ひとりぼっちの妹
病室での会話やテレビから流れてくる「帰省」と言う言葉。
テレビを点ければ、ワイドショーから流れる高速道路の渋滞情報や鉄道や飛行機の乗車率。
大きな荷物をもって楽しそうに新幹線に乗り込む家族が映し出されている。
地方で教師をしている姉も学校での当番登校が終わってから帰省予定である。
毎年、お盆に家族揃って父のお墓参りに行くのが恒例だった。姉の帰省を待って行く事を予定していた。
妹の実習予定を汲んでくれて土曜日にしようと言っていてくれていたが、母の一言で予定なんて覆される。妹ちゃんは教育学部に進学しなかったというだけで、要らない娘。産んだことを後悔される娘。家族団らんの中では居なくても良い存在なのが伝わってくる。母に、父のお墓参りは姉と姉の彼氏とで既に済ませたと冷たく一言で終わらせられた。
母と姉と姉の彼氏で楽しく進む食事に、妹ちゃんは手が動かない。小さく下を向いて食事もしないで……否、できなくて(食べられなくて)ギブアップ状態。電車があるうちに帰宅することを選択する妹ちゃん。
妹ちゃんの人生は何処で間違えたのだろうか?
妹ちゃんは、なんのために生きているのだろう。