ep.9チームの分裂
個々の努力が続いていたが、ある日、練習中にチームの連携が乱れ始めたことに気づいた。翔太も田中も美咲も、それぞれが自分の課題に集中するあまり、チーム全体での練習が疎かになっていたのだ。
練習試合では、互いの動きを感じ取り、連携してプレーすることが必要だったが、最近の練習では、みんなが個人練習に集中しているため、チームとしてのまとまりが薄れていた。翔太はこの状況をどう改善すればいいのか悩んでいたが、答えは見つからないままだった。
ある日の練習中、ついに緊張が爆発した。田中がゴール下でボールを受けたが、翔太のタイミングの合わないパスでミスが発生した。田中は苛立ちを隠せず、「お前、もっとちゃんとパスしろよ!」と声を荒げた。
翔太もすぐに反応し、「俺だって一生懸命やってるんだ!お前がちゃんと動けてないんだろ!」と反論した。二人の間で口論が激しくなり、チームメイトたちは戸惑いながら見守っていた。結局、練習は中断され、部員たちは散り散りになって帰ってしまった。
「こんなんじゃダメだ…」翔太は自分の無力さを痛感し、部室で一人、頭を抱えた。
翌日、翔太はリーダーとしてチームを立て直すための決断を下した。練習前に全員を集め、静かに口を開いた。
「みんな、俺たち、最近チームとしての練習をしてなかったよな。確かに個人練習も大事だ。でも、それだけじゃ勝てない。チーム全体が強くならないと意味がないんだ。」
その言葉に、田中も美咲も静かに頷いた。翔太は続けて、「だから、これからはチーム練習をもっと増やして、全員で一つの目標に向かって頑張ろう。俺たち、まだ強くなれるはずだ。」と言い切った。
翔太の決意が伝わり、チームの雰囲気は一気に変わった。今度の練習では、互いに声をかけ合い、助け合いながらプレーする姿が見られた。チームとしてのまとまりが再び戻り、全員が同じ目標に向かって努力を重ねるようになった。
「これで、次の試合は勝てるかもしれない。」翔太は心の中でそう確信し、再び目標に向かって突き進む決意を固めた。