半〜一ページの語りを、七百字に達するまで一文で執筆する。
所々えぐれて乾いた土の道を行き、その左右に咲いた草花に目をやる余裕も今はなく、ただひたすらゼエゼエと息を上げ、道の先に陰がないことに落胆し、照りつける日差しにさらされた頭で考えるべきこともなく、ただ淡々と道を行くが、それは急いでいるわけではなく、今ここで止まって、熱くなった地面に尻をつけて、ぼうっとすることが耐えられないからで、バッタが足元で跳ね、それがズボンの裾に張りつき、離れていくことも今は気にならず、鳥の鳴き声にいくらか癒された気持ちになるが、その声のする場所を見ようと頭を上げると、これまで感じなかった頭痛の波が、頭から目から流れ、それは落ちずにその場に留まるが、どうしてそのようになるのか分からず、ただ流れてくる汗を拭うが、こぼれて口に入ったその汗は、いやな味がするが、色は見ずに、吐き出しもせず、もう汗なのか唾液なのか分からず、そうしてるうちに喉の奥から何かヌメヌメしたものが込み上げてきて、それを地面に吐き出すと、ヌメヌメのあったところが乾き、それは喉の渇きになり、腕にあった汗を啜ると辛く、唇にそれを残したまま、首を回し、後ろにある、さっきまでは前にあったものを振り返ると、何か別のものを見ているような気になり、しかしその何かは何か分からず、数歩歩いてまた振り返った景色はさっき見た景色に違いなく、鳥の声のする場所は見えるが、鳥の姿は見えず、前を向くと、一匹の鳥が目の前を横切り、雲ひとつない空に羽ばたいていき、その姿は太陽と重なり、影となり、頭痛に耐えながらそれを見るが、鳥は消えてしまい、鳴き声ももう聞こえず、耳鳴りがし、それは夜中の映らなくなったテレビの音に似ていて、その音はどんどん大きくなり、意識が遠のいていく。