涼華の初任給。
次話で、ドS執事の正体が明かされます!
楽しみに読んで、頂ければ嬉しいです。
涼華の、人生初の、給料日。
「神田、今日は、お給料日なんだけど、どう
すればいいの?」
「それは、ご苦労様でした、銀行のATMで
出金出来ますよ。」
「何?そのATMとは?」
「あ~お嬢様には、分かりませんね?一緒に
行かれますか?」
「うん、」
二人で、銀行に行きATMの使い方を、教える
神田。
初任給は20万円に、満たなかった。
「あんなに、働いてこれだけ?」
「お嬢様、みんなは、そのお給料で、生活して
いるのですよ。」
「神田、お金って有り難いね!私は何も分かって、いなかったね!」
「お嬢様……」
神田、この初任給で、神田に何かプレゼントが
したいわ!欲しい物は?」
「今はまだ、手に入りません。」
「何?それ?」
「ハハハハ、内緒でございます!」
「ずるい!隠し事なんて!じゃあ、2番目に
欲しい物は?」
「ございませんよ!お嬢様のお給料ですから
お嬢様が、好きな様に、お使いになられたら。」
「い~え!神田に何か、買うの!」
「困りましたね~じゃあ、お揃いのハンカチ等は、いかがですか?」
「いいわね!それ、そうしましょう!」
そして、涼華の事だから、ブランド店に入る。
「これは、藤堂様、いらっしゃいませ!」
常連様なので、みんなが知っていた。
「今日は、何をお探しでしょうか?」
「ハンカチ。」
「はい?」
「今日は、ハンカチが要るの!」
「ハンカチで、ございますか、じゃあ、こちらに。」
「神田、どれがいい?」
二人で、色違いを選んだ。
何時もは、カードだが
「今日は、現金で払いますから。」
「かしこまりました。」
そして、店を出る二人。
「神田、本当にハンカチで良かったの?」
「はい!涼華お嬢様にプレゼントして、頂いて
それも、貴重な初任給で、ありがとうございます!」
「そんなに、言われると……神田、今日は遅いから、何か食べて帰りましょう。」
「お嬢様は、何がよろしゅうございますか?」
「そうね、この前、食べた〇〇〇〇〇ドの
ハンバーガーが、いいわ。」
「では、そう致しましょう。」
神田が注文をして、持って来る。
シェイクで、二人は乾杯をした。
「かんぱ~い。」
そして、涼華は大きな口を開けて
「あ~ん。」
と、ハンバーガーにかじりつくが、食べれない。
(可愛い~な!)
「お嬢様、少しずつですよ!」
「そうでしたね?」
少しずつ食べる、涼華。
(ハムスターみたいだな?)
「プフッ。」
「神田、何が可笑しいのよ!」
「あっ!いえ、お嬢様の食べる姿が、ハムスターみたいで!」
「あら?可愛いじゃないの?」
「そうですね。」
「神田、私は、やっぱり働いて良かった、みんなの苦労や、お金の有り難みが分かって、あの
まま大学に、行ってたら何も知らないままに
結婚して会社を、引き継いで、当たり前の様に
暮らしていたと思う。」
「お嬢様、ここ何年かで、身も心も成長され
ましたね!あの習い事も、今後、役に立つ時が
きっと、有るはずです、努力は裏切りません!
努力をしない者には、何も残りませんから!」
「努力は裏切らない、いい言葉だね!」
「はい!私の好きな、言葉でございます。」
そう言って、二人は笑う。
こうして、涼華は、その言葉通り、努力をして
仕事をやっていた。
無論、側で涼華に、バレない様に、神田は
何時も見守っていた。