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騎士団長の階級を返却してもらえますね」
「なんの能力だ」
「初歩的な反射に乱反射を組み合わせただけだよ」
「わけのわからいスキルを使いやがって ほらよ」団長の
バッチを投げ捨てる。
「ありがとうございました」騎士団長からお礼される。
「いえ、これで契約満了ということで」
「すごいわね。二回連続でにんむ達成ね」転生者狩りギルドの事務担当
カロリーネと食事屋で会う。
「なんとかなりました」
「今月だけですでに三人がこのギルドから去ったなんだけど
じゃあ次はこの注文書をお願い」
「白雪姫…」
「あ、こんにちは…」ゲートでワープして目的の薄暗い森の薄暗い
小屋へとイーサンは、尋ねる。
「どなた」きつい声が返ってくる。
「あの注文書いただきまして」
「あなたが転生者狩り?」
「はい」
「白雪姫を殺してくれるの?」
「まあ殺しますよ」
「こんにちは」マップのピンを頼りに白雪姫の小屋までたどり着く。
「どなたですか?」ドワーフが扉から姿を出す。
「あのすいませんこちらのりんごいかかですか?」
「いくらですか?」
「銅貨三百でどうです」
「いや…ちょっと高いですね…ごめんなさい」
「ちょっと! 待ってください!」イーサンが、扉の間に体をはさむ。
「なんですか」
「実は、このリンゴ特殊なアイテムで食べると目的地まで
迷いなくその人を導くことができるのです」
「ほんとですか!」白雪姫が姿を現す。
「あ、はい」
「よかった~携帯も全然使えなくなってもう
どうしようもなくなって途方にくれてたんです」白雪姫には、
幽閉の呪文がかけれていた。イーサンは、鑑定で見破る。
迷っているというより幽閉の呪文により
この森から出られないようだった。そして
携帯、あからさまな転生者だった。
「そうですか大変でしたねこれ便利ですよ」
「ありがとうございます」
「じゃあ! さっそくいただきます!」
「ちょっと待って!」
「少し置いてから食べたほうが効き目がありますから」
「そうですか…」
「じゃ!」
「お金!」イーサンは、そそくさとその場を立ち去る。
「どうでした?」王妃が戻ったイーサンに尋ねる。
「いや、少し時間をください」
「いいわ今すぐというわけではないのね。りんごは、
しっかりわたせたんでしょうね」
「ええ、確かに」
「もういいかしら」時間をおいてから王妃が魔法の鏡に尋ねる。
「いいと思います」イーサンが答える。
「いいわね! 素晴らしい」鏡にはちょうどリンゴたべて
その場に倒れこむ白雪姫の姿が写しだされていた。
「これで、任務完了ということで」
「ありがと、魔術印押すわねじゃあこれでさようならね」注文書に印が入る。
「いや、これからが本番だ」イーサンは、小屋を出た後大きく息を吐く。
魔術印が押された後注文書からは、隠し文字が浮かびあがる
それは、王妃を生きて救いだすこと…。注文書と共に
仕様書をイーサンは、渡されていた。
「ひどい末路ださあ…どうしたものか…」
意気揚々と王宮に向かう王妃の後ろ姿を見送る。
「王子! 右奥です!」森の中でゴーレム狩りを王子たちは、していた。
「まかせろ!」王子は、奥へとドラゴンと共に向かう。
「クッソ見失ったか」ゴーレムは突然バラバラになる。
「これは…」家臣の魔術師がゴーレムの破片を拾う。
「魔法陣…」
「罠か!」イーサンが仕掛けた魔法陣だった。
ゴーレムにより王子を誘導した。
「なんだ! 貴様ら!」王子は、目の前で女性にたかる
ドワーフ七匹を見つけ剣を抜く。
「違います」棺に入った白雪姫を見て王子が勘違いする。
「その姿! まさか!」王子の幼き日の記憶に白雪姫の姿がよみがえる。
「しかたあるまい」剣を抜く王子に仕方なくドワーフも斧を構える。
「ん!」先ほど崩れたゴーレムの破片から激しい光が放たれる。
「え!?」イーサンがりんごに仕掛けた魔術、催眠を
ゴーレムに仕掛けた魔法陣で解除し白雪姫を起こす。
「姫!」
「みんな? どうしたの?」
「お知り合いですか?」
「ええ」口を開けてドワーフと王子が見つめあう。
「諸君良く集まってくれた!」王宮最大の間に家臣や貴族が集められ
王子が演説を始める。
「本日は、みなに話がある私の妻を紹介する」会場がざわつく。
白雪姫が姿を現す。
「おお! お美しい!」会場の貴族たちが次々に絶賛する。
「そして今日は、余興として王妃カロリーナが踊ってくれます」
王妃カリーナが、王宮の間に姿を現す。
「では、これをどうぞ」魔術師が真っ赤な靴を差し出す。あからさまな
魔法陣が入っていた。魔法陣は、灼熱火炎地獄。ただの熱いくつでは
話がすまないはけば即火だるまであの世行だった。
「ありがとうございます」カロリーナは、躊躇なく靴を履こうとする。
「あのバカまさか最初から死ぬつもりで」王宮にイーサンも駆けつけていた。
カロリーナは、華やかなシャンデリアを眺める。
「今思えば、現実世界でも何も華のない人生だった。そして
せっかく人生をやりなやりなおそうと転生したのにこのせかいでも
悪役、白雪姫幸せにね」カロリーナは、心中で何一ついいことのなかった
現実世界の人生と異世界での日々を振り返り、頬に一筋の涙を流す。
「では、王子私の舞お見せいたします」カロリーナが礼儀ただしくお辞儀をする。
「では、私がお相手いたしましょう」イーサンが、名乗り出る。イーサンは、
ドワーフから招待状をもらっていた。
もちろん、毒リンゴ渡した張本人として暗殺するために。
「喜んで」
「なんで来たのよあんた馬鹿なの? 殺されるわよ」小声でイーサンに
王妃が耳打ちする。
「それは、こっちのセリフだここにこれば殺されこと分かってただろ」
「いいのよもう。少しだけ王妃になれたし」
「すまないが任務だ。もう少し生きてもらう」
「ハハハハ!」すぐに王妃とイーサンが火に包まれる。
「キャー!」
「なんだ!」大声で笑う王子と対照的に会場から悲鳴があがる。
「このものたちは、あろうことかこの白雪姫様を暗殺しようとした大罪人!」
「よってこの場で火刑を執行する! 乾杯!」王子が乾杯の音頭をとる。
「乾杯!」会場からも乾杯の声がこだまする。
「拡大 消失!」イーサンが、火炎に拡大の魔法をかけ延焼をさせ火を建物全体までひろげ、
消失により自らと王妃の姿を消す。
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