表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

ep1.弱小バスケ部への入部

「これが高校か…」佐藤翔太は自転車を降り、校門の前で一息ついた。地元では特に有名でもないが、自分の高校生活がここから始まると考えると胸が高鳴る。翔太には夢があった。それはバスケットボールでチームを率いて勝利をつかむこと。中学時代、バスケ部に所属していたがレギュラーになれず、悔しさを噛みしめた毎日だった。そのリベンジを高校で果たしたいという強い思いがあった。


入学式が終わり、部活動の勧誘が始まると、翔太は早速バスケ部のブースへ足を運んだ。しかし、驚いたことにブースは小さく、部員もほとんどいない。翔太はためらいながらも、声をかけた。「バスケ部、見学したいんですけど…」


返ってきたのは少し驚いた声だった。「え、入部希望者?今、うちのバスケ部、ほとんど活動してないんだよな…」部員らしき先輩はため息をつきながら説明する。「人数が足りなくて、練習試合もろくにできないんだ。今いるのは3人くらいで、ほぼ幽霊部だよ。」


それでも翔太は引き下がらなかった。「大丈夫です。僕、入ります!」中学での悔しさを晴らすため、どうしてもバスケをやりたいという強い意志があった。部員の少なさなど気にせず、ただバスケをしたい。その情熱が翔太を突き動かしていた。


「そうか…じゃあ、明日の放課後に体育館に来てくれ。とりあえず顔を合わせて練習しようか。」先輩は軽い口調だったが、どこか嬉しそうに見えた。


翌日、翔太は放課後の体育館へ向かった。体育館の中は静かで、バスケのゴールが寂しく佇んでいる。数名の部員が準備をしているが、全員あまりやる気がなさそうだ。翔太は内心「こんな状態で本当に大丈夫なのか」と不安を感じたが、それでもボールを手に取り、シュート練習を始めた。


シュートを何本か打っていると、一人の長身の男子が入ってきた。彼は翔太を見て、軽く頷いた。「お前が新入部員か?俺は田中大輝、今日からここに入る。」彼は自信に満ちた表情で言った。


「よろしくお願いします!」翔太は握手を求め、田中の手を握り返した。この出会いが、後にバスケ部の運命を大きく変えることになるとは、まだ誰も知らなかった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ