三人の距離
ヤンデレ注意⚠️
第2話「三人の距離」
学校までの道は、昔と変わっていなかった。
住宅街を抜けて、坂を下りて、踏切を渡る。
小学生の頃、三人で毎日歩いた道。
ただ一つ違うのは、並び方だった。
隼人の右に紬。
左にエマ。
まるで逃げ道を塞がれているみたいだ、と
ふと思った自分に苦笑する。
「何?」
紬が聞いた。
「いや、別に」
昔は、こんなに言葉を選ばなかった気がする。
エマがくすっと笑う。
「隼人、落ち着かない顔してる」
「してない」
「してる」
距離が近い。
エマは昔より背が伸びていて、
覗き込まれると視線の逃げ場がない。
「二人とも、近い」
「そう?」
「普通」
普通じゃない。
周りの視線が痛い。
校門に近づくにつれて、ひそひそ声が増える。
「あの金髪の子って…」
「転校生?」
「隼人と一緒にいる」
居心地が悪い。
教室に入ると、さらに視線が集中した。
エマが隣の席に座る。
紬は後ろの席を当然のように確保する。
――逃げ場がない。
「今日も一緒に帰ろう」
エマが言う。
「部活ある」
紬が即答する。
「終わるまで待つ」
「遅くなる」
「待つ」
なぜ張り合っているのか分からない。
でも、どちらも譲らない。
昼休み。
購買に行こうと席を立った瞬間、
両腕を掴まれた。
「私も行く」
「私も」
左右から。
「一人で行けるって」
「ダメ」
声が重なる。
その瞬間、
周囲が静かになった気がした。
まるで、ここだけ切り取られたみたいに。
――箱の中。
そんな言葉が浮かぶ。
放課後。
校門を出たとき、
隼人は気づいた。
誰とも目が合わない。
クラスメイトが、教師が、
まるで自分たちを避けるように視線を逸らしている。
「なあ」
思わず口にする。
「なんか今日、おかしくないか」
二人は顔を見合わせる。
「何が?」
エマが首を傾げる。
「普通だけど」
紬が言う。
普通じゃない。
でも、言葉にできない。
気のせいだと思いたかった。
そのとき、
紬がふいに隼人の袖を掴んだ。
「ねえ」
「ん?」
「もしさ」
朝と同じ声。
「ここから出られなくなったらどうする?」
今度は冗談だと分かった。
分かったはずなのに。
なぜか背筋が冷えた。
振り向くと、
二人とも笑っていた。
優しく、
逃げ場がないくらい近くで。
――この世界は、三人だけで十分。
そう言われた気がした。
その日、隼人は初めて思った。
もしかして、自分はもう
外側には戻れないんじゃないか、と。
連続でもともと3話目ぐらいまで作ってて、それをメモして、これに書いてたんですけど、1話目の、時に言ったように、国語苦手なので、文がおかしいところあったらご指摘お願いします。




