ep.4挫折と誓い
試合が終わった後、翔太は足取り重く部室に向かった。試合中の自分のプレーが頭の中で何度も繰り返される。ミスばかりの自分と、圧倒的な強さを誇る相手チーム。その差を痛感した翔太は、次第に悔しさと焦りがこみ上げてくる。自分がもっと強ければ、仲間をもっと引っ張れたら、こんな負け方はしなかったのではないか。そんな後悔が胸を締めつけた。
部室に入ると、他の部員たちも皆無言だった。敗北の重さがそれぞれの表情に色濃く刻まれている。田中は無表情だったが、冷静さの裏に苛立ちが垣間見える。翔太はその沈黙を破るように、口を開いた。
「俺たち、このままじゃダメだ…もっと練習しないと、勝てるわけがない。」
その言葉は、チーム全体に響いた。誰も反論しない。負けた事実を誰よりも痛感しているのは、チームの一員である自分たち自身だった。
「もっと強くならなきゃ、次も負ける…もうこんな思いはしたくない。次は絶対に勝とう。」
翔太の決意が言葉に乗り、周りに広がっていく。田中もその瞳を真剣な光に変えて、静かに頷いた。翔太は自分に誓った。「次こそは必ず勝つ。俺たちは、ここからもっと強くなれるんだ」と。
翌日から、練習はこれまでとはまったく違うものになった。翔太は田中と相談し、徹底的に弱点を克服するためのトレーニングメニューを考えた。田中はリバウンドとポストプレイの強化、翔太はハンドリングとシュート精度の向上を重点に置き、練習に取り組んだ。他の部員たちも次第にそのペースについていき、チーム全体が「勝ちたい」という気持ちで一つになっていった。
「これが、本当のスタートだ…」翔太はそう感じながら、コートに響くボールの音に耳を澄ませた。