魔神ちゃん止まって!!設定:ミタル・ウィフオンス山
基本名前がやや長いので多くの者は「ウィフオンス山」と省略して呼ぶことが多い。
王都近郊にあるンルルファルタの森を抜けた先にそびえる山。
標高は1770ヒユワン=2743.5m
三合目より上は権限が無ければ上ることはできない。
三合目以下にある一部の洞窟でも権限が必要なところがいくつかあり、そのうちの一つに「プネウマシュルー洞窟うう」がある。「プネウマシュルー洞窟うう」までが名称で、名づけは探求の魔女だ。そのとき泥酔状態であったことは秘匿されているが、皆察しているためほぼ周知と言っても良いだろう。しかし探求の魔女は酒に強く、さらにはそのとき酒を飲んでいたわけではないので、間接的な関係者は疑問を抱いている。
その実情は、高密度のマナ空間に防衛魔術を使用せず長時間いたことによる軽度のマナ酔いが原因である。この程度で済んでいるのは探求の魔女がかなりの術師であることの証左でもあった。
権限が必要な三合目以下の洞窟は高濃度のマナが満ちており、魔術の知識が深い者でなければ術の暴発などを起こしかねない環境となっている。万が一洞窟が魔術の暴発で崩れ、生き埋めになったりしないよう、魔術や魔道具などの扱いに長けている一部のものだけが入るよう規制がされている。
四合目以上に規制がかけられている理由はいくつかある。
「高すぎて危ない」:なんとこの山には休憩所が無い
「配達の邪魔になる」:エルフの配達拠点がある
「高濃度マナが山肌を覆っている」:洞窟などから漏れ出す高い含有のマナ冷気によって人体に影響を及ぼす
等、いくつもの問題をクリアできる者のみが足を踏み入れることを許される。
ここで一つ上がった「エルフの配達」について少し記載しておく。
空に住むエルフは、その繊細かつ強い魔術的素質のみによって、多くの種族と協力したくとも、うまく関わることができなかった。
体は貧弱、魔力は膨大。「繊細な火薬」と控えめに呼ばれるその種族は、協力して生きていきたいものの、どうしたらいいかを考えた。そこで思いついたのが『遥か空に居住をし、その立地を生かして長距離弾道ミサイルが如く配達を行う』ことだった。繊細な梱包魔術はどれだけの衝撃でも破壊されず、中身に一切の影響を与えない。そして、その射出は膨大な魔力があってこそ為せるトンデモ無い技術。その技術によって、この世界のいたるところに瞬時にお届けができるというわけだ。
しかし一つ問題があった、それは「どうやってエルフに届けたいものを依頼し、受け渡すのか」だ。
その解決のために、地上の比較的高所から空にいるエルフの居住空島、「エルフェン」に打ち上げるという方法を取った。
この理由から、この『ミタルウィフオンス山』の三合目より上には安全の観点から「射出魔術に干渉しない防衛魔術を扱える者」、そのうえ洞窟に入りたい場合には「繊細な魔術の技術と知識を備える者」、最後に「山頂に、特定の人物から許可を得た者以外を通さない者」の三つの要件をそれぞれの場所で満たしている必要がある。
要件を満たした権限所持者を「緻者」、「精術緻識」、「智細賢将」と呼ぶ。称号と捉える場合もある。
それぞれの権限と、満たすべき要件をまとめると以下となる。
1.「繊細な魔術の技術と知識を備える者」
⇒緻者
2.「繊細な魔術の技術と知識を備える者」に加えて「射出魔術に干渉しない防衛魔術を扱える者」
⇒精術緻識
3.「繊細な魔術の技術と知識を備える者」「射出魔術に干渉しない防衛魔術を扱える者」に加えて「山頂に、特定の人物から許可を得た者以外を通さない者」
⇒智細賢将
「山頂に、特定の人物から許可を得た者以外を通さない者」の要件がどのようなものであるかは詳しく知る者は四名においていないと言われている。
現在、権限所持者は、以下の人数だと言われている。
緻者は3000人
精術緻識は200人
智細賢将は4人
基本的には「緻者」であれば概ね個人研究や一般修練においては三合目が自由に移動でき、取得も簡単で事足りることが多い。
「精術緻識」であればほとんどが魔術研究者が多いため、取得には少し難易度が上がるが、三合目から九合目までを自由に移動できるため非常に有用、特に多くの素材が未だ眠っていることも多く、大枚をはたいても精術緻識者に依頼して目的の物の入手を依頼する者も少なくない。しかし精術緻識者以上が同行する際には七合目までは許可されているので知り合いに協力をしてくれる精術緻識者がいることもその者の財産といえるだろう。
智細賢将は謎が多い。その権限を持つ者が少なく、権限の所持者は有名となるはずであるのだが、権限の所持者が誰であるかを知る者はいない。その中には魔女もいると言われているが、現在の智細賢将がどのような人物かを知る者はその4人以外にはいないという。
智細賢将以外に山頂に何があるかを知る者はいないと言われている。
ミタル・ウィフオンス山の1~10合目の必要権限
1~3合目:権限無しで立ち入り可能。ただし一部の洞窟は「緻者」の称号を持っている者以上の権限が必要。
4~9合目:「精術緻識」以上の称号を所持している者は立ち入り可能。同行者が「精術緻識」の称号以下か、あるいは称号のない者であれば、7合目までと、その間までの洞窟の立ち入りまでが可能となり、山の上部の立ち入りを一部制限される。
9~10合目:智細賢将のみが立ち入りを許される。初の智細賢将は探求の魔女と言われているが定かではない。
権限を示す証はカード状でそれぞれに一目でわかるように意匠が異なるものとなっている。
智細賢将の証は「青」「金」「紫」中央にひし形に描かれる三本線の意匠
精術緻識の証は「青」「黄」「金」両端から真ん中にかけて下がる三本線の意匠
緻者の証は「青」「紫」「白」の左の角から右角に下がる三本線の意匠