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一段落(200〜300)字の語りを、十五字前後の文を並べて執筆。
父が風呂から上がり、母が入り、上がり、入りな、となった。その間、僕はテレビを観ながらビールを飲んでいた。母が扇風機の前に座り、髪を乾かしている。石鹸の匂いがする。テレビから出されたクイズを、分かるかと聞かれ、分からないと答える。答えてから考え始める。考えてもやはり分からない。前のめりにしていた体を元に戻す。母はもう寝るからと言う。今は一人で寝ている寝室に向かっていく。昔は父と寝ていた。その母の後ろを猫がついていく。付けっぱなしにされた扇風機の風が煩わしい。グラスに残っていたビールを飲みきり、立ち上がり、切を押す。浴室に向かう。タオルは青いの使ってね、と寝室から聞こえてくる。