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月に焦がれる雪
とある国で娘が生まれた
娘は凛とした冷たい美しさでみなを魅力しました
娘の一番の自慢は透き通るように白い手足
娘の美しさを聞きいろいろなものが言い寄った
でも娘は絶対に全てを断りました
娘は月が好きだった
太陽でさえ負ける夜の闇に負けない月の輝き
丸い優しい目も薄く微笑む口元も
月の全てが好きでした
娘は美しい手足が黒くなるのがいやなので
あつい時は地面の下におり
月に密かに文を送り
寒い時は美しい姿を表し
月に見て貰えるよう大きく体を広げた
でも月は全く見向きもしなかった
月が好きなのは光輝く太陽
太陽にばかり美しい顔を見せる
そのうち娘は地と結ばれてしまった
でも一番美しい時は月が気まぐれに顔を向ける時
とうとう大地は娘を雪に変えてしまいました




