3 え?死んで……いない?
更新遅れてすみません。詳しくは活動報告まで。
――はっ!
ぼーっとしてたらいつの間にか視界が元通りになってた。
やっとか……
もう変な目に逢いたく無い……
しかも目覚めたの倉庫だし。
良かった良かった、死んでなかったのか。
辺り真っ暗だけどね。
すりガラスはあるから微妙に光は入ってきてるけどそれにしても暗い。
まあだんだん目が慣れてきた。
辺りの様子もざっくりと見えるようになってきた。
折角だし周りの物とかを詳しく確認しよう。
あんなイベントあったんだから体育倉庫に異変があってもおかしくない。
まあ調べるにしても狭い空間だしすぐ終わりそう。
だけど少し違和感を感じている。
変な臭いが漂っている気がする。
気がするだけというのだからあてにはならないが。
数十分間色々調べてみた。
時間感覚が狂ってしまっているので一時間とかかかったのかもしれないが時間に関してはどうでもいい。
結局、イベント前の倉庫と物の配置は同じだった。
いや、まんま倉庫だから当然か。
天地無用と書かれたダンボール、赤いカラーコーン四つ、跳び箱数個。
配置は、まあ、当然だけどとても綺麗とは言えなかった。
体育倉庫ってそんなもんだよね。
そして扉が開かないことにも気づいた。
これでは何もできない。
縄跳びなど使えそうなものは持っておこう。
そして、何があってもいいように備えておいた。
誰だ倉庫に誘った奴。
知ってるけども。
そして、変な臭いの正体が分かった。
扉付近に赤い液体、つまり血液があったのだ。
とはいえ誰のかも分からないし、ここには自分しか居ない。
扉は開かないのだから見つかったものの確証は得られなかった。
だが誰のものか予想だけならできる。
ゴーイン先輩の「私の身が危ない」発言が引っかかるし、その場にはゴーイン先輩くらいしか居なかったから、恐らく彼のだろう。
だとしても誰が刺すなり斬るなりしたのかが分からない。
栗のイガイガで怪我したのだとしても血痕の量的におかしい。
仮にゴーイン先輩のだったとしてもそれで何かあるかと言われると何もできない。
うん、何すればいいんだこれ。
暫く経ったけど人の気配もない。
とにかく暇。
しばらく経ち、することもないので妄想を繰り返していた。
この先自分はどうなるのかな。
まず扉が開かなきゃ始まらないけど。
高校終わったら大学受験でもしてそこそこなところ行く。
そして晴れて会社員かなんかになるのが手っ取り早いよな。
社会に出たら終身雇用とかになるのかな?
あんまりそこら辺の理解はしてないな。
いずれ大人になるなら考えなきゃいけない。
異世界転生とか転移とかしてない限り直面する問題だし。
モノによっては異世界でも必要になる。
「社会」といえば歴史ということで関ヶ原の戦いとか、理科のハーモノグラフの美しい図形とか、色々妄想をしていた。
結局学校に戻ってるし。
勉強好きかって?
そんな好きじゃないけど暇よりマシだ!
あー!
もうどうにでもなっていいから誰か来い!
でも、一向に暗闇は晴れなかった。
ポエム的表現ではなく物理的に。
一人じゃんけん、一人しりとり、とかの一人遊びも一通りやり終えた。
頭からっぽにして擬似的に意識を失おうと試みるが、それも失敗した。
途轍もなく暇だ。
しばらく経って、私は目覚めた。
いつの間にか寝ていたようだ。
辺りはさっきよりは明るくなっていた。
辺りを見回してみる。
すると、すりガラスの向こうに大きな黒い影が写っているのが見えた。
慌てて跳び箱の後ろに隠れる。
ざっくり見える姿は人間のそれでは無かった。
カラカラカラカラ、とスムーズに扉が開いた。
どうしてびくともしなかった扉が開くんだよ?!
心の中で毒づきながらも覚悟を決める。
黒い影の正体ゴーイン先輩だったとしてもあんなイベントあったんだから自業自得ってことで許してちょ。
そして、黒い影が近くに来たことを確認すると意を決し渾身の踵落としを食らわせた。