その瞬間、隼人は確信した。

 これは告白じゃない。

 約束でもない。

 ――宣言だ。

 逃げ道は、もうない。

5話目も、一緒に作ったのであとですぐ、出します。もしよろしければ感想などもよろしくお願いします。

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